トップ写真は、ある住宅関係会社のCM、数年前のもの。
まぁちょっと現代的な柄行ですが、それなりに普通です。
そしてこちらが、同じ会社の同じタレントさんを使った2019年、今年の広告。
TVCMでも流れましたので、ご覧になった方も多いと思いますが、驚愕しました。
ははは、着物だし、まぁね、一応振袖だわこれでも…の感じ。
この女性は若手の売れっ子さんらしいですが、お年は二十歳だそうです。
でもこの着せ方、まったく襟を抜かず、七五三の七つのお祝い、みたい。
過去の普通の振袖は普通にきられているのですけどねぇ。
何の意図があっての七五三なのか、よくわかりません。
こういうものは、当然プロの方々が知恵を出し合い、総合的に作られ、まとめられるのでしょう。
なんとも…どっちつかずといいますか、和なの?洋なの?
折衷というにはあまりにも個性的(これって都合のいい言葉)。
好みといわれればそれまでのことではありますが、なんとも落ち着かない組み合わせで、
半襟だけでもなんとかしてほしいものと…。
帯締めも飾り結びとしては何か中途半端な感じで、シマリがなくてだらしなく見えます。
着物の割りに帯の選択も中途半端ですね。この帯、柄で言うと「お七帯」。
帯の両脇が無地で、真ん中が麻の葉とか小桜など。結びもお七結びが一番合う柄です。
染め帯でしょう。当然礼装用ではありません。
で、メイキング・フィルムがあって、後姿がチラリと映りました。
動画なのでボケてますが、帯結びはこんなです。
七五三だってもう少しキッチリすると思いますが…まぁ後ろはテレビでは映らないから…なのかな?
この着物「大振袖」です。それでこの帯と結び方です。
まぁいまさら言っても「これはファッション」「これはコスチューム」といわれてしまえばそれまで。
こんなことも言ってます。
和モダン…ほんとに都合のいい言葉だと…。
この振袖、後姿、前も後ろも矢羽がさかさまです。外袖は縦ですね。
普通の着物ならそれでもいいのですが、振袖(しかもこの着物大振袖です)は、絵羽柄、
もしくは総柄なら上下なし、こういう柄の場合は、矢羽が縦になるようにしなければおかしいです。
上の写真の「肩」の部分」ちょっと柄がズレていますね。きっと洋服地を洋服のようにカットして、
肩で縫い合わせているのでしょう。
はい、おつぎは、つい先日の番組、日本各地の伝統的な祭りの衣装、岩手の「鹿舞」のお話しでした。
それはよかったのですが、ナビケーターのアシスタント?としてでた岩手出身の福田萌さんという女優さん、
まぁすでにママさんだそうですが、それにしても…です。
ちゃんと着せてあげてください。襦袢の衿の出方。テレビですからね。このあたりはきづかっていただきたい…。
何度も別の場面にかわるのですから、その合間に誰か直してあげることはできなかったのでしょうか。
まったくきづかなかったのでしょうか…。テレビで放映される…という立場のかたですもの。
見づらいですが、ちょうど衿のVになるところにある白いモフモフはマイクです。
それをつける場所も、もう少しどうにかならなかったのでしょうか。
ついでにこちらの帯締めがまた…なにか変えたいとか、ちょっと個性的にとか、そういう意図なのかもしれませんが。
変えるのはいい、と私もいつもいっていますが、基本的なことをちゃんとしてほしいと思ってしまうのです。
そもそもこの方、かわいらしいイメージのひとで、しかも番組は、北国の伝統的な舞のリポートです。
粋な縞柄よりも、もう少し素朴な感じか、柄大き目の小紋などにして差し上げたほうが…と思いました。
しかもこの帯の色です。コレだけ色目のない着物で、帯がこんなにジミなんてかわいそう…。
帯揚げ変えれば、このまんま私でも着られますわ。帯揚げだけド派手ならいいってもんじゃありません。
なんといいますか、今、こういう衣装を担当なさるご職業の方たちが、
若い方の意見や時流に迎合するばかりでなく(ご本人たちは、新しい感覚で、と思っておられるのだと思いますが)、
着物の大事な「ほんとにいいところ」の基本だけは、大事にしてほしいものだと思ってしまいます。
まぁうるさいこと細かいことを言うから「着物はめんどくさい」なんていわれてしまうし、
今は違うのよ、とか言われてしまいそうですが、悪いけどおばぁちゃんは着物のキャリア、長いっす!
つみかさねてきたものは、ムダではないと自負しておりますです。
最後にもう1人、コレはネットのニュースから。
AKB48から始まって、今はもうあまりにありすぎて、おばぁちゃんはどれもわかりませんが、
HKT48とかいうグループのメンバーさんだそうです。恒例のメンバーの成人式。
外薗葉月というこの方、自作の振袖だそうです。総額3000円だとか
「かわいー」とか「手作りなんてすごい」というコメントがありました。
ごめんなさい、おばぁちゃんは、ついていけません。
一昨年くらいから着始めたひよっこの着物好きの男ですが、貴ブログは洗いやら何やらで大変参考にさせていただいております。
最後の例で挙げられていた着物(?)は、某まとめサイトでなかなかの好評を得ていたように見受けましたが、当方も「これは…?」と感じた次第です。
勿論筒袖やら船底やら、いろいろなモノは存在すれど、基本的な形はかわらずに折や柄で個性が表現されているものが所謂着物であり、また着物のよいところだと再認識したようにも感じます。
願わくば、ひざ掛けで袖の振りを作ったような着姿はTVに露出するような人にはして欲しくはないなと思いました。
まぁそうでなくとも肝心の柄行もセンスとしてどうなのよと思いますが(苦笑)
街中でもっと着物姿が自然に見られるようになるために、TVに露出のあるような方が積極的にお召しになられるのは良いことだとは思うのですが、このような否定的な意見を抱かずにはいられない私は着物警察予備軍なのかもという危惧を覚えつつ。
これからもブログ楽しみしております。
最近は、基本を知らずに勝手ななんちゃってが、横行しており、その点を「基本はね…」というと、やれ着物警察だ時代は変わるだ、非難されます。おそらくそのせいでしょう、ネット上にまともな情報が出なくなり、そういうことに迎合する情報ばかり出ているような気がします。
縞、格子、絣はハレの日や、式典を名のつくものには身につけない、とかそういう常識は伝わらない代わりに、やれおはしょりは何センチだの、小紋は(柄に関わりなく)袋帯(柄に関わりなく)と合わせてはダメとか、おかしな情報ばかり出回ります。そのような情報こそが、着物離れを加速させているのに。
とんぼさまが例にあげているテレビ・雑誌などのスタイリストの方々にも、もう少し勉強してほしい、といつも思います。今時は画像検索や動画でお手本になる着方(所作も含め)、いくらでも見ることができるのですから。
とんぼさまのブログは数少ない、「基本」を教えてくださるブログです。
感謝を込めて。
初めてコメントいたします
とんぼさんとはほぼ年代が一緒のおばちゃんです
私はやっとこさ一人で着て出かける事のできるの位の着物好きで、色々詳しくはありませんが
正にそうですね。
着物に対する基本は崩してはならないとおおいに思います
これからもブログを楽しみに拝見いたします故、宜しくお願いいたします❗
インフルエンザ大丈夫ですか?
甲状腺がまたまた低下。だるいわきついわでダウンしています。お薬は「考えさせて」と言いました。
好きな女優さんです可愛い♪
なのに・・なんで。。?
突っ込みどこ万歳の着付けですねえ。
首が苦しい><
誰もなに言わなかったのでしょうか。
先日成人式でも様子をテレビで観てました。
花魁姿、まだ居る。男の子たちもアニメに出てきそうな感じ。
最期だからとか。意味不明。
そういえば、数年前、大河ドラマで有名になったので、ドラマ館が一時的に出来たのです。テレビで紹介してました。
着付けをしてもらい写真撮影。
打ち合わせが逆!!! 外国の方だったからか?
周りが誰も言わなかったの~と思うことでした。
血圧あがりそう(笑)
B型はやってきてるとか気をつけてくださいね
はじめまして。コメントありがとうございます。
男性で着物を好きだといってくださる方が少ないので嬉しいです。
「なんでもあり」は、洋装ほどでないにしても、着物にもあるにはありますが、
洋服だって、ドレスにゴム長ははかないよね…みたいな?
そこまでやったらオシマイなのよ、がどうも伝わっていないです。
洋装には「デザイン」という強みがあり、和装には「色柄の組み合わせ」という強みがある、
と思うのですが、どうも着方だの素材だのにこだわってしまう…。
結局「着物ってつまんないからね」と思われているのではないかと、そんな気がします。
着物の面白みって、たくさん見てたくさん感じないと、なかなかわからないものなんですよね。
着物警察予備軍だなどと、おっしゃらないでくださいな。
うるさいといわれようとも、わかってほしいことは言っていかないと、と思っています。
着物、ずっと好きでいてくださいね。
コメントありがとうございます。
生まれたときから洋装にどっぷりつかっている年代は、
いえ、実は私もそうですけれど、毎日洋服を、当たり前に着たり見たりしているだけで、
自然と洋装に関するいろんなことを「学習」し、経験しています。
だから、いつも自分で判断できるし、選択もできるし、迷ったら「何を迷っているか」もわかるし、
「わからないこと」も「何がわからないのか」がわかります。
着物は、ほとんど未経験で未知の世界だから、何がおかしいのか、
何がだいじなのか、何を選んだらいいのか、自分がわかっていないことが「わからない」(ややこしいですが)
そこがわからない。
でも不審には思わず「ファッション」として、洋装と同じスタンスで、
イロイロ結論を出し、結果を出してしまう…。
見るほうも同じだから、見た目でかわいい、カッコイイになるんですね。
伝承されなかった悲劇、といつも私は思っています。
以前、振袖専門に製作する京都の会社が、若い女性のデザイナーの、
新しい感覚を大事にしている…と、話していましたが、出ていた資料が「パリコレ」で、
「今年はこのピンクがいい」なんて言ってました。
新しいものを見るのはパリコレでも何でもいいと思います。
ただ、その前に日本には日本の色があり、その使われ方がどうであるのか、
それをしっかり見ているのだろうかという疑問が残りました。
洋装だって「これはないでしょ」はあるはずなのに、それを着物に当てはめない。
なんだか不安が募る現代です。
おっしゃるとおり、どんな場面でも、和服を担当する方は、
深いところを学び取って、それを自在に的確に使ってほしいと思います。
はじめまして。コメントありがとうございます。
拙いブログをお読みいただき、ありがとうございます。
このところは着物話題がなくてよけいに恐縮です。
伝統何々といわれるものは、芸事であれ、工芸品であれ、何かの技術であれ、
古いものをしっかり踏まえて新しいものを探っていくから、いいものが残っていくのだと思うし、
伝承されていくのだと思います。
途中でスポッと抜け落ちてしまった着物文化は、大きなメディアなどで発信されたことが、
上澄みだけ掬い取られるように広がる気がします。
おばぁちゃんの独り言にすぎないかもしれませんが、はじっこのほうから、
ずっと発信していこうとおもっています。
少しずつ着物のことも書きますので、またよろしくお願いいたします。
お加減よろしくないようで、大変ですね。
お薬も頼りたいけど…という思い、ありますよね。
くれぐれもお大事になさってください。
私は外に出ない分、いまのところインフルは大丈夫です。
前の打ち合わせが違ったり、呉服屋さんの店員の男性が、
おへそあたりで帯締めてたり、結構なお歳の女性が、着物で大また歩きしていたり…
ため息出る場面にでくわしますねぇ。おばぁちゃんはカナシヒ…。
私も着付けが下手で、
偶に(いつも?)半衿が上手く出せなかったり衣紋が抜けなかったりするのですけれど、
この方々はきっとプロ(?)という人に着せてもらってるはずと思うと、
これどうなん??
って思ってしまいます。
着物をここまで崩す意味があるのですかね?
片身替わりの着物って、
凄く粋な感じがしていて、素敵だな~いつの日か浴衣でも良いので作ってみたい~
と思ってましたが、
こんなぺらんぺらんのしかも肩で接いでいるような着物。。。おばさんの感覚なのか?┐(´д`)┌ヤレヤレ
そして、最後の毛布?のようなマフラー?のような着物を見ても、
これ、可愛い?と言われたら、
家で着てなさい。。と言ってしまいそうですw
しかも。。振袖?というより、ただ長いだけの袖の着物ww
そういう前置きで考えているのではないのでしょうか。
素材も柄の使い方も「そんなもんいいじゃない」みたいな…。
寂しい感覚だということも、わからないと思います。
「毛布」「ただ長いだけの袖」…大笑いです。
帽子にスニーカーだそうですから、もう着物も洋服も
ゴチャマゼで「新しい感覚」なのでしょう。
何もおそわっていなくて、気の毒だと思うばかりです。