![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/fb/7a121c59286033696a9395a0f5295a75.jpg)
すみません無関係画像、ただいまチェック中の仮絵羽状態の「付け下げ」です。
このご紹介はのちほど。
先日、いつもおじゃまする「だるまや6代目」様のブログにお邪魔して、
「丸染め」の記事を拝読しました。
ありゃりゃ…と思いました。私は6代目さんのおっしゃるとおりだと思います。
えーと、まず、丸染めというのは、読んだまんま「丸ごと染める」です。
つまり、着物を解かずにそのまんまズボッと染めちゃうこと。
ご想像通り「裏」も全部染まります。最近そういうのがある…というのは、
ちらっと知っていたのですが、本気かいな?やめなはれ…くらいで、
あまり気にもしていませんでした。
それが、染屋さんの間でもよくきかれるのだそうです。
それで私も「丸染め」で検索かけてみましたら、あららぁゾロゾロでてくるわん…。
今の着物業界のさまざまな「たいへんな」分野が、生き残りをかけて、
「今の着物事情」に合わせて、こういうことをお知らせするのではないかと…。
そんなふうには思っているのですが…
でも長い目で見れば、これって自分で自分の首しめることになるんじゃないかと心配です。
今は「着物」というものの立位置も扱いも、何もかもがかわってしまいました。
本来親から子へ、当り前のように伝えられたことが、いくつもいくつも消えてゆきました。
こういう時代に「着物を着たい」と思う若い方がたくさん出てきてくださることは、
本当に嬉しいことなのですが、だからこそちゃんとしたことを伝えないと…と、
毎度の「ごまめの歯軋り」を思うわけです。
ある「本染めいたします」のHPで、こんな記述がありました。(原文のまま)
「ただし、注意も必要です。画期的な方法ではありますが、
邪道といわれても仕方がない処もあります。
例えば、丸ごと染めてしまうので胴裏、八掛も同色に染まってしまいます。
逆に化繊の裏や縫い糸は染まりません。
本当に大切なお着物や丁寧に染めてほしいという方にはお勧め出来ません。
襦袢や小紋など仕立て代までは掛けられないけど、渋くなるなら、
汚れが分からなくなるなら、もう一度は着てあげたいという場合には
打ってつけなのです。価格は25000円ほどです。」
たぶん…ですが、これを勧めているあちこちの染屋さんは、
こういうことはみなさんわかっていると思います。
ながらく着物というものの仕事に携わってきた人、着物をよく知っている人なら、
まずこの方法を聞いたときに「ん~最後の手段だよな」と、思うと思います。
丸染めは、私もどうしてもというなら最終手段としてしかお勧めしません。
つきつめていえば「もう、そうでもして着るよりほかに先がないから」の着物です。
本当はどんな着物でも、溶けて崩れるほどにでもならない限り、
ハギレのハギレにまでして使うのが、着物というものです。
そうは言っても今の時代、着物がハデになっても誰かに譲るわけじゃナシ、
壊して何かするにも今のヒトは針仕事をしない…。
着物はメンテにお金がかかるのがネックだ…。
そうなるとシミや汚れを隠し、今までより地味にして着られるなら、と
それが「丸染め」なのでしょう。
だったら普通に染め替えれば…ですが、そこが「丸染め」の「ウリ」で、
「解き・洗い張り・仕立て代」がいりません…ということです。
全部見たわけではありませんが、何箇所かで見ると丸染めの価格は
「29800円」とか「36750円」とか…。
やはり幅はありますが、いずれも「洗い張りと仕立て直しより安い」ことを
メリットとして宣伝しています。
解き、洗い張り、仕立てというものの価格は、相場みたいなもので、
決まりがありませんから幅があるのはしかたがありませんが、
あるHPで「解きで1~20000円、洗い張りがいくらいくらで…と、
合計で70000円以上かかるから、丸染めのほうが安い」とありましたが、
解きで10000、20000円…高すぎません?
3000円から5000円くらいでしょ。もっと安いところもあります。
丸染めはおそらく絹物に限ると思いますが、元々解きも洗い張りや仕立て直しも、
紬か訪問着かとか、単か袷かとか、そういうことで全部同じではありません。
いつも言っているように、身近な呉服屋さんを探索すれば安いところだってあるはずです。
こいう情報を、きちんと選択する眼があるかどうか…なんですよね。
いろいろHPを覗きましたが、確かに「シミが完全に消えるわけではない」とか
「ひどいときは別処理をする」とか書いてあります。
また「こんなに雰囲気が変わりました」と「ビフォーアフター」の写真も載せています。
たとえばこんなページとか…。
「丸染め」で検索すると、いろいろ出てきます。
こんな風になるなら、やっぱり「最後の手段だよなぁ」と思ってしまうのは、私だけ?
通常の「染め替え」は解いたものの色を抜きます。
完全には抜けきらないので、元より濃い色に染めるとか、
元より模様のたくさんあるような色柄にする…つまり元の柄をあくまで隠す…です。
また「目引き」というのがあります。これは丸染めと同じで、
色を抜かずそのまま上から色をかけます。ただし当然ですが「解いて」から。
昭和30年代の和裁の本では「家庭でのカンタンな着物再生法」みたいな記事で載っています。
昔のそういう本には「目引きできるものできないもの」「染め替えできるものできないもの」
「家庭で染める方法」など、再生方法までいろいろ載っています。
これを今の時代に…というのは、ムリだとはわかっています。
だからこそ「頼む」ならそれなりにいろいろと知識を蓄えたほうが、
結局は得になる…と思うのです。
「安い」だけでその方法をとってしまうことは、ちょっとなぁ…と。
つまり、いろんなところで言われています「消費者も賢くならなきゃ」ですね。
これが着物のことになると、何が得で何が損か…基本から知らないと…。
そのあたりが心配だなと思うわけです。
情報を発信することは大切ですし、今のご時世、こういう方法もうまく利用すれば、
着物をムダにしないこともあるかと思います。
そのかわり、最初に原文を載せたHPのように、
「ちゃんとした情報」「丁寧な説明」を発信してほしいと思いますし、
着物を買う側、着る側も、着物って何なのかをよく知って、
いつも言う「選択肢」を自分でちゃんと選べる眼を育ててほしいと思うのです。
おしまいになりましたが、写真の付け下げは、販売予定のものです。
大きな光悦垣の、垣の網目を「七宝」や「亀甲」など、おめでたいもので埋めています。
地色はピンク味を帯びたオフホワイト…、細かい地模様のある綸子です。
残念ながら小さいしみが、衿と左袖にあります。
これは「染み抜き」にトライしてほしいところです。
このご紹介はのちほど。
先日、いつもおじゃまする「だるまや6代目」様のブログにお邪魔して、
「丸染め」の記事を拝読しました。
ありゃりゃ…と思いました。私は6代目さんのおっしゃるとおりだと思います。
えーと、まず、丸染めというのは、読んだまんま「丸ごと染める」です。
つまり、着物を解かずにそのまんまズボッと染めちゃうこと。
ご想像通り「裏」も全部染まります。最近そういうのがある…というのは、
ちらっと知っていたのですが、本気かいな?やめなはれ…くらいで、
あまり気にもしていませんでした。
それが、染屋さんの間でもよくきかれるのだそうです。
それで私も「丸染め」で検索かけてみましたら、あららぁゾロゾロでてくるわん…。
今の着物業界のさまざまな「たいへんな」分野が、生き残りをかけて、
「今の着物事情」に合わせて、こういうことをお知らせするのではないかと…。
そんなふうには思っているのですが…
でも長い目で見れば、これって自分で自分の首しめることになるんじゃないかと心配です。
今は「着物」というものの立位置も扱いも、何もかもがかわってしまいました。
本来親から子へ、当り前のように伝えられたことが、いくつもいくつも消えてゆきました。
こういう時代に「着物を着たい」と思う若い方がたくさん出てきてくださることは、
本当に嬉しいことなのですが、だからこそちゃんとしたことを伝えないと…と、
毎度の「ごまめの歯軋り」を思うわけです。
ある「本染めいたします」のHPで、こんな記述がありました。(原文のまま)
「ただし、注意も必要です。画期的な方法ではありますが、
邪道といわれても仕方がない処もあります。
例えば、丸ごと染めてしまうので胴裏、八掛も同色に染まってしまいます。
逆に化繊の裏や縫い糸は染まりません。
本当に大切なお着物や丁寧に染めてほしいという方にはお勧め出来ません。
襦袢や小紋など仕立て代までは掛けられないけど、渋くなるなら、
汚れが分からなくなるなら、もう一度は着てあげたいという場合には
打ってつけなのです。価格は25000円ほどです。」
たぶん…ですが、これを勧めているあちこちの染屋さんは、
こういうことはみなさんわかっていると思います。
ながらく着物というものの仕事に携わってきた人、着物をよく知っている人なら、
まずこの方法を聞いたときに「ん~最後の手段だよな」と、思うと思います。
丸染めは、私もどうしてもというなら最終手段としてしかお勧めしません。
つきつめていえば「もう、そうでもして着るよりほかに先がないから」の着物です。
本当はどんな着物でも、溶けて崩れるほどにでもならない限り、
ハギレのハギレにまでして使うのが、着物というものです。
そうは言っても今の時代、着物がハデになっても誰かに譲るわけじゃナシ、
壊して何かするにも今のヒトは針仕事をしない…。
着物はメンテにお金がかかるのがネックだ…。
そうなるとシミや汚れを隠し、今までより地味にして着られるなら、と
それが「丸染め」なのでしょう。
だったら普通に染め替えれば…ですが、そこが「丸染め」の「ウリ」で、
「解き・洗い張り・仕立て代」がいりません…ということです。
全部見たわけではありませんが、何箇所かで見ると丸染めの価格は
「29800円」とか「36750円」とか…。
やはり幅はありますが、いずれも「洗い張りと仕立て直しより安い」ことを
メリットとして宣伝しています。
解き、洗い張り、仕立てというものの価格は、相場みたいなもので、
決まりがありませんから幅があるのはしかたがありませんが、
あるHPで「解きで1~20000円、洗い張りがいくらいくらで…と、
合計で70000円以上かかるから、丸染めのほうが安い」とありましたが、
解きで10000、20000円…高すぎません?
3000円から5000円くらいでしょ。もっと安いところもあります。
丸染めはおそらく絹物に限ると思いますが、元々解きも洗い張りや仕立て直しも、
紬か訪問着かとか、単か袷かとか、そういうことで全部同じではありません。
いつも言っているように、身近な呉服屋さんを探索すれば安いところだってあるはずです。
こいう情報を、きちんと選択する眼があるかどうか…なんですよね。
いろいろHPを覗きましたが、確かに「シミが完全に消えるわけではない」とか
「ひどいときは別処理をする」とか書いてあります。
また「こんなに雰囲気が変わりました」と「ビフォーアフター」の写真も載せています。
たとえばこんなページとか…。
「丸染め」で検索すると、いろいろ出てきます。
こんな風になるなら、やっぱり「最後の手段だよなぁ」と思ってしまうのは、私だけ?
通常の「染め替え」は解いたものの色を抜きます。
完全には抜けきらないので、元より濃い色に染めるとか、
元より模様のたくさんあるような色柄にする…つまり元の柄をあくまで隠す…です。
また「目引き」というのがあります。これは丸染めと同じで、
色を抜かずそのまま上から色をかけます。ただし当然ですが「解いて」から。
昭和30年代の和裁の本では「家庭でのカンタンな着物再生法」みたいな記事で載っています。
昔のそういう本には「目引きできるものできないもの」「染め替えできるものできないもの」
「家庭で染める方法」など、再生方法までいろいろ載っています。
これを今の時代に…というのは、ムリだとはわかっています。
だからこそ「頼む」ならそれなりにいろいろと知識を蓄えたほうが、
結局は得になる…と思うのです。
「安い」だけでその方法をとってしまうことは、ちょっとなぁ…と。
つまり、いろんなところで言われています「消費者も賢くならなきゃ」ですね。
これが着物のことになると、何が得で何が損か…基本から知らないと…。
そのあたりが心配だなと思うわけです。
情報を発信することは大切ですし、今のご時世、こういう方法もうまく利用すれば、
着物をムダにしないこともあるかと思います。
そのかわり、最初に原文を載せたHPのように、
「ちゃんとした情報」「丁寧な説明」を発信してほしいと思いますし、
着物を買う側、着る側も、着物って何なのかをよく知って、
いつも言う「選択肢」を自分でちゃんと選べる眼を育ててほしいと思うのです。
おしまいになりましたが、写真の付け下げは、販売予定のものです。
大きな光悦垣の、垣の網目を「七宝」や「亀甲」など、おめでたいもので埋めています。
地色はピンク味を帯びたオフホワイト…、細かい地模様のある綸子です。
残念ながら小さいしみが、衿と左袖にあります。
これは「染み抜き」にトライしてほしいところです。
はじめまして、コメントありがとうございます。
呉服屋のいろいろな場面での怠慢…
それはほんとに否めないことです。
でも、消費者の方も、戦後着物離れした…という
「時代に流された」事実もあると思います。
もちろん、それは悪いとかいいとか、そんなことで
表現されるべきことではありませんが、
私たちの母親の時代に、着物はなくなっていきました。
それは戦争によるところが大きいのです。
母の娘時代は、自分で縫い、自分で洗い、自分で着た時代です。
母はそれを全部伝えてくれようとしました。
残念ながら、私は和裁は単衣までしかやりませんでしたが、
普段モノは自分で解いて洗うことは出来ます。
そういうことができれば、かかるお金も少なくてすみ、
今ほど「着物は高い」という状況にはならなかったとも考えられます。
誰がわるかった…という言葉は当てはまりませんが、戦争というものが、
日本のいろんな文化や文明に、大きな影響を与えたことは確かです。
一時期、着物どころか食べるものも品物も、お金も働き手さえもいない時代、
母たちがそんな時代をこらえて超えたあとが、今の時代に続いています。
昭和30年代後半から40年代、実は訪問着などがよく売れた時代があります。
それは、やっと暮らしが落ち着いて、経済的余裕も出てきて、
さぁそれならなくしてしまった着物でも作りましょ、となったとき、
すでに「普段着物」は用がなくて、何かあったときに…の訪問着などが、購入の対象になったからです。
呉服屋さんだって食べなきゃなりませんからね。
呉服屋が悪かったから、消費者が買わなくなったのでもないし、
消費者が悪かったから、呉服屋がダメになったのでもない…。
お互いにどこかで、努力の方向や、大切にするものを間違えたり迷ったり…
そんなことの積み重ねが、今につながっているのだと思います。
ありがたいことに、まだ着物はなくなっていません。
だからこそ、大切にするもの、大切にすることを、今かんがえていかなきゃね、と、
私はそう思っているんです。
思うばかりで、たかがおばさん一人には何も出来てないですが…。
いただきました。
洋装というのは現代の生活・技術に合わせて
めまぐるしく変わってきました。
きっと、19世紀の貴族方が今の洋服の
扱いを見たら眩暈がするんじゃないかと
思います。
丸染めに対する感覚も、それに近いのではないでしょうか?
けれど、和服だって変わらざる負えないでしょう。
もともと今呉服業界で売っている紬以外の絹物は
当時のハイソサエティのものでした。
それを今は庶民が着るのですから管理に
無理が生じる。手入れをケチる(丸染めもですね)
のも当然かと。
なにを選ぶかは、私たち消費者の問題ですが
現代だとランニングコストが馬鹿みたいに
かかるものしか作り続けてこなかった呉服業界
そのもののツケでもあると思います。
そうですね、化繊は確かに便利な素材だと
私も思います。ただ、絹物を着慣れてしまうと
ちょっと着づらいものだということも
わかってくるし、夏ものは、暑さが独特です。
絹ものは今の若い男性だと、古着では
たぶん「寸法」がないでしょうし、
絹はメンテにお金がかかります。
いずれは木綿や麻にもトライしてみてくださいね。
その「幅だし」も、やはり完全でない場合も
あるらしいですね。
表と裏で縮み方が違うものも多いでしょうし。
リスク高いと思うんでけどねぇ。
もう家の中で仕事着…くらいならいいかな?
ギリギリそんな風に思いますが…。
時として「もったいない」も
あるんじゃないかと思うんですよ。
よけいなお世話かもしれませんけどね。
こういうものは「使いよう」だと思います。
仕立てられない私には、確かに
「安いかな」という気になる言葉ですわ。
イメージがよくなる場合もあることは確かですけど、
そもそもこれでなくても「染め替え」って
賭けですよね。
確かに、ビフォーアフターの写真を見ると、別の着物ですね。
今は、化繊生地なので安くて且つ洗えるので気にしていませんが、絹物を手に入れた時には、色々と考えさせられそうです。
また、知識が増えました。
古い母の白地の羽織、汚れ・くすみがあり、普通の丸洗いではダメそうだと、丸洗いよりは高いが解かずにきれいになるいうお店に出したことがあります。
汚れ落ちは、うーんうーん、まあこんなものかな、着れないことはないかでしたが、幅出ししてくださったのに、全体に表が縮み、袖の裏が出てきて、結局洗い張りしました。
解いてみると小紋着尺半分で作ったとか何とかで短くて、作り帯かなあと考え中です。
よほどのお洒落上級者ででも無ければ、八掛と着物が、胴裏までも同じ色って・・・
もらったと言っていました。
仕立ての出来ない姉は、丸染めだと解きも
仕立ても必要なしという言葉に反応したよう
ですが、表も裏も同じ色に染まって、想像
していたのとは違ったようです。
着物の事にあまり詳しくないし縫い物を
しない姉には仕立ていらずで違う着物として
着られるという事が魔法の言葉だったんでしょうね。