ドタバタは相変わらずですが、とりあえず今日は雛祭り、です。
桜餅は買い損ねるわ、桃の花は祭り前に枯れるわ、お雛様ゴメンナサイの今年ですが、
とりあえずは季節のめぐり、楽しみます。
ところで、雛祭りの歌と言えば「嬉しいひなまつり」の「♪あかりをつけましょぼんぼりに」ですが、
もうひとつ記憶にかすかに残る「母の歌っていた雛祭りの歌」があります。
ほとんど覚えていなかったので、必死でポツリポツリと歌詞を思い出し、
つなぎ合わせて検索しました。ありました!
「雛祭の宵」と書いて「ひなのよい」と読ませる題名。
母のちょっとかすれた歌声も思い出したのですが、はっきりとメロディを思い出せるのは
最初と最後だけというオソマツ。幸いにも歌っている動画も見つけられましたので、
本当に久しぶりにフルコーラス聞くことができました。
大正のころの歌だそうです。母は大正12年生まれですから、子供のころに歌っていたのでしょう。
歌詞がねぇ、いいんですよ、なんとも物語が見えて…。
♪ 雪洞に灯を入るるとて 電灯ことさら消すもよし
瓔珞揺れてきらめきて 物語めく雛祭の宵
瓔珞というのは女雛の髪飾りのこと、我が家の古いお雛様にも、珊瑚色のビーズ飾りがついています。
二番三番は
♪ 十二単の姫君の 冠少しく曲がれるを
直すとのべし手の触れて 桃の花散る雛祭の宵
♪ 官女三人のまねすとて 妹まじめの振舞に
加わりたまふ母上の ゑまいうれしき雛祭の宵
「ゑまい」は「笑舞」、単純に笑うとか、微笑む、という意味があります。
おさない妹が一生懸命、長柄の銚子などを持つ官女の様子をマネしているのを見て
母親もまた笑いながら自分もそのまねをしている…その二人をそばで見ているのも楽しいことでしょう。
別に現代のものがよくないと言っているわけではありません。
あの「あかりをつけましょ…」にも、お嫁にいらした姉さまに よく似た官女の白い顔、という
歌詞があります。ちょっと年の離れたお姉さんのことをおもいだしているのでしょう。
それはそれでまたその場面がほわりと浮かぶ、やさしい歌だとは思っています。
ただやはり「言葉遣い」といいますか、日本語にはこんな表現もあったのだという、
それを思います。
そして、うれしい雛祭りの方にもありますが、元々雛祭りは女の祭りで、
子供は晴れ着を着てすごし、甘酒やひなあられをいただく。
食事は「ちらし寿司とハマグリのお吸い物」。
おばぁちゃん、おかあさん、お嫁さん、お孫さん…女ばかりが集まって楽しく過ごす、
というのが「雛祭りの正しい過ごし方??」。
母はそういう話をしながらも「ウチはそんなん、してもろたことないけどな」と言ってましたけど。
たしかに私も華やかに過ごした記憶はないのですが、それでも雛祭りのときはちらし寿司までいかなくても、
なにかしら混ぜご飯を作ってくれていたような記憶があります。
ついでに思い出すのは、早めに出したお雛様に供えてある「ひなあられ」をつまみ食いしては
叱られてましたっけ。さらには「なんで豆だけよけて食べるんや!豆ばっかし残ろうが!」なんてね。
晴れ着もないし、ちらし寿司もない雛祭りで、お雛様には申し訳ないけれど、
今日は3月3日、それを聞くだけで「春」を感じます。
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