迷いナシ、即「ウチへおいで…」と、入手しました。
資金は昨年暮れ、入院前に「先に渡しておくよ」と言って、父がくれたお年玉、
もちろん「息子へ」ですが、ははははは、息子よ、母を許せ…かえすからちゃんと。
バランス的にたとえ「テナガザル」だとしても、ちと細くて長すぎる気もしますが…まぁ絵の効果ってことで…。
ちょっと光った感じのところは、刺繍です。月光が当たっている感じ…でしょうか。
間近で見ると、なくてもよかったんじゃないか…と思うのですが、ちょっと離れて見ると、いいな…と感じます。
ちっときつい顔つきですね。刺繍ナシの元絵を見てみたかったです。
元々じゅばんですから、人に見せるものではありません。まぁ吉原へでもいっていたら別ですが。
猿の柄は、男物にはけっこうあります。
大体は「柿」などがあって、それをとろうとしているところなどが多いのですが、
これは、ただ下に向けて、手を伸ばしています。
その先は淡い黄色の丸いもの…水に映った月を取ろうとしています。
「月と猿」の物語…ありましたね。
「猿たちが、古井戸の水面に写った月をホンモノと思い、月を引き上げれば闇夜から救われる…と
大猿(ボス)に方法を尋ねる。大猿は、自分が井戸の上に伸びた木の枝につかまるから、
みなは順番に尻尾をつかんでつながっていけば、井戸の水面に手が届く…と教える。
実際やったところ、確かに深い井戸の水面まで届いたが、枝が重さに耐え切れずに折れ、
猿はみんな井戸に落ちてしまった…。」
つまり「トップの技量」といいますか、ボスがアホだったり迷ったりすると…という教訓。
元々は「仏教」の教えにまつわるお話しだったと思います。
お話しを聞いてしまうと、なんだ猿ヂエの話しかい…と、ちょっとがっくりですが、
この絵は一匹しかいませんしね、単純に一枚の絵…としてみると、なんともほほえましく、
ちょっとお猿さんの孤独…なんてものも感じてしまいます。「お月さん、あそぼ」みたいな…。
元々「猿」は「難が去る」「魔が去る」にかけて、縁起のいいものとされています。
猿神は、馬を農耕に使ったりする地方では「厩神(うまやがみ)」として、馬の守りですし、
元々鬼門(北東)の反対の位置が「申(さる)」であるため、北東に猿像を置いて、
鬼門封じをすることも古くから行われています。
京都の鬼門、北東には、元々鬼門封じのために建てられたという延暦寺がありますが、
そこの北東の角にも「猿像」があります。御所にもありますね。
鬼退治の桃太郎さんのお供が「猿、犬、雉」というのも、方角的に猿のお隣さんだからです。
はい、お月さんです。まんまるにはっきり描いてないところが、またいいですね。
水面にゆらゆら…と言う感じがよく出ていると思います。
柄はこの背中と、右の枝の大元?の太い枝部分が、肩を越えて前に出ています。
柄はこれだけです。
実は、贅沢にも紋錦紗でして、地模様をよく見ると、さざなみのような柄なのです。
写った月が、さざなみににじんでいる…心憎いですね。昔の人はスキなく存分に楽しむ…しかもさりげなく…。
以前、吉原の駕籠柄の男物襦袢を、道中着にしました。普通の襦袢だと、羽二重など薄手なのですが、
それはちょっと変わった織りで、厚みがありましたので十分道中着として着られています。
これも、着物程度の厚みはあるので、この柄を外にして着てみたい…などと、また妄想爆裂中なのです。
昨日満月だったので、なんか影響されてる?…アタシは狼男じゃないって…。
分かるように描くなんて、ステキですね。
上に羽織るものにすれば、注目度スゴイと
思います。是非実現させて見せて下さい。
ニュースで動物園の猿山に何者かが花火を沢山投げ入れる事件がありましたね。
顔を火傷したお猿さんが可哀想でなりません。
そういう輩には天罰を下ってほしいです。
これを表に着たら、すごいと思うんですが…。
着るのに勇気がいるかなぁ…。
いや、私なら着るでしょって、
ただいま自問自答しています。
ああいう悪事を「イタズラ」程度にしか
考えられない「オソマツな脳」の持ち主。
お猿さんの方が、よっぽどおりこうですよ。