つまり、私が「何かを選ぶ基準」という意味です。
昔は洋服のファッションにはけっこう気が行って、なんでも「デザイン」重視…なんて時期もありましたが、
今はねぇ…なんせデザインよくたって、着らんないもーん…。あっグチってないで、着物のお話…。
トップ写真は、最近入手の羽裏です。額裏でないものは、あまり手を出さないのですが…。
今日の「基準」は、私が羽裏や男物じゅばんを選ぶときの「基準」です。
なにしろネットですから、写真と説明が頼り…。
親切な売り手さんは、ちゃんと汚れや傷などアップしたり、状態を細かく表示してくれますが、
そうでない場合は「カン」…。コレがハズレるんだ、たまにだけど。
今日はシミや汚れや、布の傷みなどは、ちょっとこっちへ置いて、絵柄のことでの基準。
まずは「今はない柄」「ありきたりでない柄」「物語性のある柄」「絵がきれいな柄」…。
全部があてはまるものという意味ではなく、物語性はさほどなくても面白柄ならOKとかです。
そして人物柄の場合は、美男美女であること。これも私基準なので「よくないよー」かもですが。
浮世絵は、羽裏でもじゅばんでもよく使われる柄ですが、絵そのものがヘタ…なのは論外。
そしてけっこう上手でも「顔」がダメならペケ。この「いい顔」ってのが難しいのですが、
もともとの浮世絵からあまりにも…なのは、他に面白みがなければパスです。
今回入手の羽裏、悩んだんですよ。顔がねぇ…イマイチ、いやイマニ…かなぁ。
アップにしてみますと…
こちらがまずAグループ、お花見かなんかですかしら。左端はお嬢様?
しゃがんでいる人は、履物をきにしているような…。
着物や帯の柄とか、帯の締め方着物の裾の返りなど、細かいところまでけっこう描きこんでいます。
頭と体のバランスとか、全体のフォルムなど、まぁホンモノには比べようもない稚拙さはありますが、
この程度の「もどき浮世絵」は、羽裏などではよくあるレベルです。
そのアタリもかえって「もどき」の楽しさだったりします。
この羽裏はなかなかなんですが、顔がね…例えばですよ、こちらの顔…鼻がほんのちょっと長い。
こちらはBグループ、袖部分です。縁側でティー・タイムですね。
真ん中の人は何をしているかというと…手ぬぐい持っているのではありません。
ほんとに「一服」するところです。銀ギセルでしょうか。
この人もなんか…顔がねぇ…。
直しやすいかと思って、右の人でテストお絵かき。三白眼をちと直して口をちょっと右に…。
これだけでも、ちーっとマシに見えませんか?
まぁ、ひとつひとつ描いているわけではなく「型染め」ですから、
微妙なズレがご面相を変えてしまうこともあるわけで、仕方ないんですけどね。
で、なんで美人にはちとコケるのに、購入したのかといいますと、
たしかに顔のパーツのズレ具合はあるかもなんですが、全体に見て、とてもきれいな染だったから。
昔の染は、多色になるとズレることがあります。そのズレ具合がひどいものもあったりします。
過去記事の中の写真ですが、同じ柄のじゅばんをゲットしたときの柄比較。
下はかなりズレがありますね。
機械生産で、チェックの厳しいイマドキの製品なら、検品で引っかかるのかもしれません。
もしくは「B級」で価格を下げられるのかも。
いずれにしても、昔のものは、いがいにこの「ズレ」とか、或いは染料のにじみとかもあります。
まだまだ庶民が豊かでなかったころ、ピンキリの「キリ」を求める人もおおくいたはずです。
そのためには、これはねぇと言うようなものも出されていたのではないかと思います。
話は飛びますが、上の「船」は、大柄の帆船柄じゅばんです。
染の現代の問題のことなども書いておりますので、よろしかったら…こちらです。
この浮世絵(もどき)はぎれは、そういう意味で「多色刷りのきれいな羽裏」として、GOサインでした。
これは幸い袖裏分も全部ほぼきれいな状態でとれました。再使用可能です。
ちなみに「男物羽織」でした。表は黒に青のこまかーい絣。じみですー。
こういう羽織の羽裏がこれっていうのも、いいでしょう?
羽織の生地もダメージはそれほどないのですが、質はあまりよくおもえませんで、
単衣モノ用では?と思うほど薄く、しかも手触りがちと紙っぽいガサガサ感があります。
裏にお金をかけたクチですかねぇ。とりあえず、どちらも洗ってみましょう。
このお天気が回復したら…です。ただいま「嵐の前の静けさ」ですー。
型紙がどういう状態だったのかわからないのですが、
ほんのちょっとのことなのに…なんて、
できもしないくせにグチってみています。
奥様の写真持ってきて「この顔に染めてくれ」って、
たのんだのかな?
そうなんです。
ひとりずつ描きたしたくなってきました。
わずかなことなんですけどねぇ。
髪とかだとずれてても違和感ない程度だけれど、目だと覿面ですね。
花鳥柄とかだと、あ、ずれてるーで、終わるんですが、お顔のある柄だとちょっとしたことですごく変わるのでおもしろいです。
若しくは
奥様かお嬢様似とか
美人さんになりますね。
こんな風に変わると黒目を描き
足したくなりますね。