ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

粋な柄の裏はモダン柄でした。

2014-02-18 17:19:28 | 着物・古布

 

マント記事が伸びていてすみません。

なんとかゴソゴソと起きだしまして、ぺたーっと座り込み、はぁぁとため息。

ここまで雪に振り回されて、悔しいったらありゃしない。でもまだアチコチイタヒ…。

デロデロしとられんわぁとは思うものの、とりあえずムリはせず、おすわりしたまま、

目の前に積んであった「古着物」の一番上のものを手に取りました。

 

先月、友人が訪ねてきてくれたときに広げた一枚です。

ツギハギだから解いてみるねぇと話したもの。

状態よくて量がとれたら、何かにしたいねと話し合いました。

よしっ解くぞ…と、はじめました。表の大部分は、トップ写真の袖部分「纏柄」。

 

      

 

しゅるんとした、肌触りのいい羽二重です。

「め」組と…

 

       

 

「か組」

 

       

 

粋でいなせな「火消しの纏」ですね。

何度か書いております「江戸時代の消防」。

江戸開府以来、町の発展や人口の激増などさまざまな変化から、

ひとたび大火事になると、その後の政治経済にも多大な影響を及ぼすようになります。

そこで、さまざまいろんな「消防」が考案実施されましたが、町の発展に追いつかず・・・。

家康さんから8代目の吉宗さんの時代になって、ようやく江戸の町全部を考えた

「消防体系」が出来上がりました。100年かかったわけです。

で、その最終形態が「いろは四十八組」というわけです。

上の絵で「八番組」とか「神田組」とあるのは、江戸の町を地域割りした呼び方です。

「いろは組」は、隅田川から地図で言うと左、西側を受け持ちました。

だいたい江戸城の周囲を取り囲むカタチで、分けられています。

纏は、最初は単に「ウチのチームのシンボル」…。

元々が武家支配の社会であり、そのための町ですから、火事を戦に見立てて、

戦場での「幟」や「幡」のように、チームの位置関係や存在などを示すものでした。

その幟や幡の規定がかわり、最終的にできたのが「纏」です。

火事場で先頭に立って、命がけで働く男は、女性にとっても憧れの的だったわけですが、

映画などで、燃え盛る炎の中、屋根に上がった火消しが、高々とまといを振り上げくるくる回す…。

あれは「この火事は、この家まででオレの組が食い止めるぞ!」というアピール。

木造家屋の小さな家が密集した江戸の町では、延焼を食い止めるのが、最大の消防だったわけです。

消火栓も消火器もない時代ですから、ほぼ破壊消防。

つまりこのアタリまでで火を止めるように家を壊す・・・乱暴ですが、ほっといたら全部燃えますから。

それで「ここまでで止める」になるわけですが、纏持ちは組頭の命令で言われた屋根に上がります。

トップのヨミが甘かったら、火はそこで止まらず、「ありゃ、燃えてきちゃったじゃん」…どころか、

纏持ちは組頭が「てっしゅー」と言うまでおりられませんから、焼死もありえる…。

そんな命知らずの男たちなればこそ、モテたんでしょうねぇ。

 

さて、とりあえず、解いてみましたら、まぁ布力はあり、なんとか取れる部分は全部使えそうです。

身頃の上半身の武具柄のところはモスリンで、はい、ありました「虫食い穴」…こりゃ部分使いだわ。。

なので、纏柄は袖と腰から下部分全部使用可能・・・とここまできて、あっ袖裏…。

ひっくり返してびっくり。裏はもう生地がたりなくて、晒しとたぶん女性モノの羽裏と思いますが、

それのハギレのツギハギでした。それがねぇ…表とここまで違うか・・・の、こんな柄。 

 

        

                

 

いっぱし「アール・デコ」…でも、あくまで「ふう」…。

涙・ゆめ?・たり・ひさ…夢涙足り…ナンタラ?まったくわかりません。

 

        

 

そして…お…お歳暮??

 

                 

 

「クローヴァーのたより」…更にわからなくなってきました。

 

                 

 

アール・ヌーボーのあとに、流行したアール・デコですが、

その独特の「洋風の香り」を、和服にも一生懸命、とりいれたのでしょうねぇ。

全部幅の細いもののつなぎあわせなので、もうハギレのハギレとしてしか使えませんが、

まるっと元のままの柄を見てみたかったです。

 

さて、水曜日が怪しいの、また雪かもだのと言ってましたが、少し様子が変わってきたようです。

降ってもいい!降ってもいいから「雨」にしてっ!と願う私です。

マント…わかってます。書いてますので…。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« すみません、ガタきてます。 | トップ | しつこく雪話題 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
竹久夢二かな (とらのすけ)
2014-02-18 18:29:48
この目のデザインと似たものを竹久夢二の画集で見た記憶があります
ゆめ、たけひさ、のサインが少し欠けたのか、無断でデザインをパクったので少し変えたのかもしれませんね
返信する
Unknown (とんぼ)
2014-02-18 18:41:51
とらのすけ様

貴重な情報、ありがとうございます。
きっとそうですね。「パクリ」はたくさん見かけますが、
著作権などうるさく言わなかった時代にも、
「遠慮」という気持ちをもっていたんですね。
堂々と「広重」なんて書かれていると、
圧倒されて「はいはい、ワカリマシタ」ですが、
こんなふうにちょこっと控えめが見えると、
なんだか職人気質がみえるようで、楽しいですね。
今でもファンの多い夢二さんですが、私ちょっと苦手で、
画集もロクにみていませんでした。
ありがとうございました。
返信する
Unknown (天鼓)
2014-02-18 23:22:06
おもしろい拾いものですね。
袖の半分の幅なら、カバン裏とかに使うとちょっと楽しそうです。
表は、結構大柄な感じでかなりの量が使えるなら、何にされるのかなあと楽しみです。
返信する
Unknown (とんぼ)
2014-02-19 17:31:07
天鼓様

色目としてもあまりない色なので、
とりあえずきれいに洗って、つなげられないかと
考えています。
表は黒繻子と合わせて帯を考えていますが、
あまりに粋になるので、しめられるか?と思ってます。
返信する

コメントを投稿

着物・古布」カテゴリの最新記事