ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

母に教わった着物のいろいろ

2012-12-03 18:29:05 | 着物・古布

 

母の話題続きですみません。

 

私が初めて自分で着物を着たのは、たぶん「本裁ち」の着物を作ってもらった、中学2年のとき。

トップ写真がその着物です。写真はずっと後に撮ったものですが。

すみませんねぇ、この着物が写っているのは、このときの写真しかないものですから。

 

 

本裁ちの前もお正月の晴れ着は、すでに「腰揚げ」はなく、母がおはしょりをしてくれて着せてくれたと思います。

それまでの着物は、みんな腰揚げつきの子供の着物…。

母がお正月前に「来年はもう本裁ちだねぇ」といったので、私は絹モノの晴れ着を思い浮かべて、

「ヤッター」と思ったのですが、実際に出来上がったのは、このウールの着物でした。

写真ではよくわかりませんが、赤紫に黒や青の幾何学柄です。

でも、後になって考えてみると、あのころでなければ着られない色だったかなと。

元々ウールにしたのは、のちのちの母の話で、

着方の練習用としては、絹物はすべるのでやりづらい。

まずは着方の基本、背縫いを背中の真ん中に…とか、着物を持ち上げて、長さを決める…とか、

そういった動作の基本を覚えるには、浴衣より厚みも重さもあって、おたいこも締められるから…。

そんなことを言ってました。ポツンと「いろいろ揃えてやれるだけのお金もなかったしな」と。

実父がなくなってまだ3年経っていませんでしたから。

 

さて、初めての「オトナ着物」にわーいわーいと浮かれていたのもつかのま、

「自分で着なはれ」で、横に座った母の手には2尺の物差しが…

えぇそりゃもぉ「とてもやさしく???」教わりましたがな。

母の名誉のために書き添えますが、物差しは叩くためではなく、

ここがゆるい、とか、前があがってへん、とか、そういうときに指し示すために、使ってました。

 

帯はしばらくは巻くところまでで、おたいこは母が結んでくれましたが、それもそのあと伝授されました。

先日「帯揚げ止め」について、過去記事に使い方がわかりましたという、コメントをいただきました。

今の方は、あれをどこにどう使うものか、見当がつかない…ナゾのお道具になっているようです。

私は逆に、母がずっとこの帯揚げ止め、通称「ひこうき」を使っていましたので、

私にも買ってくれて、最初からこればっかり。

なので、実は使わずに締めるほうがヘタだし、時間がかかります。

 

母は、細かいこと、例えばここは何センチ上げるとか、握りこぶしひとつとか、

そういう教え方はしませんでした。まずは着物はどうやって着るものか、その手順を覚えることと、

腰紐の締め位置、着るときの着物の持ち方とか、そういう基本の基本…みたいなこと。

そのあとは、半衿がですぎてるとか、裾が短いとか、そういう注意をしましたが、

どうすればいいかと聞くと「自分で考えなはれ、アンタの体やろ」…。

つまり、人は一人ずつ体の大きさも体つきも違うのだから、自分にとってどこをどう締めたり、

半衿の出し方や深さ浅さを変えたり…そういうことは、自分で考えて、手と体に覚えこませる…です。

自分でいいと思っていると「まだ娘やねんから、衿元はもすこし詰めや」とか、

そんなふうには注意してくれました。

おたいこはいつから自分で締めたか記憶が定かでないのですが、

いつも「オマエのおたいこのたれは『もぅええ』て言うてから、まだ一寸長いわ」といわれてました。

締めるときの押さえがヘタなので、しらないうちにたれがズリおちる…今も似たようなものです。

 

こんな教え方されてる私ですが、いずれ「おばぁちゃんの教えてくれた着方」みたいな形で、

まとめてみようかと思っています。写真入で…いや、私がモデルじゃ…イラストになるかな?

 

今日はグンと寒くて、晴れ間がなく、これで降ったらみぞれかな…みたいな日でした。

今年の冬は寒いみたいですねぇ。

ホワイトクリスマスは、実際にはご遠慮したいところですが、今年の雪の具合がきになるところです。

そうそう、昨日知り合い(人生の大先輩)がきまして、あらいいわねぇ…と、ほめてくださって、

あの「クリスマス・ツリーとプレゼンント 」のほうは、お嫁入りしていきました。

さっ、来年またつくろっと…(こりてない…)。 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2012-12-03 21:19:35
着物雑誌に載っているような初々しい
着物姿ですね。
若い頃使っていたあの金具は帯揚げ止めと
いうものでしたか。
すっかり忘れていました。
最近はねじり専門で使う事は無いですが、
何処かにあるはず・・・
返信する
Unknown (古布遊び)
2012-12-04 12:07:50
何んとも可愛らしくて初々しい着物姿!
かんざしがまたいですねえ~~

こうして着物と言うものをとんぼさんにしっかりと伝えられたお母様は素晴らしいと思います。
私にも娘がいますが一体何を伝えていけるんだろう。。。
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Unknown (とんぼ)
2012-12-04 18:53:35
陽花様

ありがとうございます。恥ずかしいですー。
このころはまだ体もオトナになりきっていませんし、
なにより「ガリガリ」…今となっては夢の体型です。

帯揚げ止めは、すでに二個くらい壊しています。
今でも売っているということは、使われてるってことですね。
私もちっと「使わない結び方」もやらないとです。
返信する
Unknown (とんぼ)
2012-12-04 18:57:02
古布遊び様

ありがとうございます。
毎年大晦日には、朝から美容院…で、
新日本髪、を結ってもらっていました。
なんかちょっと大人になった気分で、うれしかったです。
ボケてますが、稲穂簪を付けています。
さすがに数年後にはボロボロ落ちるようになりまして…。

母は自分が着物好きでしたから、
まずは娘にも着せたい、だけだったと思いますが、
結果的に、たくさんのものを伝授してもらいました。
ありがたいと思っています。
返信する
はじめまして (はる)
2012-12-08 20:24:48
はじめまして。
着物初心者で、いろいろ調べていたら、
こちらにたどり着きました。
参考になることが沢山あり、目を皿のようにして
読ませていただいております。

冒頭に載っているお写真がとても素敵で、何かの映画の一コマかと思っていたら、とんぼ様ご自身だったのですね。小津映画みたいで、憧れます。

これからも、ブログの更新を楽しみにしています。
返信する
こちらこそ (とんぼ)
2012-12-08 23:15:18
はる様

はじめまして、コメントありがとうございます。
順序も何もなく、書き散らしておりますが、
お役に立てることがありましたら、ほんとにうれしいです。

写真、おほめいただいて恐縮です。
すでに面影なんぞ「カゲ」もなく、しっかりおばさんになってます。
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