ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

さて、今日の「当世」…は、

2013-05-04 12:24:59 | 着物・古布

 

またまた写真ナシなので、昨日の伸子張り写真です。

こんなに薄くて涼しげなのですが、最初に張り木にかけようと引っ張ったらびりっといったので、

しかたなく最初のところは折って挟みました。穴あきもあり、もう力が残っていません。

こんな薄いものを木綿糸で縫ってありまして、縫い跡もキレイに穴が並んでしまいました。

真ん中のいいところだけとって、スカーフくらいですかねぇ。

 

                       

 

 

さて本題…今、着物を着る人が増えている…と信じたいのですが…。

まぁ増えてくださることはたいへん嬉しいのですが、今まで書いてきたように、和装のことについては、

いろいろなことがあいまいだったり、どこかだけ偏っていたり、なかなか難しいことになっています。

まず、着物、というだけで、それを暮らしの中に取り入れてきた「時間の積み重ね」がないため、

なにもかも初めてだし、そうなると誰かに聞く、どこかで習う、になります。

そこで見聞したことが、その人の着物の知識の積み重ねの始まり、ということになるわけです。

 

これも何度も言ってますが、人間は「その情報の中で暮らすと、それが当たり前」になっていきます。

着物の存在が薄れて、洋装の暮らしになったら、それが当たり前になる…。

初めてパジャマのボタンをとめられた日、靴紐を結べたこと、覚えてますか?

同じように七五三で初めてぽっくりや草履を履いたことは?

どれも覚えていないと思いますが、でもオトナになった今、誰でもちゃんとボタンもとめられるし、

紐も結べますよね。それこそ何の問題もなく。

では、同じように、七五三に履いた草履やお祭に履いた下駄をなんなく履けるかと言ったら…。

履くだけなら誰でも履けますが、履いて歩く経験が浅ければ、歩いているうちに

鼻緒が痛い、足が疲れる、転びそう、歩きにくい…でしょう。

足の指で鼻緒の前坪をはさみ、跳ね返る下駄や草履をうまくあしらいながら歩くという

「足の指を使うワザ」の実践の積み重ねがないからですね。

それこそ、大人になってからボタン止めを覚えるような按配で、着物のことをおぼえなければならない…。

私が50の手習いでパソコンを始めたとき、連日「えっなにこれ」「これはどっち」とオロオロし、

なにかひとつ違うとどうしていいかわからない、えぇいこれでいいや、でやってみたらとんでもないことに…、

怖くてクリック一つするのに勇気がいる日々でした。

だから着物ビギナーのかたの「不安」なお気持ちは、よくわかるのです。

 

着物ってどうやって着るの?

「袖を通す。ちょっと持ち上げる。右前を左脇に入れる、左前を右に持ってくる。腰紐を結ぶ」

基本を言ったらコレだけです。

ここから帯を締めるために、おはしょりを整え、伊達締めで押さえて帯を巻く…。

そんなこと言ったって…と思うかもしれませんが、洋服を着るとき、例えばセーターや、上着を着るとき、

あちこちひっぱったり、肩をゆすったり、衿元を確かめたり、袖の中身を直したり…ってやっていますよね。

それは、服が体に添うように、動きやすくするために、見た目キレイにするために…です。

洋服を心地よく、見栄えよく着るためのコツや習慣ですね。

それをするのに、いちいち「ここでセーターの裾を二回引っ張る」…なんて考えたりやったりしないでしょう。

衿元を整えたり、おはしょりをきれいに始末したり、衿を抜いたり…それらは同じように「そのためのコツ」です。

それが習慣になってしまえば、晩御飯のおかずを考えながら、サササと着られるわけです。

ご大層なものにしてしまっているのは、場数踏んでないことと、余分な知識…です。

 

余分な知識…なんていったらタイヘン失礼かも知れないのですが、

「~は何センチ」「~はこうでなければいけない」「~はここまでにする」…そういう教え方です。

着物の着方は手順が決まっています。その手順を覚えたら、

昨日も書きましたが、あとは「自分流」を探すわけです。上のようなことは「基本はこうですよ~」なんですね。

体型も違えば、顔立ちも、その人の持つ雰囲気も、みんな違います。

指二本分とか、こぶし一つ分とかのというのは、あくまで基本ですから。

 

よく「着崩れないように着る」と言いますが、着物って着崩れて当たり前のものです。

だって、洋服のように体の形に合わせて作ってないんですから。

着崩れないように、というよりは、着崩れを直しつつ着る物だから、肝心のところだけ締めて着るもの。

私はそんなふうに考えています。私は若いころ体が貧弱でしたから、ちゃんと着たつもりなのに、

上前や下前が下がってきたり、おたいこが下がってしまったり…。

トイレに駆け込んでは「修正」することもよくありました。

母は「着物は寸胴がえぇねんけど、オマエはポストやのぅて、電信柱やしなぁ」と。

えぇ昔のポストは太くて寸胴でしたからねぇ。やせてりゃいいってもんでもないのです。

ちなみに昨日の「こんな日もあったとんぼの着物姿」、肋骨が浮くほどやせている時期でしたが、

パッドなどの補正はほとんどしておりません。胸には薄くガーゼタオルをV字にいれています。

 

今日は補正のお話をしようと思っていたのですが、これから急な来客です。

そういえば…世は「連休」でありましたがな。

尻切れとんぼ記事になりましたが、また続きを書きます。 


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6 コメント

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Unknown (恵6406)
2013-05-04 15:44:11
綺麗な色なのに残念ですね。
メリハリの有りすぎる体型からドラム缶体型に変わったら
それはそれで 着にくいです (^_^;)6406
情報過多の中から自分に必要なものを選び出す
その選び出す知識も情報過多の中から・・・
うーん・・・(@_@)
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Unknown (りら)
2013-05-04 16:21:55
なるべく綺麗に着たいものだとは思いますが・・・・正装でも無いのにギッチギチには着られませんわぁ。
手早く楽に綺麗に(順不同っと思いたい・・・)でなければ、ササッと着て出かけよう!という気になれませんもの。
補正も最低限なんですけど、最近肉の付き方落ち方が変わってきて愕然です~。
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Unknown (陽花)
2013-05-04 22:30:24
本当に針穴目立ちますね。
スカーフ、これからの季節の
冷房対策にいいですね。

~こうあるべきより自分に合った
コツを見つける方がいいようですね。
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Unknown (とんぼ)
2013-05-05 15:08:28
恵6406様

メリハリも困るし、ドラム缶も困るし、
ちょうどいい時期っていうのは、
季節と同じで短いものなんでしょうかねぇ。

かしこくならなきゃと思いつつ、難しい世の中になってしまいました。
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Unknown (とんぼ)
2013-05-05 15:10:31
りら様

身動き取れない着方なんて、着物嫌いを進めているようなものですね。
たいけいって、ほんとに年齢でかわるものですから、当然合う着方って
あるものだとおもいますわ。
太めになったのだけは着方だけでは…
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Unknown (とんぼ)
2013-05-05 15:12:21
陽花様

ほんとに他にも大穴見つけまして、がっかりです。
スカーフとか薄手のショールとか、
冷房対策グッズにはいいですね。

人に教えていただいたら、そこから先は「応用編」で、
着ていただきたいと思いますねぇ。
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