ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

飾り結び帯

2008-10-17 16:14:19 | 着物・古布
まずは写真と本題の前に、昨日の記事についてのお詫びやら訂正やら補足やらを。

申し訳ありません。自分の記憶力を過信しまして、ちと間違っておりました。
まず「教会で黒がダメ」ということなのですが、
改めて確認しましたところ、文章的には、まず「白、黒はだめ」
「昼間に肌見せもだめ(チャペルでは断られる…)」云々とありました。
この文章だと教会は「黒」ではなく、イブニングを昼着るなと、
そういうことですね。でも、元から黒白だめっていってますから、やっぱりだめ?
その記事には「現在の大手ホテル(有名なホテルです)では、
最初から黒はお断りで…」ということも書いてありました。
ホテルでは当然「チャペル婚」もやっていますから、やっぱりダメなんですね。
ただ、宗教的に…というのは私の思い込みだったようで、
ほんとに申し訳ありません。黒が喪…というのは、和洋の別なく、
そういうイメージで取られるようです。

ブログの炎上、ということはよく言われることですが、
そこの掲示板では、特別ののしりあったりはありませんでしたが、
そういったことに関わるお仕事をなさっておられた方のようで、
「決定的」な物言いであり、またはやっぱり黒は、という意見もあり、
みなさん「そうかなー」と、意見を述べられていました。
いずれにしても、ずっと読んでいきますと、
どうも黒は物議をかもす元というのは確かなことのようです。
無難なのは着物だ…という意見がありましたね、やっぱり。

ともあれ、実際昔の「黒スーツはどっちにも使える」というのは、
ダメ、というより「そういう時代ではなくなった」ということで、
それが当たり前だから「黒」ってヘン、と思ったり、
逆に「黒だっていいじゃない」と思ったり。やっぱりごちゃごちゃですね。
いずれにしても「宗教的に教会は黒NG」というのは、私の思い込みでした。
本当に申し訳ありません。


さて、やっと写真です。
このところよそ様のブログで若い方の帯結びのお稽古の記事や、
陽花様のお嬢様のための帯結びの記事を読んでいましたら、
なんか結びたくなりましてねぇ。
私は着付け教室も何も行ってませんので、親に教えてもらったり、
知り合いの呉服屋さんに教えてもらったり、あとは本が頼り…。
それで初めて自分で締めてみたのがこれでした。
「福結び」とか「福袋」とか言われています。
結婚して間もないころお正月に里帰りするとき、後ろ手で必死で締めました。
今思うと、よくまぁ締められたもんだと思いますが、当時は体も柔らかかった?
30分くらいかかってやっと締めまして、オットの運転する車で実家へ里帰り。
ところが途中が大渋滞、ついウトウトと寝てしまい、
はっと眼が覚めたたときには、帯ペッタンコ…。
実家に着いたときには、福もつぶれて「しょーがつ早々縁起でもない…」。
ともあれ、とてもステキな結びでしたのでしっかり記憶に残っております。
ただ、これ、どうしても帯に織り目がつきますので、それだけはご注意、です。

結び方、動画じゃありませんがいってみましょう。
まずは六通の袋帯を、通常より少し「手」を長めにとって、
手を下にタレが上になるように結びます。
    


「たれ」の先を写真のように畳んでヒダ取りします。
この場合はゴム止めはしません。
     


上に出るヒダ部分を10センチくらいにして、ひもで仮止めし、
残りの部分も、ずーっと長くヒダ取りしておき、左側から「手」をのせます。
角出しと同じ要領ですので、長さもそのように。
   


手を包む分を残して、帯枕の位置を決めます。
帯枕は薄めのものにしてください。帯揚げだけだと、貧弱になります。
   


見えやすくするため、帯揚げはかけていません。
仮ひもの位置で帯枕をしっかり結びます。手の上に乗る感じです。
   


手を包んでいるたれ部分はヒダを取ったままになっていますから、
ひろげて「手」をしっかり支えるように整えます。
   


このままではお太鼓のテッペンがまっすぐで、両端が上がりますから…
   


写真で指差している部分、ここを下に引いてお太鼓の山の端が少し下がるように、
少しずつ引いて形を整えます。
   


お太鼓の形が整ったら、タレを形作ります。
通常のお太鼓と違って、下が「輪」になっていますから、
形つけてちょうどいいところを決めます。
   


その位置で帯締めを当てて、前に回してしっかり結んでください。
   


帯締めを締めたら、全体を見て調整します。
あら、たれがよれよれじゃないの…あー上のヒダも少し沈んじゃってますー。
こういうのを直してください、ははは。

     


もうひとつ、こちらは「福寿草」という名前です。

     


最初に結ぶところまでは同じです。
そのあと、「手」をひろげて写真のようなヒダをとり、ゴムで止めておきます。
   


たれのほうも先をヒダ取りしてゴムで止めておきます。
   


二つのヒダを中表で向かい合わせにして…
   


手のほうのヒダを下、タレのほうのヒダを上にして重ね、
背中心から少し左にずらした位置で、仮止めします。
   


タレをきれいに広げて、帯枕を入れます。
    


おたいこをきれいに整えます。
   


上の「福結び」と同じように、お太鼓の大きさを決めて帯締めを締めます。
   


この結びは右側に「手」が出ません。
左側だけですし、「福寿草」という名前なので「葉」のイメージで、
少し形作って収めました。
   


上のヒダを向かい合わせにしてきれいに開き、形を整えます。
    


もう少しおとなしい感じなら「花」にとらわれず、
こんなふうに扇を重ねた感じにするのもいいかなと思ってます。
   


私の年では、もうこんな帯結びをすることはありませんねぇ。
でも、ちょっとしたかわり結びは、若い方にはぜひしていただきたいと
思うのです。若いころにしか締められない華やかな結びは、
特別なときでなくても、ちょっと結んでいただきたいです。

あー締めたかったのでスッキリしましたー。

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8 コメント

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かわいらしいです~♪ (てまりばな)
2008-10-17 17:09:27
すごーい!
とんぼさんはこれを
自分で、自分の背中に結んだのですか!!
驚嘆ですっ!!

私は帯結びは
フツーのものをきちんとするので精一杯で(笑)。
でも確かに・・・
変わり結びを楽しむには
年齢制限がありますね。
少しがんばってみようかなあ。
背中に・・・手が届くかな?!
その前に頭がこんがらがりそう!!


外国のドラマを見ていると
お葬式でも納棺するときとか、
サングラスをかけていますよね。
あれは日本人ではやりませんね。
何かそこに日本人の守ろうとするラインがあるように思います。
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Unknown (陽花)
2008-10-17 17:53:11
福結びも福寿草も華やかで素敵な
結び方ですね。
てまりばな様と同じで、この結び方を
ご自分で背中に結ばれたなんてスゴイ!
私は背中でねじることは出来ても結ぶ
事が出来ないわ。体が硬すぎですね。

最近は結婚式に黒はダメなんですか。
誰が決めたんでしょうね。
男性は黒なのに・・・
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こんばんわです (えみこ)
2008-10-17 19:21:59
はなやかで、若い方がしめると
引き立ちそうですね~^^いいなぁ。
黒も使いようではないかとおもうのですが…
シャネルの黒でコサージュやスカーフで
ぱっぱっと切り替えられてる本とか見ましたが
やっぱりフォーマルな席ではいけないのでしょうか。
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私も~ (りら)
2008-10-18 09:06:33
みなさん書いてらっしゃいますけど、これをご自分で締められたってすごいです~!!
身体柔らかくても、とても無理ですわぁ。

それにしても、本を見ただけで変り結びができちゃうって、本当に羨ましいです。
私の脳細胞って、そこいら辺の機能が欠如しているのかも・・・・たはは
返信する
教会は (茶ノ葉)
2008-10-18 14:56:54
気になって、図書館で調べてみたのですが・・・
冠婚葬祭マナー本に載っている範囲の話では、やはりキリスト教式の場合は黒はタブーらしいです。
女性の黒礼装が主流だった頃は、まだキリスト教式は少数派だったので、マナーとしてはあまり目立たなかったのかもしれませんね。

それにしても、棚に並んでいた7~8冊のマナー本(2005年以降出版)のうち、黒礼服含めて黒NGと明記されていたものが1冊、「本来はNGだけど、着る場合は黒一色にならないように」とあるものが1冊、その他は黒がだめという表記はありませんでした。
マナー本が全てではありませんけれど、以前には実際に黒礼服が普通に使われていて、今でもその考えを引き継いでいる人が少なからずいるのに、一刀両断でマナー違反と決め付けるのはなんとも厳しいですね・・・。(もちろん、自分自身あえて黒を着ようとは思いませんが)

私は「冠婚葬祭は極端には家単位で考え方が違うから、自分が正しいと思ってもそれを誇示したらダメ」と、母から言われて育ちましたので、今の正しいことは一つ的な流れはどうも居心地が悪く感じます。
返信する
Unknown (とんぼ)
2008-10-18 22:06:21
てまりばな様
シミュレーションは「茶筒と包帯」
昔の伸びない包帯です。
あれで一生懸命「こーやって」って覚えて、
次に洋服のまま、ポリの帯で練習して、
それでも本番はたいへんでした。
今なら前で締めてくるり…でしょうね。
今はもう太って腕がうしろに回りませーん。

礼を尽くすことは大切ですけれど、
色や形にこだわって、本来の目的を
忘れるようでは何もなりませんね。


陽花様
あのころは背中の真ん中まで、
ラクラク手がいきましたわー。
今じゃうなってもとどきません。

そうなんです。女性ばかりおかしいですね。
黒ってシックで、つけるもので華やかにも
おとなしくもなれる色だと思いますけどねぇ。


えみこ様
黒のドレスなんて肌見せたり隠したり、
とっても装いがいのある色なのにねぇ。


りら様
シミュレーションやれば
なんとかなるものですよ。
もう自分ではあれこれ締められなくて残念!
若いうちにもっと締めときゃよかった。


茶の葉様
そうなんですよ。私は近隣に身内が
たくさんいまして、子供のころから、
冠婚葬祭でてましたから、それを基準に
くらしてきたのですが、お通夜には黒を着ない
というのも今はもうどっかいっちゃいました。
変わっていくことはしかたないけど、
相手があることなら、お互い歩み寄って…
それはとても必要なことですよね。




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Unknown (はなおもだか)
2013-11-07 14:32:13
はじめまして。とっても古い記事へのコメントですみません。

長く海外に住んでおりますが最近着物に興味を持ち、とんばさまのブログをじっくりと拝読しております。着物は母が好きだったようで、子供の頃はお正月にも着せてもらっていました。しかし、自分で着ることがでいるのは、祖母に着方を教えてもらった浴衣のみです。私はとんぼさまより少し後の世代です。

さて、女性の洋装でなぜ「黒」が結婚式には向かないとされているか、ですが、20年ちょっと西欧で暮らしてみて思うことなのですが、それは黒はどちらかというと『夜』の色だからなのです。

ご存知のように洋装では午前中、遅い午後、そして夜で衣服のエチケットが変ります。少なくとも西欧では教会の結婚式は午前中か午後の早めの時間にはじまるので、エチケットとして昼間の格好をするわけですが、そうすると黒、というのは夜向きなので時間的に場違い・・・というわけなのです。

昼夜のルールの差の一例として、西欧人の目から見ると、まだ日の高いうちにタキシードを着ている花婿(アメリカあたりでは見かけますが)というのは相当に違和感を感じるのです。西欧なら、男性の正装は昼間はモーニング・コート、略正装はスーツ(夏でなければ紺か濃い目のグレーが一般的、でも黒は着ません)ですから。タキシードや燕尾服は夜会服なんです。

それから、これは私の推測もありますが、黒い服が女性のお洒落着・正装(喪服以外)として着用されるようになった歴史は意外と浅く、あのココ・シャネルがはじめたことなのです。つまり1920年代以降のお話です。結婚式のような昼間の改まった席で、女性が黒を着るのは何となく場違いなような雰囲気があるのはそんな歴史のせいもあるような気がします。

そういうわけで、教会で黒を着てはいけない、ということは全くありませんし、キリスト教では黒や白はいけない、ということはありません。

日本独自のあのブラック・フォーマルは、私が思うに着物の正装は黒留袖に黒の紋付羽織り、立ったら洋装でもそれに準じて黒でなければどうもフォーマルさに欠けるように感ずる・・・といった理由でつくられたのではないのでしょうか。

因みに西欧での洋装のお葬式ですが、黒い喪服は遺族のみ。遠い親族、一般参列者は地味目の格好(消し炭色など)です。そもそも「喪服(洋装)」は喪に服す人が着るものですから。とんぼさまのおっしゃる和装のしきたりと同じなんです。

もちろん、これは私の狭い範囲での経験上のことですけれど、お話の種に、と思ってくだされば幸いです。

長いコメントを失礼しました。



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Unknown (とんぼ)
2013-11-07 21:56:05
はなおもだか様

海外でお暮らしの実践でのお話、これはありがたいです。
興味深く拝見しました。
ありがとうございました。

なるほど「夜」のイメージなんですね。
昔は日本の婚礼は「夜」が基本でしたから、
ところ変われば、でおもしろいものだと思います。

日本は、服飾のことについては、たぶん維新後に混乱したままなのだと思います。
西洋を取り入れるのはいいけれど、風土や習慣から来るものを
理解するにも情報が少なかったということもあるかと思いますが。
また、戦後いっきに洋装文化が進んだら、なんだかよけいゴチャゴチャになりました。
私は今でも、お通夜から真っ黒を着るのがきになってしかたありませんが、
だからと言って、イマドキ「身内ではないので」と、色喪だのでいったら、何か言われる…。
ほんとに難しいです。
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