写真は「ねじばな」です。
この写真を撮るのに外に出たら、あぁお空がねぇ、だんだんまっくろけに…。
それに備えてねじばなさんは、お隣の「みずひきそう」のはっぱを傘の代わりに潜り込んでいます。
咲き始めのころより、すこぉしピンクが濃くなりました。
ねじばな、「捩花」の別名は「綟摺」、もじずり、です。
有名な「みちのくの しりぶもぢずり たれゆえに みだれそめにし われならなくに」のもぢずり。
変換すると「門司刷り」なんてのが出てきますので、知られていない言葉なのでしょうけれど、
信夫綟摺(しのぶもじずり)、という染物。今の福島の「信夫郡」という地域で盛んになった染めの技法です。
これが京都まで運ばれたそうで、素朴な乱れ模様が美しいと、お公家さんたちの間で人気だったそうです。
「もじずり」というのは染の技法としては、実に素朴なといいますか原始的な方法。
石の上に布を置き、上に植物を置いて色を摺り込む…手で擦りつけたり、石で叩いたり…。
石は、いくら平らにしても、それこそ大理石のように研磨しなければ表面には凹凸があります。
その細かい凹凸が、布の表面に乱れた模様を浮かび上がらせる、というわけです。
まぁ当時の実物を見たわけではないので、どんなものかはわかりませんが、
こちらに「再現」のサイトがありました。
えーと、ややこしいのですが「もじる」という字には、手ヘンの「捩る」と糸ヘンの「綟る」があります。
「綟」は、元々は麻のざっくりした織物のことだそうで、昔々日常着は麻でしたからね。
また上のサイトでは「文字」という字を使っています。
たぶん、どれが正しいとか間違っているとかではなく、いろいろな理由が混在して、
その立場とか状況でそれが当てられて使われていたのではないかと思います。
元々「しのぶもじずり」は、「信夫綟摺」で、また「しのぶ」のもうひとつは「忍草」、
あの「ノキシノブ」のこと、「釣り忍」なんてのもありますね。
あの「しのぶぐさ」が、染料として使われたため、信夫郡のものでなくても「しのぶもじずり」といったり。
まさしく「もじり」のようにあれこれごちゃごちゃですが…。
とりあえず、です。「ねじる」というのはあっちこっちとひねって、まぁその結果ぐにゃぐにゃとか、
もしゃもしゃとか、もにょもにょとか、一定しないことを言うわけですが、
もじずりも、もにゃもにゃとあちこち勝手に模様が広がる、その素朴で自由な柄が好まれたのでしょう。
で、ねじばなは、というと、別にこの花や葉を染料に使ったわけではなく、
その「捻る」がおなじだというところから、ついた名前ですと。それだけのことで、すみません。
しかし、この「ねじばな」、右巻き、いえ右ねじりと左ねじりがあるのだそうで…。
我が家のねじばなは、手入れの一番よくない鉢に、いつのまにか…のものなので、
わずかにひょろりと咲いていますが、左右両ねじりを揃えて、ちゃんと植えてみたいものです。
それにしても、まぁよくもこれだけうまく螺旋階段のように巻くものだと思います。
自然の造形のおもしろさ、不思議な花ですね。
このお天気のおかげで、頭痛信号がでそうになったりです。
今日もまた曇ってきたので、おとなしくおうち仕事をボチボチと…で過ごします。
みちのくの・・・はず~っと「しのぶもみずり」と
思い込んでいました。
最近、関東はおかしなお天気続きで大変ですね。
頭痛信号が治まりますように!
意外と探すと見つからない花なんですよね。
実家の母が、庭に自然に生えてきたのを集めて鉢に植えたものが、先日行ったらよく咲いていました。
去年はもっと咲いていたみたいに思うのですが…。
実におもしろい花ですよね。
今夜もまた不安定な天気だと言ってます。
こういう状態のときって、頭痛はやっぱりなんとなく
来そうな感じがしますね。
熱い夏は好きじゃないのですが、
こう不安定だと、暑いほうがマシかしらん、なんて
つい思います。
遠い北国のものが、京都の貴族に好まれたというのも、
面白い話だですよね。
この花、元々野草系ですから、丈夫なはずですよねぇ。
種ができるのを気を付けておいて、
増やしてみたいと思っています。