昨日、息子がニコニコしながらテレビの方を見ているので、何が写ってる?と振り返ったら、
やっぱり「キレーな女の人」、鮎川いずみさんでした…アンタって子は…。
で、やっていたのは「必殺シリーズ」、昼間にやっているんですね。
何回目のシリーズか知りませんが、仕事を請け負ってくるのが
鮎川さん演じるところの「なんでも屋の加代」。
その加代さんが、主水さんとひそひそバナシをする場面で着ていたのが端縫いの半天でした。
古いほうのデジカメなのでちとボケボケです。
あけっぴろげで「蓮ッ葉」で、お金に汚いという役どころでしたね。
見事な「端縫い」ですね。お芝居ですから、色目など役どころの雰囲気にしてあるとは思いますが、
実際、昔は袖1枚でも残っていたらつなぎ合わせる…だったのだと思います。
実際には、たとえこれほどハデな端縫いであっても、元々「着古し」のつなぎ合わせですから、
もっと色褪せがあったり、ヤケのラインがはいっていたり…そんな程度だったでしょうね。
私がいつも着ている「綿入りひっぱり」の端縫いは、割とジミ目の組み合わせてです。
鮮やかな色は、長く着ていると色もさめるでしょうし、薄い色は汚れも残るでしょうし、
ジミで暗めの色柄の方が、こういうものには実用的なのだと思います。
とにかく端縫い大好きな私は、ハギレをどうやってつなげたら、
元々のものより、あるいは元々のものとおなじくらい、ステキになるか…と考えるのがすきです。
なんどか出しております手持ちの端縫い、秋田、西馬音内(にしもない)の盆踊り衣装。
冬至書いたこの端縫いの記事を読んだ「出品者」の方から、これは西馬音内の旧家から出た本物です、と
ご連絡をいただいた、私のお宝ベスト3に入るものです。
これは着物で、代々のおばあさんお母さんの着ていたものを継いだり、
残してきたハギレをつないで作ったり、今でもしておられるわけです。
こんな端縫いもあります。これはじゅばん。
こんなの着るの?と思うかもですが、加代さんのを見たら、じゅばんだしなんでもないわーでしょ。
加代さんほどドハデではありませんが、過去に端縫いを更に繰り回したもの。
左が元々のじゅばん、右が道中着にしたもの。
ただ丈を切ったわけではなく、一度バラして組み合わせを替え、衿と衽に黒を持ってきてあります。
これは、ほんとにつぎはぎで、裏なんか、とんでもないところで縫い目が見つかります。
かなり薄手なので、春先に着たいと思いつつ、いまだに未使用です。
着物をあまり知らない人が見たら「裏返して着てる」と思うかもしれませんね。
いいのです、私の思い、で、私の好みで着るのですから。
今ある自分の着物はまだどれもそのまま着られるものが多いのですが、
古着で買ったものなど、一度は「ドハデ半天」にしてみたいと思っている私です。
つなぎ合わされたと感心します。
手間と時間を考えると高級呉服並みのお値段
になるのかも・・と思ってしまいます。
初めはえっ!と思ったのですが、よく見たら袖口と袂側、褄周りと裾と、着物を着てみるところだけ同じ生地を使ってあって、なるほど~と納得。
あとは配色よくうまくつなぎ合わせてあって、見ていて飽きませんでした。
とんぼさんのピンク系の端縫い長襦袢ほど小さい布を縫い合わせてるのは見たことありませんが。
縫う手間ももちろんですが、使えるところをうまく組み合わせて、しかも掛けて見たときに美しい色合わせにするって、すごいなあと思います。
自分だけのお楽しみですね~
本気で作ろうか…来年の目標の一つとします。
ほんとに手間暇かかりますよね。
昔の人は、たとえ「そうしなければならない」があっても
すごく根気があったのだと思います。
いまなら手間賃だけでも、かかるでしょうねぇ。
襦袢として着たりするのに、みえるところだけは
ちゃんとそろえたり、見えないところでも左右対称にしたり
昔の人はほんとにこまめで根気強いと思います。
私の手持ちのもう一枚は、絞りの帯揚げを
山ほど使ったものです。
どれだけの時間を費やしたのだろうと思うと、
今の自分は、ラクしすぎだと思っています。
ほんとにそういう「言い訳」、頭の中をグールグル。
いつかきっと…は、ずっと思っています。
実行しましょうねぇ。