久しぶりの第一弾は「羽裏」です。写真もなんとかいけそうです。
これはショップでの購入ですが、例によって文句言いたくなるタイトルで「おみくじ柄」…とありました。
「おみくじ」じゃなくて「とみくじ」だよぉ、もー。まぁ「当たるか当たらないか」ってとこは似てるけど。
で、富籤柄です。
トップ写真は一部を反幅でアップしました。ズームしてみると…、
これはどこが出した富籤かわかりません。字が読めたらいいのですが…。
こちらはわかりますね。「金龍山」、そう「浅草寺」です。でも数字はわかんないわー。
もう一枚さかさまにうつってるのがこちら。
「紀州熊野三之山」とあります。但し興行場所は「大阪今宮」。
これはシンプルで107番とわかりますね。
札の上の方の図柄は、熊野のお遣いさま「八咫烏」ですね。
男物のじゅばんや羽裏には「富籤」「馬券」といった賭け事の柄は結構あります。
昔から男性と賭け事は、深い縁があるんですかねぇ。いや、今「宝くじ」を買うのは男性にかぎりませんが。
「富籤」は今で言う「宝くじ」と似たようなものです。札には「組」に当たる図柄と数字が書かれています。
例えば「鶴」の柄で238番だと「鶴の二百三十八番」となります。
ではここで「富籤」のお話し。
抽選は、札と同じ図柄と番号を書き記した木札を大きな箱にいれ、狭い穴から長い柄のついた「錐」を差し込んで
これを突きました。錐が刺さった札が当たり札、というわけです。だから「突き富」とか「富突き」とも言われました。
人間が賭けをするのは、歴史的にはもう太古の昔からあったのだと思います。
ただ、お金を賭ける、となると、「お金」というものの価値が定まってからですね。
日本の場合の起源はいくつかあると言われていまして、まずは「大阪は箕面」の「箕面山瀧安寺」、
ここは弁天様のご加護により悟りを開き…というような言い伝えがありまして、
富籤と言ってもあたるのは「弁天様のお守り札」でした。
もうひとつは、いわゆる「頼母子講」とか「無尽」といわれる、庶民の中での「資金集め」、
例えば「お伊勢参り」をするための無尽を行い、毎月みんないくらかずつ出し合う。
金額が集まったところでくじを引いて、お伊勢参りに行く人を決める…といったようなものです。
「富籤」として始まったのはお寺で、これは「勧進」を目的とするものでした。
つまり寺院の修復や、新しい施設の建設費用などを集めるためのもの。
要するに寄付だけじゃとても間にあわないから、一度でどーんとお金が入るようにと考えたわけですね。
当然幕府のお許しも頂いての行事でしたが、いつの間にかこれが大ハヤリ…になったわけです。
実は幕府としても、お寺に「拝領金」という、現代で言うなら「国の補助金」ですね、
それをかなりの額払わねばならなかったので、やってくれたらありがたかったわけです。
また、江戸幕府は「博打ご法度」だったのですが、どうしてもなくならない、
それならお寺で「富籤」という名の博打をやってくれれば、目が届く…ということもありました。
でも、だんだんこれがヒートアップしてきまして、別の博打も始まったりして…。
つまり今のノミ行為、みたいなものとかですね。
どの札が一番富をあてるか、それをあてる…これを「陰富(かげとみ)」と言いました。
庶民はなんだって考え付くのですよね。
そんなこんなで、幕府は「一切禁止」にしたのですが、その中で「修復」などの目的で…という名目で、
谷中感応寺、目黒瀧泉寺、湯島天神の三箇所だけは認めましたのでこれを「御免籤」と呼びました。
江戸では時代が下がって再びあちこちで始まりましたが、その時には数が増えすぎたりして、
結局「赤字」になるようなこともあり、かつてのような隆盛はなくなったそうです。
では今の「宝くじ」は、というと、なにしろ明治でも「禁止令」が出ていたくらいで、
長い間行われなかったのですが、戦時中、軍事費用調達のために宝くじを発行しました。
ところが皮肉なことに、終戦の方が先になってしまい、全札「負け籤」といわれました。
その後、今度は国土復興のためにと、昭和10年に発行されました。
その後政府だけでなく、地方自治体も、というかたちになり、今に至るわけです。
私は宝くじを買ったことがありません。なにしろクジ運の悪さでは身内の中でも群を抜いてまして…?!
1枚いくらかも、結婚するまで知りませんでした。馬券は買ったことあるのにねぇ…。
では、今100円とか300円とかいうと宝くじ、昔の富札のころはいくらだったのでしょう。
実は結構高いんです。
江戸時代のお金というと、なにしろ270年と長いですから一概には言えないのですが、
大まかに言いますと、まず富籤自体はそのお寺や時代によって違いますが、だいたい一朱とか二朱とか、
銀何匁…江戸時代は金と銀とでは進法も違うのでとてもややこしいのです。これじや価値がわかりませんね。
まずは庶民に一番なじみのある「一文」、これがだいたい30円から40円見当。
これくらいで計算すると、職人さんたち、大工さんとか植木屋さんとか、そういう人の当時の手間賃、
つまり日当はけっこうよくて、5000円前後です。もちろん「ウデのいい人」ですが。
そのころに富籤は「職人の日当くらい」…といわれていますので、時代によっての差はありますが、
だいたい5000円から10000円くらいはしたようです。
そうなると、それでなくとも貧しい庶民にとって、一日二日の稼ぎ分をぽんと出すのはたいへん…。
ということで、実は「富札」はそのお寺の境内でしか発行してはいけない決まりだったのですが、
今で言う「宝くじ売り場」のように「札や」ができまして、そこで販売しましたので
一人では買えない人たちは何人かで一枚…という買い方も始まりました。これを「割札」といいます。
一攫千金を夢見るのは、今も昔も変わらないわけですね。
さて、年末ジャンボも発売され、インタビューを受けたある人が
「身内で震災にあった人がいるので、当たったら生活再建に…」と言っていました。
これが「子供がマンションがほしいと言ってるので」なんぞだったら、んなもん自分で買わせんか!ですが、
震災と聞いたら「当たるといいねぇ」と思わず言ってしまいました。
クジ運のない私は、今年も駅ビルの福引であたるであろうポケットティッシュかチョコレートしか
思い浮かびませんが、被災した身内に「これで生活立て直すんだよ」と、札束をどんと積めたら…
ほんとにいいお正月になりますねぇ。あの人に当たるといいなぁ。
この羽裏は、すでにはずしました。表はお召しかとおもったらどうやら「交織」、
おかげさまで伸子張りしましたが全く縮みませんでした。
その代わりもんのすごーく汚れてまして、洗っても洗っても水がまっ茶色になり、
何回水をかえてもなかなかホコリ臭さが取れませんでした。
やっとさっぱりしたのですが、なんだか「ツキ」もきれいさっぱり洗い流したような気がして…
やっぱ今年の福引もポケット・ティッシュだわ…ゼッタイ。
富籤の筆文字書体と、背景になってるモダンなカクカクした書体のコントラストがおもしろいグラフィックですね。
羽裏って本当にいろんなデザインがあるんですね。
私は4ドルでクジを買ったら4ドル当たったり(笑)
小出しじゃなくて、どかんと当たりたいです。
またがんがん更新お願いします。
楽しみにしています。
実は買えるようなお品ではありませんが、ネットオークションに出品されているものが気になって。
こちらなんですが(表示は不都合でしたらごめんなさい)
http://page2.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b123165462
この「祝い頭巾」というものは何なのでしょうか。
そして、図柄は物語の一節でしょうか、それは何かも気になります。
ご存知でしたら、是非教えて頂きたいのですが。
こちらでお聞きしていいものかと思いましたが、どうも気になって書いてしまいました。
すみません。
ありがとうございます。
写真もなんとか大丈夫なので、
なだめつつ?がんばってもらうことにします。
後ろの文字も「富」とか「福」とか、
よくみるとおめでたい字ですね。
いっそ「当」とかあればいいのに?
この頭巾、だいぶ前から出ていますが、
やはりあまりの高さに…入札がありませんね。
「祝頭巾」については私もはっきりとはわからないのですが、
まずこのカタチは「投げ頭巾」と言います。
黄門様のかぶっているあれですね。
頭巾というのは、身分や職業、立場などでかぶり分けされていたのですが、
この頭巾はご隠居さんのほかには道を歩いて商売をする飴屋、傀儡師(人形遣い)などの
定番かぶりものでした。
たぶんですが、お祝い事があるときなどに、芸をする人がかぶったか、
今の還暦の時のように、当事者がかぶったか…。
例えば「万歳(お正月に角付けする芸人)」は
本来烏帽子が主体ですが、
伊予の万歳は、この投げ頭巾をかぶってめでたい群舞をします。
つまり「祝い事」があったときに縁起としてかぶったものではないかと思っています。
またこの物語ですが、サッパリわかりません。青いの葉もようの間に「剣片喰」紋ですが、この剣片喰は紋の中でも古くて有名な紋です。
図柄の子供の髪型からいっても、室町以前のような感じですし、
そうなると家紋は例えば長曾我部とか古い武家のもの…
そのあたりでなにか逸話は…と思ったのですが、
どうにも思い浮かびません。
祝いに使われるのですから、たぶん敵を倒したとか、
領地が守られたとか、そういうお話ではないかと思うのですが…。
なんだか結局ハッキリしたお答えかできなくてすみません。
とりあえず、この頭巾は実際にかぶるより縁起物のような気がします。
本来の「投げ頭巾」は、サイズ調節のために、後ろにVの切込みがあって、
紐がついていて、頭に合わせて結んで調節しました。
これはそれがありませんし、何か一時だけ見せるのに
かぶったような…そんな気がします。
お役に立てなくてすみません。
あります。結構いいお値段していたんですね。
近くのスーパーの宝くじ売り場は良く当たる
ようです。以前ロトで6億当たった人がいたようで、その後、その方の人生どうなったのかと気になります。
買わずに当たったらの想像ばかりではダメですね。
面白い羽裏ですね~~
以前は羽裏が面白くイロイロ集めていたのですが結構薄いものが多くて扱いにてこずり、最近は眺めるだけ~~になっているのですが、こうした面白いものを見せられると気持ちが動くなあ~~(笑い)
早速 羽裏は私好みの模様
富籤のお話もつい先日読んだ時代小説に出てきてふむふむと思ったけれど
とんぼさんの説明の方が良く判りました
籤運の悪さは私も天下一品
それが娘達にも遺伝してしまい
今では宝くじを買うお金を捻出するのが大変になりました
庶民の夢…とは言っても、当時の人にとっては
かなりの高額な賭けだったでしょうね。
最近ジャンボ宝くじなどでは、100枚とか
まとめて買うようですが、一枚の価格でいうなら
安いものですよね。
ロトというのも大当たりするとすごいらしいですね。
クジ運ってのがないと、元も取れないし…なんて思って、手がでません。
羽裏は、最近おつくりになられたスヌードなんかにはいいですよね。
ただ、そうなると「柄がねぇ」になりますし…。
私はバッグとかに使うときは、布製の薄い接着芯を貼って使います。
あのしゅるんとしたドレープ性はなくなりますが、バッグなんかはいいかぁと。
これもおもしろい柄なんですが、
シミがあったりして、使うとこ限られますわー。
お待たせいたしまして…。
クジ運ってのは、ほんとにあるものだと思います。
友人の息子さんは、私と同じところで福引をやるのに、
4等5等なんてあたったことがない…。特賞もあてて、親子で旅行…なんてのも。
年賀ハガキの抽選でも、いつもなにかしらあたるのですと。
私は切手さえ当たらない年があるというのに…。
なんかあるんですかねぇ…。