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トップは手持ちの小紋、帯はよそ様からの、これまたもらい物、
ちょっと柄が大きくて若目なので、帯揚げ帯締めはトシ相応に…。
半衿はわかりづらいですが、薄い黄色の染疋田です。
前回はなんか焦点のハッキリしないお話ですみません。また間が開きました。重ねてゴメンナサイです。
今日もまた長くなるかなーです。
さて今日は、ジミとかハデについてなのですが、いきなり「これはジミこれはハデ」ではなく、
もっと根っこの部分からのお話をしてみたいと思います。
この前から、しつこく書いておりますが、戦後の着物離れからこっち、
和装についてのサマザマな情報が伝達されていませんし、暮らしの中でその情報が潤沢にありません。
片や洋装は、生まれたときから回りにあふれていますから、
意識しなくても洋装の情報は、しっかり身にも心にもしみこんでいます。
つまり、洋装の感覚の積み重ねしかないから、それをすんなり和装に持ち込んでしまう。
もちろん、洋装和装がお互いに領域を超えて、新しいステキなものが生まれることはあります。
ただ、それにはコツもあればテクニックもある…それが「着物の積み重ね」を知っていれば、
そのあたりの呼吸みたいなものが、悩まなくてもわかると思うのです。
今のジミはとにかく全体に渋い…以前書いているのですが、ぱっと見ると上から下まで全部
おばあちゃんかお母さんのもの、まるまる使ってるみたい…なのですね。
先日も書きましたが、洋装には「デザイン」という強みがあります。
だから同じ色同じ素材の生地を使っても、若い人から中高年まで、そのイメージにあうものを作れます。
着物はというと、お年頃の娘さんの袖はちっと長くする…程度で、あとは全部「同じ形」です。
だから「色柄と着方が勝負だ」というわけです。
地味な着物を着るのなら、帯と小物はたいへん重要なアイテムになります。
今のジミ・セットの写真を見ると、自分に合うかどうかの前に
「着物と帯と小物の色のコーディネート」だけを見ている気がします。
だからそのセットだけ見ていると、とてもいい組み合わせなのに、
では着ました…になると、なんでアナタの年でこれなのよ…になってしまう。
以前に使った写真ですが…まぁ右側は20歳前の感じですが、とりあえず小物で若くする方法…。
着物は形が変わらないため、今度は逆に着物と帯、小物の組み合わせで、
一枚の着物を年齢別で、着分けるということができるわけですね。
というより、それをしないと、洋服ならデザインでアピールする部分が抜け落ちます。
ジミ好みの人は「赤やピンク・オレンジ」といった色を使いたがらない傾向にあります。
でも、ハデ目、若向きといわれる色を小物に使うことで、実はよりいっそう「着物のジミさ」はアップするのです。
もうひとつ、洋装にはイアリング、ネックレス、ペンダント、ブローチ、コサージュ、ブレスレッド…
こういったアクセサリーを使えるという強みがあります。
そのとき、たとえば20代の女性が、50代の女性の使うようなジミで小さなアクセを使ったら、
よけいに全体にジミで、全部親の借り物?になってしまいます。
着物の場合は、たとえば洋装の場合のスーツのインナーに当たるものとか、つけるクセサリーとか、
それを、帯と小物でやるわけです。
この写真も使いまわしですが…。ざっとのお絵描きなので、不自然なのはご勘弁ください。
左は中年でも、若く見せる色目、右は落ち着いてみせる色目。
どっちもおかしくはないですよね。
コレを見ると袖口(つまり八掛も)の色って、けっこうイメージを左右するってわかりますね。
こちらも同じ絣で、年相応の若目と半衿、帯揚げも沈んだ色にした場合。
落ち着いては見えますが、要するに着物と帯小物の取り合わせはよくても、
着ている人にばばくさいイメージを与える組み合わせ。
トップの私の小紋ですが…左右でちゃんと正確に出ていなくてすみません。
ミルクココアみたいな色で、縦棒のようなの白いところは染疋田、花のようなところの真ん中に、
わずかーにピンクとブルーが入っています。
ジミかハデかといわれたらジミ系で、年代を広く取れる色柄です。八掛は表地と同じ色目。
私もう少しコントラストのつく色の方がよかったなと…。たとえば薄いクリームとか、
明るい目の抹茶系とか…まぁ、袖も通していないので、仕立て直しはもったいないから、
しばらくはコレで着るつもりです。
それではこれで半衿、帯揚げ帯締め、ついでに八掛も変えてみると…いかがでしょうか。
右の帯締めは、もう少し赤いです。
着物を昔風の「かわいらしい」「明るい」というタイプにするのは、
みなさんおっしゃるとおり、洋装で黒やグレーを着慣れた若い方には、
かわいい洋服を着るのと同じ感じの抵抗感があるのかもしれません。
みんな紬だお召しだと、江戸の後期並に、平成版「四十八茶に百ねずみ」です。
(ご存知ないかたのために…江戸の後期は、たびたびの奢侈禁止令などでたこともあってジミ好みになり、
茶色とグレーばかりが流行りました。その茶色は48色もあり、グレーは100色もあった、というたとえです)
それでも、浮世絵を見るとわかりますが、表向きは、今なら私でちょうどという渋い縞や、格子の着物に、
真っ赤な襦袢や、鹿の子の半衿など、そのコントラストで実に鮮やかに着ています。
昔は帯揚げ帯締めを使わないから、よけいに下着や半衿は派手です。
今は昔のように大きく半衿を出したり、帯を丸帯のまま締めたりはしません。
そのかわり、帯揚げ帯締めはとてもいい「アクセントの位置」にあります。
畳の上で並べていい色の組み合わせでも、それが「ばーさん・セット」であったら、
着物がかわいそうなのではなく、アナタがかわいそうなのですよ。いやどっちもかわいそうです。
いきなりピンクの着物を着てくださいとは申しません。せめて、帯を赤めに、それも抵抗あるなら、
帯揚げ帯締めなどの小物などで工夫をしてください。
いただいた着物、お店で買った古着などの場合、八掛は必ずしも自分の年齢に合うものが
ついているとは限りません。昔着物は場合によっては袖口布と八掛の色が違う場合もあります。
上の写真で見るように、本当にわずかな分量なのですが、洋装で言えば、ブローチやネックレスくらい、
小さくても重要なポイントになるんです。だからおろそかにしないことと、年齢にしてはジミな着物なら、
小物を、しっかり選んで「あなたに合うジミ着物」にしてください。
そうそう、昨日たまたまニュースを探してチャンネルを切り替えていたら、
突然「三人の娘さんが着物を着付けているところ」が映りました。何の番組だったのか「小京都、○×&%」…?
三人は、なんとかお手伝いナシでお太鼓を…というところだったのですが、
真ん中の女性、帯を巻くのに体の周りにぶら下がってる帯がまとわりつく…。
一瞬足で蹴っ飛ばしそうになりましたが、かろうじて踏みとどまり?ました。
そばでは50前くらいの着付けの先生がそれを見ていました。
えっ教えないの?
帯って、巻くときには帯を振り回すんじゃなくて、自分がまわるんだよ?
おまけに「ひとりできられるようになるのにどれくらいかかりますか」の質問に、
二重太鼓まで(つまり礼装までですね)で3ヶ月…一週間でじゅうぶんだわな。
明日書けるかどうかわかりませんが「コントラスト」ってことについても書いてみたいと思っています。
早く涼しくなってほしい、着物が着たいと
思います。
ありがとうございます。
そういえば陽花様好みの着物ですね。
それにしても…今夜は熱帯夜。
この蒸し暑さはなんなんでしょう。
暑さ逆戻りは、もううんざりです。
やっぱりお彼岸まではダメなのでしょうねぇ。
20代の自分が選んだものは、古代紫の色無地とか、抹茶色ぼかしの手描き友禅小紋とか(^^;)八掛は同色系暗い色目。ヲイヲイ。
ある日、それらが全部着られなくなりました。トシより老けて見えるのに気がついたのです。
童顔なのでパリに行っても結婚しててもいつもマドモアゼルと呼ばれていたのに、30代後半になったらマダムと呼ばれるようになりました!その時の驚きったら!。。。似ています。
着物は、似合う、自分が好き、という以上に、どう見えるかや自分の立場を考える衣装なのだとつくづく感じます。
これが歴史を背負うことなんでしょうか。伝えることの難しさを思います。
大島紬の八掛。これだけは若い時作っても赤いものにしてました。(呉服屋で舞踊家の藤間紫に説教されたのです^^;)
最近、赤がきびしいトシになりました。
洗い張りして八掛を海松色に直しました。帯も選ぶようになりました。
こういうことを若い着物好きな方々に知ってもらいたいです。
とんぼ様に期待。
この段階で、すでに相当悩みます。これって組み合わせがないな~と。
でもまあ、持っている中で合わせるしかないので、何とか許せるものに決めます。
そして帯揚げと帯締めをいろいろ取り出して…あとは迷走。
イメージではよい感じなのに、実物を合わせると「何か変」
色としては合っているはずなのに、「物足りない」
最後は「もういいや!」となって無難な感じで妥協。いつもこんなふうです。
ほとんど“苦行”のコーディネート作業、余裕で楽しめるようになりたいです。
半衿や八掛まで考慮するには、まだまだ修行が足りません。
柄に柄、色に色を重ねて、それでもしっくりきている昔の着方、永遠の憧れです。
良く似た色の着物を持っているので、
ずばりそのまま、とても参考になりました。(らっき~)
はやりの地味着物のおもしろくないところは、
全部が無難なところなのだというのが
よくわかりました。
小物を工夫すると、こんなに着物に個性が生まれてイキイキとしてくるんですね。
着物は、コーディネートを考えるのが楽しいですよね。
この楽しさ、グラフィックデザインや、コラージュ作ってるみたいだなぁといつも思うのです。
八掛をつけかえたりまではたいへんですが、
手持ちの帯締めの数に比べて帯揚げが少ないので、もっと揃えようと思いました。
続きも楽しみです^^
着物の年代って、ある日突然…ぱっと変わりますね。
ここからは「ちゅーねん」みたいな…。
母がいかにもおばあさん…になったら、どの紬もほとんど八掛を黒にしました。
これで100歳まで着られるって。
まぁ安心っちゃ安心ですが、もらうあたしはどーなるの、です。
洋服でも、若い人がジミを着てもすてきなのに、
あら「トシ相応」って感じ始めるときはくるんですよね。
そのときになって「若いころしか着られないいろを着ておけばよかった」って。
まだまだ「ジミハデ」については、書きたいことがあります。
いずれまた。
組み合わせは悩みますね。
それがまた楽しいのですが…。
着物からはじめない、という手もありますよ。
まず帯を決める、そして帯揚げ帯締めを決める。
帯と帯揚げなどの組み合わせも、
合うものと合わないものがありますでしょ。
合うものを選ぶ…最後に着物を載せる。
私は極端なときは半衿が一番先ってときもありますよ。
アタマを柔軟に、帯締め一本から「この帯締めのあう帯を」と考えてもいいんですから。
年齢がいってのジミは、またその中での楽しみ」もあるのですが、
若い方のジミは「無難」がつまらなさになりますからねぇ。
着物を着始めると、どうしても着物と帯、次は羽織…と、
着るものに目が行くのですが、小物もおりに触れて、
たくさん見てください。
気をつけないと、買ったものが似たようなものばかりになります。
いつも自分の手持ちの系統や色数を覚えておくといいですよ。