男物じゅばん、毎度おなじみ「イマドキはもうみない」柄です。
コレを見たとき、まずとにかく「毎日新聞」という字に惹かれました。
以前「朝日新聞」と書いてある半天んをみつけまして、
いろいろ調べたところ、実際にあった記事でした。
それ以来、こういう柄ってほんとにあったことなんだな…と味をしめ、
いやいや、おもしろいと思いまして、またまた調べました。
ここに新聞の名前が入っています。別のところに日付も入っていました。
昭和2年7月6日です。
写真として描かれているのは、さまざまな景色、
上の写真はサカサマになっちゃってますが「華厳の滝」
こちらは木曽川、帆掛け舟なんて使われてたんですねぇ。
そしてこちらは室戸岬です。
写真の間の文字を読めばお分かりかと思いますが、
この記事は「景色のいいところを選定する」趣旨の記事です。
これ、調べましたところ、実際に昭和2年に、
当時の大阪毎日新聞社、東京日日新聞社主催、それに鉄道省が後援で、
一般からの投票をもとに、日本を代表的する8つの景勝地を選定しよう…
ということだったらしいです。
鉄道省と言うのは、明治5年に「新橋・横浜間」に初めて鉄道が通ったとき
それを管轄する部署として工部省鉄道寮というのが出来たんですが、
その後、あれこれややこしいことがあって
(これ読んだんですけど、途中で投げました)
とにかく「鉄道省」に落ち着いたのは大正初期です。
当時は車なんてよっぽどのお金持ちでなければ持っていませんでしたから、
鉄道はまさしく庶民の足、旅に出てたくさん乗っていただくように、
こういうことも後援したんですね。今で言うならJR協賛ってとこですね。
検索によれば
「山岳、渓谷、瀑布、温泉、湖沼、河川、海岸、平原の8部門について、
一般からのハガキ投票による各部門の投票数10位までを候補地とし、
文人、画家、学者、政治家等の名士による審査で八景を決定した。」
とのことです。
昭和のはじめと言うのは、少しずつ「観光」とか「旅行」に、
国民の目が向き始めたころだそうで、一般の投票は、当時の国民総数より
多かったとあります。今の選挙たぁえらい違いだ…。
で、審査結果はこうなったのだそうです。
日本新八景
海岸:室戸岬(高知県) - 田山花袋
湖沼:十和田湖(青森県・秋田県) - 泉鏡花
山岳:温泉岳(雲仙岳)(長崎県) - 菊池幽芳
河川:木曽川(愛知県) - 北原白秋
渓谷:上高地(長野県) - 吉田絃二郎
瀑布:華厳滝(栃木県) - 幸田露伴
温泉:別府温泉(大分県) - 高浜虚子
平原:狩勝峠(北海道) - 河東碧梧桐
右側に書かれているのは、それぞれの決定地を訪れて紀行文を書いた人。
私は三箇所しかいってまへんがな。まだまだ行くとこあるなぁ。
外国はわかりませんが、日本ってこういう選定とかランクづけ、好きですよね。
「名水100選」とか「日本の坂道100選」とか…。
これは「八景」ですが、この八景というのは浮世絵が最初です。
女の人や役者絵とともに「景色」の版画ももてはやされました。
当時はなかなか旅にはカンタンにいけない人たちの、
パンフレットやガイドブックだったんですね。
ちなみに更に「八景」の元はというと、中国の北宋の時代にうまれた画題、
「瀟湘八景(しょうしょうはっけい)」、有名な洞庭湖から、
瀟・湘という二つの川が流れ出すあたりの景勝地を描いたもの、だそうです。
私は横浜の「金沢八景」のすぐ近くでうまれたのですが、
今に至るも「金沢八景」を知りません、なんてこった…。
繊細さには欠ける絵ですが、投票数が総人口より多かったと聞くと、
当時こういうことに国民がとても関心があった、ということ、興味深いです。
写真として描かれている絵が、結果的に「選定」された場所ですから、
実際にこの柄が染められたのは、決定後なのでしょう。
これを着た人はきっと得意だったでしょうね。
全部行ってみたわげゃないけれど、身に纏ってるんだぜぃっと。
今の時代に「日本八景」候補地を募集したら、
「お台場」とか「ディ○ニー・ランド」とかも入るのかな?
あなたの「心の八景」はどこですか?
コレを見たとき、まずとにかく「毎日新聞」という字に惹かれました。
以前「朝日新聞」と書いてある半天んをみつけまして、
いろいろ調べたところ、実際にあった記事でした。
それ以来、こういう柄ってほんとにあったことなんだな…と味をしめ、
いやいや、おもしろいと思いまして、またまた調べました。
ここに新聞の名前が入っています。別のところに日付も入っていました。
昭和2年7月6日です。
写真として描かれているのは、さまざまな景色、
上の写真はサカサマになっちゃってますが「華厳の滝」
こちらは木曽川、帆掛け舟なんて使われてたんですねぇ。
そしてこちらは室戸岬です。
写真の間の文字を読めばお分かりかと思いますが、
この記事は「景色のいいところを選定する」趣旨の記事です。
これ、調べましたところ、実際に昭和2年に、
当時の大阪毎日新聞社、東京日日新聞社主催、それに鉄道省が後援で、
一般からの投票をもとに、日本を代表的する8つの景勝地を選定しよう…
ということだったらしいです。
鉄道省と言うのは、明治5年に「新橋・横浜間」に初めて鉄道が通ったとき
それを管轄する部署として工部省鉄道寮というのが出来たんですが、
その後、あれこれややこしいことがあって
(これ読んだんですけど、途中で投げました)
とにかく「鉄道省」に落ち着いたのは大正初期です。
当時は車なんてよっぽどのお金持ちでなければ持っていませんでしたから、
鉄道はまさしく庶民の足、旅に出てたくさん乗っていただくように、
こういうことも後援したんですね。今で言うならJR協賛ってとこですね。
検索によれば
「山岳、渓谷、瀑布、温泉、湖沼、河川、海岸、平原の8部門について、
一般からのハガキ投票による各部門の投票数10位までを候補地とし、
文人、画家、学者、政治家等の名士による審査で八景を決定した。」
とのことです。
昭和のはじめと言うのは、少しずつ「観光」とか「旅行」に、
国民の目が向き始めたころだそうで、一般の投票は、当時の国民総数より
多かったとあります。今の選挙たぁえらい違いだ…。
で、審査結果はこうなったのだそうです。
日本新八景
海岸:室戸岬(高知県) - 田山花袋
湖沼:十和田湖(青森県・秋田県) - 泉鏡花
山岳:温泉岳(雲仙岳)(長崎県) - 菊池幽芳
河川:木曽川(愛知県) - 北原白秋
渓谷:上高地(長野県) - 吉田絃二郎
瀑布:華厳滝(栃木県) - 幸田露伴
温泉:別府温泉(大分県) - 高浜虚子
平原:狩勝峠(北海道) - 河東碧梧桐
右側に書かれているのは、それぞれの決定地を訪れて紀行文を書いた人。
私は三箇所しかいってまへんがな。まだまだ行くとこあるなぁ。
外国はわかりませんが、日本ってこういう選定とかランクづけ、好きですよね。
「名水100選」とか「日本の坂道100選」とか…。
これは「八景」ですが、この八景というのは浮世絵が最初です。
女の人や役者絵とともに「景色」の版画ももてはやされました。
当時はなかなか旅にはカンタンにいけない人たちの、
パンフレットやガイドブックだったんですね。
ちなみに更に「八景」の元はというと、中国の北宋の時代にうまれた画題、
「瀟湘八景(しょうしょうはっけい)」、有名な洞庭湖から、
瀟・湘という二つの川が流れ出すあたりの景勝地を描いたもの、だそうです。
私は横浜の「金沢八景」のすぐ近くでうまれたのですが、
今に至るも「金沢八景」を知りません、なんてこった…。
繊細さには欠ける絵ですが、投票数が総人口より多かったと聞くと、
当時こういうことに国民がとても関心があった、ということ、興味深いです。
写真として描かれている絵が、結果的に「選定」された場所ですから、
実際にこの柄が染められたのは、決定後なのでしょう。
これを着た人はきっと得意だったでしょうね。
全部行ってみたわげゃないけれど、身に纏ってるんだぜぃっと。
今の時代に「日本八景」候補地を募集したら、
「お台場」とか「ディ○ニー・ランド」とかも入るのかな?
あなたの「心の八景」はどこですか?
ちなみに、行った場所はみごとにひとつもなく^^;う~ん
心の八景は夕日と富士山が見えた頃の街でしょうか。
今やビルばかりです。
のどかで本当にいい所ですね。
何度行ってもいいなぁと思います。
新聞記事が羽裏になるなんて面白いですね。
書いてしまいました。
今時、こんなのないですよね、昔は多くの殿方が着物をきてたから、必然的によりお洒落な物を求められたからかしら?それともあの時代のお方のほうが個性的だったのかしら。
私もこの3ヶ所は行きました。
でも独身時代にいった与論島の沈む夕陽のマジ美しかった事・・・・あァ~あの日に戻って人生やり直したいヮ{
こう云う隠れたところに、おしゃれ心をちりばめて、
昔の方が・・なんでもあり・・だったような気がします。
私も小さいときから、遠くに大山と富士山を
ずっと見てきました。
冬の白い富士山、夏の赤い富士山、
夕焼けの中のシルエット富士山、どれもいいですね。
陽花様
私も上高地、一度だけ行ってます。
夜の空、星の数がハンパじゃなかったですね。
今とは娯楽や遊びの数も情報量も、
うんと少なかったから、こういうのが
楽しかったんでしょうね。
てっちゃん様
着物が日常着だったから、今の人と比べて、
着物の楽しみ方ってのも違ったのでょうね。
若い頃の旅って、たいしたところじゃなくても、
安っぽい民宿でも、なんか楽しさが
つまってましたねぇ。元気だったしー。
蝸牛様
昔の人の着慣れた暮らしのなかでは、
こんな風に頼むことは、アタリマエ
だったんでしょうねぇ。
それにしても「たいがいのものは」柄になりますね。
すごいもんです。