
今日は息子が「出勤」してくれたので、家事をやっつけてから、
おひるすぎ、ドタバタと支度をして呉服屋さんに行きました。
「繰り回し」の相談です。なんとかやってみましょ、と言ってもらえました。
まぁもうけにならないお客さんで、すんませんねぇ…。
で、お店に入ったとたんに立っていたのがトップの写真の振袖だったわけです。
カウンターにすわってから「いいねぇ」と言ったら、
近くまでもってきてくれたんですが…。
30年前のものだそうです。やっぱりねぇ…いまどきないわ、こんなの。
30年前といえば、今より少し控えめであっても、振袖といえば前柄がドーンの時代。
そりゃ好まれなかったことでしょう。でも、今でもちっとも古臭くない、と思います。
帯もわざわざ、アンティークなものを締めてありました。
柄のアップです。

遠めでパッとみて紅型かと一瞬思ったのですが、そうではありませんでした。
重ね雲取りで仕切った中が、毘沙門亀甲や格天井(ごうてんじょう)柄、
季節の花や向かい鶴などで埋め尽くされています。
本来小紋ですが、奥さんの考えで振袖にしたのだそうで…。
この横に「イマドキ」振袖がありましたが、まーったく「格違い」に見えました。
こういうものを見ることができないまま、山ほどの「花柄振袖」から、
選ばなければならないのは、気の毒だなぁと思いましたわ。
相談は、写真を出したり図を描いたりで、時間がかかったのですが、
それをしている間に、ちょこちょことお客様がいらっしゃる…。
あっジャマかな、と横に移動しようとすると「いいのいいの」と奥さんが言うのです。
なるほど、来る人くる人、みんな大きな風呂敷包みや紙袋を置いて「よろしくー」と
かえって行きます。振袖レンタルにしては、日がたちすぎていますし…、
「なにを置いて帰ってるの?」とたずねたら、
全部成人式に着た着物一式のお手入れ、だそうで。
裏話をちょっと聞かせていただいたのですが、黙っているとファンデーションや、
どこかで飲んだお茶など、つけっぱなしのまま、
じゅばんや帯なども汗の湿気を飛ばしただけでしまっちゃうのだそうで…。
日がたってから「カビが…」とか「シミが…」とか、持ってこられるのだそうです。
それで、販売のときに「お召しになったあとは…」と説明しても、
それなら着たらもってくるから…になって、結局最初から
「終わったら一度お持ち下さい」になったのだとか…。
アフターサービスなんだけど、数が多くて、家族総出で毎晩チェック、だそうです。
しかも、親の年代でも着物をたためない人がいるそうで、
風呂敷包みを開けると、ざっとたたんだだけだったりもあるとか…。
安いものではないのですから、どうせ洗ってもらうし…では悲しいですねぇ。
今日は若旦那さんもずっといらしたので、着物業界のことなど、
いろいろお話し伺いました。「問屋にいいものがない」のが現実だそうです。
「もうこれはこれで最後かな」と言うような染めや織りのものが増えて寂しくなる、と。
「安いことがいいこと」というのはおかしいんですけどねぇ、とも言ってました。
プロですから、イマドキの山積振袖がどれだけ質の落ちるものか知ってます。
「うちは個人の店だから、いくら頼まれても『どこで大量生産されたかわからない』ものは
置かないけれど、そうするとお客さんに『おたくは高いものしかない』と言われる…。
苦しいんですよ」と言ってました。
今年は、テレビで見たとおり、白地のような薄い色と赤がハヤリだったそうですが、
若旦那が「お父さんと一緒に来ると、本人が黒地の振袖、と言っても赤いのがいいと
お父さんが譲らないんですよ」と笑っていました。
私が「孫の掛け着や七五三は、おばーちゃんが『赤』を譲らないんだって」というと
赤以外売れないわけだ…と大笑い。
ちょうど展示会が終わった後で、紬の産地からのものが残っていましたが、
価格を見たら10万くらいの紬が2万でおつりがくるほどの価格で売られてるんです。
「これで商売になるの?」と聞いたら、これはもうほんとのサービス品で、
産地は売れなきゃ困るから、いいものを目玉として持ってくるんですよ、と。
当然、産地の承認ずみのものですから、伝統工芸のマークまでついているのに。
そこのお店は、ここずっとそれぞれの産地から直接のものを出しています。
問屋を通さない分、ほんとに安いのですが、それにしても更なるその安さに、
大丈夫なのかしら、と思いました。
「今、まともにやっているところこそ、たいへんなんです」と、
若旦那は、職人がきえていくのを憂いていました。
「安いもの安いもの」って眼の色かえるんだけど、普段の紬や小紋ならともかく、
振袖や留袖は、ある程度出さなきゃそれなりのものは手に入らないと、
そこをわかっていただきたいんですけどねぇ…とも言ってましたね。
奥さんと若旦那と私と三人で「はぁ~~」とため息ついて、やだねぇ…。
そんなわけで、今日はお店で眼の保養だけ、たーっぷりさせていただきました。
そうそう帯締めのお話しになって
「これはねぇ…置いてくれといわれて何本か置いているんだけど
私も勧めにくいんですよ」と若旦那が箱をあけて見せてくれたのが、
白と銀にピンクがうねっと入っているもの。特別すごい組み方でもないし、
もし、ピンクが渋めの色でも、私ならまぁ紬にちょこっと締める感じかなーの帯締め。
それが値段見たら「39800円」…これ買うなら安い紬買うわ…と言ったら、
若旦那も「ですよねぇ…」、こんなの締める人、いるんだろうか。
「五嶋」のゆるぎが5色ありましたが、ははは、いい色だねぇ…用ないわ…。
というわけで、厄介な繰り回しの相談で、お店を長時間占拠したお客は、
帰ってきたのでありました。
息子のご帰還スレスレ…まにあったー。
さー本日手抜きの夕食だからねぇ…。
おひるすぎ、ドタバタと支度をして呉服屋さんに行きました。
「繰り回し」の相談です。なんとかやってみましょ、と言ってもらえました。
まぁもうけにならないお客さんで、すんませんねぇ…。
で、お店に入ったとたんに立っていたのがトップの写真の振袖だったわけです。
カウンターにすわってから「いいねぇ」と言ったら、
近くまでもってきてくれたんですが…。
30年前のものだそうです。やっぱりねぇ…いまどきないわ、こんなの。
30年前といえば、今より少し控えめであっても、振袖といえば前柄がドーンの時代。
そりゃ好まれなかったことでしょう。でも、今でもちっとも古臭くない、と思います。
帯もわざわざ、アンティークなものを締めてありました。
柄のアップです。

遠めでパッとみて紅型かと一瞬思ったのですが、そうではありませんでした。
重ね雲取りで仕切った中が、毘沙門亀甲や格天井(ごうてんじょう)柄、
季節の花や向かい鶴などで埋め尽くされています。
本来小紋ですが、奥さんの考えで振袖にしたのだそうで…。
この横に「イマドキ」振袖がありましたが、まーったく「格違い」に見えました。
こういうものを見ることができないまま、山ほどの「花柄振袖」から、
選ばなければならないのは、気の毒だなぁと思いましたわ。
相談は、写真を出したり図を描いたりで、時間がかかったのですが、
それをしている間に、ちょこちょことお客様がいらっしゃる…。
あっジャマかな、と横に移動しようとすると「いいのいいの」と奥さんが言うのです。
なるほど、来る人くる人、みんな大きな風呂敷包みや紙袋を置いて「よろしくー」と
かえって行きます。振袖レンタルにしては、日がたちすぎていますし…、
「なにを置いて帰ってるの?」とたずねたら、
全部成人式に着た着物一式のお手入れ、だそうで。
裏話をちょっと聞かせていただいたのですが、黙っているとファンデーションや、
どこかで飲んだお茶など、つけっぱなしのまま、
じゅばんや帯なども汗の湿気を飛ばしただけでしまっちゃうのだそうで…。
日がたってから「カビが…」とか「シミが…」とか、持ってこられるのだそうです。
それで、販売のときに「お召しになったあとは…」と説明しても、
それなら着たらもってくるから…になって、結局最初から
「終わったら一度お持ち下さい」になったのだとか…。
アフターサービスなんだけど、数が多くて、家族総出で毎晩チェック、だそうです。
しかも、親の年代でも着物をたためない人がいるそうで、
風呂敷包みを開けると、ざっとたたんだだけだったりもあるとか…。
安いものではないのですから、どうせ洗ってもらうし…では悲しいですねぇ。
今日は若旦那さんもずっといらしたので、着物業界のことなど、
いろいろお話し伺いました。「問屋にいいものがない」のが現実だそうです。
「もうこれはこれで最後かな」と言うような染めや織りのものが増えて寂しくなる、と。
「安いことがいいこと」というのはおかしいんですけどねぇ、とも言ってました。
プロですから、イマドキの山積振袖がどれだけ質の落ちるものか知ってます。
「うちは個人の店だから、いくら頼まれても『どこで大量生産されたかわからない』ものは
置かないけれど、そうするとお客さんに『おたくは高いものしかない』と言われる…。
苦しいんですよ」と言ってました。
今年は、テレビで見たとおり、白地のような薄い色と赤がハヤリだったそうですが、
若旦那が「お父さんと一緒に来ると、本人が黒地の振袖、と言っても赤いのがいいと
お父さんが譲らないんですよ」と笑っていました。
私が「孫の掛け着や七五三は、おばーちゃんが『赤』を譲らないんだって」というと
赤以外売れないわけだ…と大笑い。
ちょうど展示会が終わった後で、紬の産地からのものが残っていましたが、
価格を見たら10万くらいの紬が2万でおつりがくるほどの価格で売られてるんです。
「これで商売になるの?」と聞いたら、これはもうほんとのサービス品で、
産地は売れなきゃ困るから、いいものを目玉として持ってくるんですよ、と。
当然、産地の承認ずみのものですから、伝統工芸のマークまでついているのに。
そこのお店は、ここずっとそれぞれの産地から直接のものを出しています。
問屋を通さない分、ほんとに安いのですが、それにしても更なるその安さに、
大丈夫なのかしら、と思いました。
「今、まともにやっているところこそ、たいへんなんです」と、
若旦那は、職人がきえていくのを憂いていました。
「安いもの安いもの」って眼の色かえるんだけど、普段の紬や小紋ならともかく、
振袖や留袖は、ある程度出さなきゃそれなりのものは手に入らないと、
そこをわかっていただきたいんですけどねぇ…とも言ってましたね。
奥さんと若旦那と私と三人で「はぁ~~」とため息ついて、やだねぇ…。
そんなわけで、今日はお店で眼の保養だけ、たーっぷりさせていただきました。
そうそう帯締めのお話しになって
「これはねぇ…置いてくれといわれて何本か置いているんだけど
私も勧めにくいんですよ」と若旦那が箱をあけて見せてくれたのが、
白と銀にピンクがうねっと入っているもの。特別すごい組み方でもないし、
もし、ピンクが渋めの色でも、私ならまぁ紬にちょこっと締める感じかなーの帯締め。
それが値段見たら「39800円」…これ買うなら安い紬買うわ…と言ったら、
若旦那も「ですよねぇ…」、こんなの締める人、いるんだろうか。
「五嶋」のゆるぎが5色ありましたが、ははは、いい色だねぇ…用ないわ…。
というわけで、厄介な繰り回しの相談で、お店を長時間占拠したお客は、
帰ってきたのでありました。
息子のご帰還スレスレ…まにあったー。
さー本日手抜きの夕食だからねぇ…。
小紋で振袖だったのですね。
いまどきの安っぽい振袖より
こういう小紋でのほうが、ずっと豪華に見えますね。
それに、ぜんぜん、古さを感じないというか
きっと、親子二代で着ても問題ないでしょうね。
娘がいたら、こんなのを着せたいな~って言っても
娘がいないどころか、結婚が先ですわぁ(笑)
そうなんです、私もあれっと思って、
とおりすぎたのを戻って見直したんですよ。
でも、ステキですよね。
もう成人式も終わったので、
「これ、売れなかったの?」と聞いたら
「そう、30年前からね」って。
私も「娘いたら着せる~」って言いました。
私の場合は「今からじゃムリ」ですわ。
私の振袖は母が縫ってくれた青地に白の牡丹(芍薬?)の柄で
振袖っぽい柄のものですが、こういった物も良いですね。
もう振袖を着る事はできなくなりましたが、
こんな振袖であれば機会があれば着て見たいです。
華やかなお振り袖もいいけれど、ありふれて
いないこういうお振り袖も素敵ですね。
大雑把にくくれば赤・青・黄色なんでしょうが
一段落ち着いた伝統色で、ほんとに長く着られそう。
お元気そうでなによりです。
確かに30年程前は4丈物の小紋が有りましたね。
それにしても丁寧な保存!凄いの一言です・・
今でも小紋の振袖は作れます、袖分を染めてもらったりとか、袖に工夫をしたりとかetc・・・但し作りこなすノウハウを持っている所は殆ど無いと思いますが、残念な事です。
この振袖に対するコメントを見て感じるのですが・・・確かに蓼食う虫も好き好きですね・・・それとも時代による、感覚が好みが変ってしまったという事なのでしょうか???年寄りにはおせっかいな疑問が生まれます。若者の初々しさや・華やかさや・可愛らしさが・・その時にしか着られない、貴重な瞬間に答えられなくても、今の二十には善いのでしょうね?
後で後悔する様な気もしますが・・・今の親御さんは自分でモノが選べないから、自信が無いので子供の意見を聞いたりします・・・是もなんだかね・・・
余計を承知でカキコしちゃいました、御免!
パッと見てすーごい豪華~~って思ったんですけど小紋柄なんですね。小紋に先入観をもってはいかんですね。テカテカキラキラした振袖よりず~~っと豪華ですもんね。
産地が細っていくのは、本当に残念です。
そういう意味では昨今の着物流行は良いことだと思うのですが、どうも見ていると「○○の××」という冠が付かないと売れないみたいですね。
ここが着物衰退の原因だと思うのですけど、まずお客の方側が良い物を見分ける目と、自分が好きなもの、自分に似合う物を知ることをしないと、物の良し悪し以前に、売り方の上手な呉服屋の言いなりになるしかない・・・ですものね。
何でも「若い娘は赤!!」の時代に育った年代の人たちは赤赤!言いますけど、アンティーク物に残っている地味だけど派手な物の良さを知らないんですよねぇ。(先日の黒地のお振り袖とか、今日のこの小紋柄とか。)
それ成人式だ!と慌てても、普段目にする事が少ない着物は付け刃では良い物を見分けることはできませんよね。
娘が育てば二十歳になるんですから、前々からあれこれ見るようにしておけば良いのになぁ、とよく思います。
勿論、娘さんだけでなく赤赤信仰の親御さんも・・・
作り手も売り手も、それを見る側も「だいじにしたい」気持ち
伝わって来ます。
これが何年も大切にされて来た厚みなんでしょうね。
洋服でも残念ながらこれくらいのお値段で、これくらいのデザインで
これくらいの色なら…で着られている方が圧倒的ではないでしょうか。
その延長上で着物を見ると、真っ先に産地がやせ細る矢面に
立っていると思います。
私が大人の寸法で初めて作ってもらった大柄の小紋(変な呼び方! 当時は加工着尺とか何とか言ってました)も、振袖にもなりますと言われました。
結局袖は短くして、草履だのバッグだの作りましたが、振袖にして着ておけばよかったと今にして思います。
今はお正月にも晴れ着を着ませんし、小紋の振袖、需要がないでしょうね。
成人式用ではない晴れ着振袖、かわいくていいなと思うのは、年取った証拠かしら。
写真の振袖、柄合わせも上手で、本当にすてきです。