はなっからお詫びですみません。
ちと時間がたりなくなりまして、今日は「前菜」程度のお話です。
まず、作り帯の作り方の前に…
作り帯は、あとで元に戻せる「切らない」タイプと、切ってしまうので戻せないタイプがあります。
何もダメージのない帯の場合、切りたくないけど、ちょっと面倒だし…のときは
「折りたたんで必要なところだけ糸で留める」だし、
元に戻らなくてもいい場合は「切り分けてつなぐ」…です。今日は「切る」方のお話しです。
いつも「実際に作業に入る前に」…というお話しが長いのが「ワタシの悪いクセ(杉下右京風に)」。
昨日も書きましたが、作り帯は「締めたらカタチになれば」いいのです。
作り方はいろいろありますが、どれがいいとかお勧めとかはありません。個人の好みです。
ポイントになることを書いてみますね。
まず、作り帯で必要なのは「胴に巻く分」「お太鼓分」「手の分」の三つのパーツです。
一番いいのは「おたいこ」と「胴巻き分とて」の2パーツで作る方法。
通常の長さの帯で作るときはモンダイほとんどありませんが、たれ先にシミがあってカットしたい…とか、
(私のように)あまりにもサイズが違って、前に柄がこない…とか。
もしくは帯地でないもので作りたいけど、生地が足りないとか…。
それをカバーするためにどうするか…ということになります。
帯は、締めたとき外からは見えないところ、目立たないところがけっこうあります。
こちらの写真は、じゅばんからのリメイクで帯にしたもの。帯についてはこちら。シミだらけも写っています。
これは作り帯ではありませんが、見えないところはこんなについであります。
生地によってはゴロゴロしますから、難しい場合もありますが、胴の中側に入るところ、
締めるとおたいこの下に入るところ、最終的には「脇」、こういうところを利用して、
元の帯を裁断してつなぎ合わせるとか、別布を足して帯の必要尺を出せばゆとりを持って作れます。
究極2本の帯で1本というのもできるわけですね。
「おたいこ」「胴」「て」の3つに分けるときは、どこに何をどうつけるか…です。
昨日の帯の写真です。全部ひとつにくっついてます。上がおたいこ、真ん中が胴、右下が「て」。
「て」の位置がどうにも微妙で、これで締められるのだろうかとクビを傾げました。
どうやら寸法がぎりぎりで、こういう作り方をしたようです。
とりあえず締めてみました。
くっついていると気をつけなければいけないのは、微妙な調整ができないということです。
この帯の場合、締めるときは、まずおたいこを先にしょわなければなりません。
胴に巻くことを先にすると、いい具合に締まったと思ったらおたいこが真後ろにこない…なんてことになります。
まずしょいました。みやすいように帯揚げかけてません。帯枕は未使用の若向きの少し厚みのあるものです。
前帯は、両脇から前に回すようにして巻きます。この帯は右から左へ…が先です。
左側の脇辺りまで着ました。ひもの付け位置ですが、帯の幅の真ん中についてます。これがまず使いにくい…。
とりあえず左から右へのほうを巻きます。これでぎりぎりです。
こちらのひもは、帯の一番下についています。
後ろでひもを結びました。
すると、片方のひもつけ位置が帯の真ん中、片方が帯の下なので、
ひもをぎゅっと締めると、こんなふうに下の帯がはみ出します。これは折って中に隠します。
おたいこの形を決めて洗濯ばさみで止めておきます。ここまではなんとか…。
右側にさがっている「て」を広げ、「て」として帯の中を通し、帯締めを締めました。
左側はなんとか…。
でも右側が、あまりに「て」が短いので、下から上げきれず、ズリ落ちたような感じ。
カタチにはなりましたが、「て」がどうしても短くて無理やり上に上げていますから、
これだと時間がたつと、下に下がると思います。そうなるとおたいこがゆがみますね。
お福ちゃんはヤセめなのでぎゅーっと引っ張って、なんとかなりましたが、
これ、私だと太いですからたぶん「て」がお尻の真ん中に垂れ下がると思いますし、
無理やり締めてもツレるとおもいます。
つまり、どこかムリをするような締め方にならないように、どこかで継いで、余裕を持たせたほうがいいわけです。
もうひとつ、これはいただきもので、その人は作ったけれど一度もしめていない…とおっしゃってました。
これは羽織の残り布で作ったので、これまた寸法が…です。
胴に巻くパーツと、おたいこには「て」が縫いつけてあります。
こんな感じで、おたいこの形も、「て」も、すべて縫いとめてあります。
黄色い線が、とめてあるところ。帯山にタックをとってあるのは、平らより背中になじみます。
まず胴に巻く…。これは両方とも紐が下なのですんなり巻いて結べました。
寸法は、くださった方に比べて私のほうが太いのでギリギリです。
下になるほうは、脇ギリギリ。
上になるほうは、なんとかおたいこで隠れる位置まで。
で、お太鼓を背負い、「て」を通すと、スンナリきれいに…。
のはずが大問題発生です。横から見ると…あらら下にずり落ちてる…。
ならばおたいこを上に上げて…と思っても、お太鼓そのものが縫いとめてカタチになっているので、
「て」を帯に合わせると…大きなトンネルが…もう少し厚みのある帯枕を使ってもだめでした。
実はいただいたときに「テキトーにとめちゃったの。だから自分の体に合わせてやり直してね」といわれました。
ご自分も締めてないので、寸法合わないと思う…と。確かに…。
この作り方は、締めたときにきれいにカタチになるところをちゃんと決めて、
そこを縫いとめれば、実に簡単便利です。そのたびにおたいこ作らなくても決まりますから。
こんなふうに「作り帯」というのは、実は自分の体に合わせて、ジャストサイズで細かく作るか、
いっそシンプルに、おたいこと胴巻きにするか、そこから決めるわけなんです。
そしていつの場合も、締めたら「この帯はつながっていないのだ」ということを注意することです。
次回も、また「前フリ」だけで終わるかも…ですが、おつきあいください。
なんで「て」があんな所についているのだろう
と疑問に思ったのですが・・・
そして「て」を左右綺麗に出したい私は
「垂れ」に「て」をつければ 問題解決か と安直に思っていたのですが
どうも そういう訳でも無いようですね
次回を楽しみにしています。
サイズは大事ですねぇ。
自分の体にあうように作らないと、結局使いづらくなりますから。
惠様の場合は「切らずに」のほうがいいでしょう。
切らずにたたんでとめて(できるだけ縫わないで)の締め方を、
最後にやってみますので。