ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

たかが雑巾、されど雑巾…

2016-04-30 02:10:38 | とんぼ手帖

 

この時期になると、子供の学校に持っていく…ということで、

いろいろなサイトで「雑巾」のお話を目にします。実はmixiにもあったのですが、

「買うか縫うか」…あぁ今はそこからなのねぇ…、と私の年代では思うわけです。

 

かつて「ペットボトルの水」が売り出されたとき、何で水なんかお金出して買うの?でした。

確かに水道水と天然水では、いろいろと違いがあり、現実に「酒どころ」なんて言われるところには

いい水源があるものですし、コーヒーやお茶の味に拘りを持つ方は、買ったり汲みに行ったりなさいます。

最近は、ちょっと水分補給のためにバッグに入れていたり、旅行などでも使われるようになりました。

今や別に水を買うことに抵抗はなくなってきましたね。

そう言われてみれば…ですが、雑巾は、そういう意味で、まだ「ちと買うのが後ろめたいもの」の範疇のようです。

そしてもうひとつは「親の手抜きと思われるのではないか」という心配…。

気持ちはわからないでもありませんが、親の見栄ためではなく子供のためのモノなのだったら、

生活の状況によって、買ったっていいと思いますけどね。

 

私が不思議だったのは、それにしても雑巾縫うくらい、なにをそんなに大変そうに言うのだろ…でした。

すぐにわかりました。ミシンで縫わねばならないから…。

いやぁ元々雑巾なんて、ミシンで縫うものではないと…私は思っています。

ちょっと話はそれますが、記事を書いた女性記者が、

「いまやミシンは誰もが持つものではない」

「裁縫は料理や洗濯などの家事のように、どうしても必要な要素ではなく、いまや趣味や特技のジャンルである」

と書いていたこと。

私はこれを読んでぎょえーーーっと思いました。そうか、すでに裁縫は「趣味と特技」なのか…。

オバサンは泣けてきます。ボタン付けとかちょっとほつれたところの直しくらいは、やってるよね…。

 

裁縫は、本当に必要のない家事要素なのでしょうか。いや、こだわってちゃいけません。先に進みます。

とりあえず、ミシンがあるのだから…のかたは、何か形になるものを縫うと言ったらミシン、なのですね。

雑巾をミシンで縫うのは、そりゃめんどくさいでしょう。

ミシン出してきて糸をセットして、厚地で縫い目もよく見えないようなタオル地を、四角く縫ってそれからばってんにして、

端っこは特に厚地だから、気を付けないと針が折れる、そこだけはゆっくりゆっくり、

スイッチを切ったり入れたり、「押さえ」を上げたりり下げたり、いちいち糸の端を切ったり…あ、めんどくさ…。

雑巾は、そんなにシャカリキに縫わなくてもいいものだ…も、わからなくなっているのでしょうね。

 

雑巾は、単にバラバラなにならないように布を止めつけてあればいいだけのものです。

1枚で縫わずに使う、と言う方もいらっしゃいますね。家ではそれでも学校にもたせるのはねぇ…。

雑巾って、縫うのは簡単だけど、実は奥が深いのです。わ、おおげさ!

 

まず、なぜ縫うのか。これは「タオルのない時代の名残であろう」…と言うお話がありました。

タオルが入ってきたのは明治ですが、そりや最初は超高級品。カシミアのマフラーくらいの扱いですね。

やがて国産のタオルもできるようになりました。

それまでの日本の木綿は、ただの平織、つまり手拭いや浴衣の古いものなどでしたから、

雑巾にしようかというものはすでに穴が開いたり、どこか擦り切れて弱っていたりするわけです。

それをそのまま1枚で使ったら、すぐボロボロになってしまいますから、

折って畳んだり、何枚か重ねて縫い合わせたりしたわけですね。

その名残…と言われるとなるほどね、ですが、雑巾の素材がただの平織木綿からタオル地になったことで、

雑巾の質はとてもよくなったわけです。厚手で柔らかく、ループのケバケバが汚れをよく捕まえてくれます。

だからその良さをうまく使うためには、雑巾はふかふかでいいのです。

 

元々タオルは使うほどにケバが取れて、だんだん固くなっていきます。

我が家は柔軟剤は使わないのではっきりわかりますが、乾くと雑巾寸前のタオルはゴワゴワしてます。

そして「ミシン」は、縫い目が硬くなります。丈夫に縫えるようにできていますから。 

洋服は人間の体のカタチに合うように作るので、カーブを多用し、縫い代は細いところは5ミリくらいです。

だから縫い目が笑っちゃわないように、しっかり縫えた方がいいわけです。

ミシンは上糸と下糸の2本糸で縫います。

上下に生地を挟み込んでしっかり押さえる…だから生地が動かないのですね。これが固くなる原因です。

だんだん固くなる生地を、更にしっかり縫い合わせてしまったら…しかもたぶん、ですが

使い慣れない方は、きっと木綿糸で縫われると思いますが、木綿は糸も縮みやすいです。

雑巾はますます固くなり、使いづらく絞りづらくなっていくのです。

 

ミシンで雑巾を縫うなら、できるだけ縫い目を大きくしてザックザックの感じで縫います。

手縫いでも同じですが、チクチクと細かく丁寧に縫うのは、かえって雑巾を固くします。

つまり…雑巾っていい加減でユルユルな縫い目で、グズグズな布のほうが使いやすく、絞りやすいのです。

また中をどう縫うか、ですが、やたら何回も四角く縫って、中はバッテンにして…もそんなに気にすることはありません。

使うとき生地がズレなければいいのですから、周囲を四角く縫って、中は十文字(田の字かX)で十分。

スカスカな方が早く乾きます。

なのでそんな程度なら、ミシンで縫わなくても手縫いで十分でしょうということなのです。

雑巾縫いはテレビ見ながらのお仕事ですませられる作業だと、私はおもっているわけです。

 

だったら縫わないで1枚の方が、畳みかえれば何面も使えるし、洗っても乾燥が早い、

だからわざわざ縫うことはない…と思えるのですが、実は雑巾には「使いどころ」があります。

つまり「使い分け」ですね。折りたたんで縫い合わせてあるものを使うほうがいい場合もある、ということです。

そのことは、明日、雑巾のあれこれで、また書きたいと思います。

 

とりあえず…雑巾は手縫いが一番であることと、裁縫が苦手でもさほど苦労なく縫えるということ、

それに、それをすると少し運針が上手になりますよー。 

明日は、ちょっと実際に縫いながらのお話です。


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2 コメント

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Unknown (じじ)
2016-05-01 21:24:52
私も雑巾は手縫いだと思っていました。
ミシンだとかたくて使いづらいですよね。
今は売ってますから便利というかなんというか。

昨日今日とお天気が良くてお洗濯日和。
ただ片手が思うように挙がらないので><
リハビリになるそうですから少しずつしてますけどね。
男所帯だもので仕方ない。
というか。だから治りが早いかもと思います(笑)

先週末に手芸店の売出しがあったのですが、いくの止めました。
取りあえず手持ちのをなんとかしなきゃです。
義姉も「布もっていかない?」と言ってくれますが、私も言いたいくらいなので。
義姉は着物地でのリフォームが面白いとのことで、買い置きの生地がそのままなんですよ。

今年は梅雨入りが早いかもとの事ですが、どうなんでしょう。
嫌ですねえ。滅入ります。
ウッシーさん、お体気をつけてくださいね。
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Unknown (とんぼ)
2016-05-01 23:02:12
じじ様

100均の雑巾って一度見たらペラペラ。
今はいろいろあるようですが、
100円でも安いとは思えなくて…年ですかね。

動かすことがリハビリ…それなら無理せず
継続して動かしてくださいね。
梅雨、夏、あまり得意でない季節がすぐそこですね。
お互いぼちぼち無理せずいきましょう。
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