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羽織は「ジミ~」なんですが、羽裏は大好きな「街道柄」です。
いやもう賑々しいこと…これは東海道などの街道ではなく、たぶん「両国界隈」の賑わいの通りの様子。
あちこちに「芝居小屋」らしき幟などがあります。
ところどころに細く描かれた「ヱ雲」が、境界線の役目をしています。
左の下は幟が家に隠れていますが「女かる…わざ」です。
こちらは右上の方のアップです。右上に「女かるわざ」、その左の赤いのぼりには「竹田おかぐら」
斜めに掲げられている看板には「竜宮城」と「浦島太郎」らしき絵が…。
その右、白い横長の看板には「名物 うなぎ」。
それにしても裃の武士、脚絆をつけ旅人、荷物背負った丁稚さん…いろんな人がいますね。
そして、ちょっとはなれたところにはこんな人も、商い中…「易者さん」です。
筮竹がちと貧弱ですが…。
こちらでは、裕福な商人さんでしょうか、舟遊びで、女性が釣りをしています。
いえいえ、わき目も降らず、お仕事中の人もちゃんとおります。あっ相方は「一服中」でした。
左は、竹ざおの先で「どうやら「桶をまわしている様子。
子供たちがわいわいと騒ぎながらまとわりついています。大道芸なのでしょうね。
「尾上菊五郎」「仮名手本忠臣蔵」…。はやったんでしょうねぇ。
一人ずつは、けっこう「えぇ加減な絵」なのですが、全体を見ると、なんだかざわめきまで聞こえてきそうで…。
こういう絵はあちこち見て「あっこんなところに犬がいる」とか、楽しいです。
この羽裏は柄が一方づけなので、肩から前は柄がさかさまになります。
同じ図柄のくりかえしなのに、羽裏全体でひとつの町のようにも見えて、なかなかです。
表地はごくおとなしい、柔らかい色目にロウケツで唐草柄。
特別大きな花もなく、やさしいく穏やかな色柄ですが面白みにかける…羽織ちゃんゴメンナサイ。
表がオーソドックスなのに、羽裏はほんとに面白くて華やかです。
表はおすまし、裏で遊ぶ、表はおしとやか、裏はおきゃん…そういうことも、楽しめるのが和服ですねぇ。
それなのに…こういうものを見ると、今の羽裏や襦袢の柄のつまらなさがつくづく惜しいです。
袖裏も「共」なのですが、袖だけはずして「うそつき」にしたいですね。
えぇ、そーです。また解きモノが増えたってことなんです。
気分的にはとっくに「お正月」終っているのですが、体のほうがねぇ…怠惰モード…。
お上手なんですね。
この人は、これから旅に行くのかなぁ・・
なんて想像しながら見ていると楽しい
ですね。
輪郭を描く筆の感じが、略し方がいかにも慣れてるみたいで面白いです(^^)
お猿さんが月に手を伸ばしてるのといい(原典は仏教なんですね!)ホントによくぞ見つけるなぁ!と。
ところで、この手の羽裏は、いつごろ作られたものなんですか?今回のものは状態がとても良く見えますが。。。
注文して描いてもらうんでしょうか。大量生産するような柄には見えません~。
ほんとに、ちょっとした特徴ですよね。
よく見ると着物なんか雑なのに、
ちゃんと何をしているのかわかるし…。
会話まで聞こえてきそうで楽しいです。
こういうものを特に置くショップを
重点的に見ているのですが、
こなふうに出会いがしら…というのは、
なかなかありません。
羽裏の方ですが、羽織そのものは昭和30年代の
中ごろ以降かなと思います。
羽織の丈と、羽織紐のカンジからなんですが…。
羽裏は、実はよく見ると薄ジミがけっこうあります。
こんな柄なのであまりメダタナイのですが、
羽裏の方が古くて、とってあったものかしらと…。
柄から行きますと、戦後、着物もやたら洋風に…という、
着方や柄行が出てくるのと反対に衰退していった気がします。
昔の羽裏は、こんなのも珍しくありません。
大量生産品だと思いますよ。