ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

袴を解きました。

2009-04-22 22:20:51 | 着物・古布
これは行灯袴、つまりスカートと同じ形のものをひろげたところです。
袴のひだってのは、ほんとに大きくてたくさんあります。
なんでこんなに必要なのかといつも思うのです。

全部のヒダを広げますと、前だけで150センチ以上、後ろも同じだけ…。
すその周囲は3メートル以上ということになります。
スカートにしたらサーキュラーもマッサオ?
一応解いて、縦の縫い目はそのままでひろげてみました。
反幅のものを横に五枚つないでいます。
そしてやっぱり広げるとただの長方形になるんですよ。
袴の脇部分は、Ⅴ字にあいていますが、
「笹ヒダ」という作り方をします、ここ。


      


一見、縁取りのように、縁布を上からかぶせているように見えますが、
そうではなくて、一枚の布をじょうずに折り返して縫いとめています。

袴はそのたくさんのヒダをきれいにたたんで、
何枚もの布を通して針を入れたり、昨日の「腰板」を作ったり、
また長い紐の前部分は本体を挟みこんだり…なかなかタイヘンです。
と言っても、私は解いたことはあっても縫ったことはありません。
母の時代に和裁をやる人でも、袴まで縫えるのは、ちゃんと習った人、らしく
いつも伯母のことを「ねぇさんは袴まで縫うひとやった」といってました。
その伯母は和裁名人でしたが、袴は力仕事やねん、と、
年をとってからは縫いたくないといってました。
糊で貼ったり厚手のものを縫いとめたり…たいへんですね。
解くのも、腰板部分などは、ものすごくしっかり縫ってあって、
ちょっとたいへんでした。

私が以前縫った「かるさんもどき」の腰板つきは、
これがわかってましたので、糊を使わない、全部くるみこんじゃう、
というええかげん手抜きで作りました。
芯もプラスチック板にキルト芯を貼り、洗濯も全然オッケーで。
本式の袴は縫えなくても、普段のお遊びようなら、
それでもいいんじゃないかと、私は思っています。

さて、昨日の「過去からの…」ですが、今日もう一枚反対側の芯を見つけました。
なんと「手習いにつかった新聞紙」でした。


   


大人の字だと思います。新聞記事もまた「芸能」で、もしかしたら、
こういう専用の今で言う「スポーツ新聞」のようなものだったのかもですね。
これを見ていて、小学校の時の「書道の時間」を思い出しました。
授業がある日は「新聞紙」をよっつに切ったものに紐を通して綴じたものを、
母が用意してくれました。それなのにそれを忘れたりすると、
急いで行く先は「用務員さん」のとこ、今は技能員さんというそうですが、
私たちのころは「こづかいさん」と呼んでました。
そこに行って「新聞紙ちょーだーい」ともらったものです。
背の高い坊主頭のおじいさんで「また忘れたんか、しょーがんねえなぁ」と
ブヅフツいいながら、そのくせニコニコ笑って、新聞紙をくれました。
冬場、教室中のだるまストーブに火を入れるための古新聞が、
山と積まれていたんですよね。

もうひとつの袴は洗いました。
最初、腰板が紙製だったら、ボロボロになるからと思って、
腰板部分だけは水にぬらさないように…のはずだったんですけどね。
少し濡れちゃったりして、あっもーいいかぁ…と、
結局は腰板もザバザバと洗っちゃいました。大丈夫でしたわ。
形を整えて下げて干したのですが、とにかくヒダはたくさん重なってるし、
厚地の部分はごろごろしてるし、とうとう中まで乾ききりませんで、
今夜はひとばん玄関の中で…。
ものすごく茶色い水が出まして、そのあと、染の黒っぽい水になりました。
薄手で、夏物セルかと思ったのですが絹のような感じもします。
裾が擦り切れたりして傷んでいるのですが、下をカットして裾を短くすれば、
へっへっへ、私がはけそう…。袴って、かっこよくて好きです。

お天気はよかったのですが、もたもたしているうちに、あっというまに夕方、
今日はいただいた着物のチェックと、風をあてただけで終ってしまいました。
私が玄関先でウロチョロしている間に、お隣のご主人が
高枝切りバサミを持って登場…ウチとのフェンス横の「姫しゃら(夏椿)」の、
ところどころが枯れてしまっているので…と。
パラパラと落ちた小さい枝をいただきました。
今年もちょびっとしか咲かなかった我が家のつつじを添えて…。


   


書道のハナシが出たからと言って、硯じゃありません。
手のひらに乗るくらいの小さな花卉なんですが、水がちょっとしかはいらなくて。
こまめに足すことと致しましょう。





    


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2 コメント

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Unknown (陽花)
2009-04-23 00:32:41
わぁ、「こづかいさん」なんて懐かしい言葉
ですね。お茶を沸かしてくれたり石炭を
バケツに入れてくれたり・・・
高熱が出た時は自転車の後ろに乗せてくれて
家まで送ってくれました。
急に、いつもにこやかに接して下さった
こづかいさんの顔を思い出しました。
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Unknown (とんぼ)
2009-04-23 23:35:42
陽花様
こづかいさんって言いましたよね。
そのあと「用務員さん」だと思っていたら、
息子の学校で「技能員」さんっていわれて、
なんかとってつけたような名称だなあと。

こづかいさんって、だいたい子供に
優しかったですね。
時々放課後なんかに行くと、
先生にはナイショだよって、
アメくれたりしましたっけ。
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