河童さんです。これは絽の帯、私物でこれから仕立てます。
ちょっと今風の河童さんで、顔チャーミング?です。
墨絵っぽくさらりと描いてあるところ気に入ってます。
釣れるのかなぁ、家で奥さんと子供が待っているのかも・・。
こういう柄はあまりでないので、オークションで格安入手、
出品者様に感謝!です。前帯の柄は河童さんいなくて、
帰った後の川べり・・と言う感じです。釣れたんだきっと!
昨日コメントで、民話から妖怪のお話がでましたが、
この「河童」も、民話にはよく登場する「妖怪」です。
河童については日本国中、いたるところに伝承があり、
人々にもっとも身近な妖怪の一つではないかと思います。
大陸からやってきたというタイプといわゆる「お使い」説とあります。
お使いのほうは、誰かに仕える・・という意味で式神とかそういうタイプ。
一般的な特徴は言わずもがなですが、きゅうりが好きとか、
相撲が好きとか、光るものとがったものが嫌いとか、
けっこう律儀で「恩返し」するとか・・。気のいい妖怪といった類ですね。
私の好きなマンガ「花やしきへようこそ」にも、河童が出てきます。
村の中の無口で不器用な少年に助けてもらった河童が、
その少年の家の田んぼに水がよく行き渡るようにしてやると、
その少年は、夏になると毎日きゅうりを黙っておいてゆく・・
やがてその少年が嫁をもらい、子供が生まれると
その子を抱いて河童のいる淵にやってきて「子供が生まれた、
この子が大きくなるまでおぼれたりせんよう見守ってくれ」といいます。
河童は子と水を守り、代わりにたくさんのきゅうりが届けられる・・
そしてまたその子が大人になって嫁をもらい、年をとった「少年」は
今度は孫を抱いて「孫が生まれた」と顔を見せにきます。
人も河童も互いの恩を忘れず、顔を合わせて話しなどするわけでもないのに、
そうやってつながりを保つ・・なんかほっとする話しでした。
河童の絵については、有名なお酒のCMでセクシーな河童が登場しましたが、
元々は両生類的な感じ、緑色ってのがポピュラー・カラー??
男物のじゅばんや扇子などの小物の柄にも、この「釣り」場面はよく使われます。
絽の帯なので早く仕立てないと・・といって来年になるんだ・・ゼッタイ。
今日は、たまたま本屋さんでこんな本を見つけました。
右端に「河童」さんもおります。最初のページに「河童」が描いてありまして
相撲とってたり、泳いでいたり、きゅうり食べてたり・・なかなかかわいいです。
小さい子向きの絵本なのですが、昔はこんなのがいてね、とそんな語りかけです。
実際いたかどうかは別として、昔こういうものがいてもフシギはない、と
思えるほどの「自然」とか「闇」が今は本当になくなってしまって・・・。
千兵衛様のところでもお話したのですが、野菜や果物も季節感がなくなり、
味も薄まり・・茄子や大根ッ葉は、いきなりつかむとトゲトゲが痛いなんて
今の子はしらないでしょうねぇ。
実は、思い出してこんな本を出してきました。
これは1986年、昭和でいうと61年、朝日新聞社主催で開催された
「うつりゆく街展」という展覧会で買い求めたものです。
この絵はイエルク・ミュラーというスイスの画家の、いわば「定点観測図」です。
ずっとそこに住んでいたわけではなく、膨大な資料を基に、
ヨーロッパのさまざまな都市の20年の定点観測による変化を描いています。
下の街はヨーロッパの小さな都市、大戦の被害も免れたようだとあります。
最初の図は1953年、次は56年、三枚目は1969年です。
実際には全部で8枚の絵があり、一番下のモノクロは
そのうちの6枚を並べたものです。わかりやすいのは、
最初の絵の左ページ、左から2軒目の三角屋根のひょろ長い家、
最初のページでは下は「自転車やさん」です。
2枚目ではその店はしまって板が打ちつけられています。
同時に車の数が増えていますね。
3枚目はすみません、一気にとんじゃってますが、
あの三角屋根の家は左側に移動され、川もふさがれて「遊園地」になりました。
右ページの家は、1966年の時点で取り壊されているところが描かれ、
よく耳にする「企業」のビルになっちゃいました。
この絵、8枚目では手前に高速道路が走り、ポルシェが走ってます。
三角屋根は外装はきれいになって残っておりレストランのようです。
わずかにところどころ、昔と同じ建物が外装を替えて残っていますが、
全体のようすは昔の面影を残していません。
この手法の絵のイナカバージョンもあり、田舎の田園風景の中の小さな家、
近くに鉄道があって汽車が走っているのですが、
だんだん開発され、ついに家は取り壊されて「工場地帯」になってゆきます。
人は知恵を持ち、よりよい暮らしをするため、増えてゆく人口のため、
開発・開拓をし、便利なものを作ってきました。
それでも新しく生み出すためには何かを壊すか捨てるかしなければならない、
その選択は全てあっていただろうか、捨てていいものなくしていいもの、
ではなく「捨てなければならないもの、なくしてしまうもの」と考えて、
もう一度「残さなきゃ」と思うものはなかったのだろうか。
えらそえなことを言っている私、裏の雑木林がなくなるとき、
一応自治会などでは意見も言いましたが、
結局「市」の意向といわれればしかたがないこと、とそのまま何もせずじまい。
たった数日でトラック何台も切り出されていった何百本もの木を
見送ることしかできませんでした。鶯が鳴かなくなった、
セミがこなくなった、カラスが消えた・・・、
これって本当は、とてもおそろしいことなのではないか・・と思っています。
そうはいっても、これといって何ができるわけじゃナシ、
私は私にできること、で大事なもの残したいものを考えていこうと思います。
それにしても・・・トゲが痛くて青臭いきゅうりがたべたいなー。
イマドキのきゅうりじゃ、河童さんも「まずっ」と言いそう!!
涼しげで遊び心もあっていいですね。
昨日のくらげといい今日の河童といい
お話の内容まで書いて頂いて、なんか
無性に昔話や民話の本が読みたくなって
きました。
これからの夏の蒸し暑い日々、着物頑張って着る気がだんだん失せていきます。金時の火事見舞いってな感じになりますもん、
河童柄、見たひとは涼を感じると思います。
どうぞ頑張って仕上げて着て下さい。
そして写真アップを、それで涼しそうと眺めますので。
人を川に引きずり込んで、肝を食べてしまう。。。
なので、お酒の宣伝に出でてくる美人河童、
不思議に見えた子供時代でした。
丹念に探しても、なかなかこういうおもしろいものはみつからないですね。ラッキー♪酒器の柄にもよさげですね。艶かしいかっぱの美人さん、ちょっとエッチで大好きでした。最近時代漫画本が流行っているから、コミックに掲載してくれればいいのに。
「でんせつのいきもの」:絵がめちゃめちゃ巧いです!。さすがヒサクニヒコさん。恐竜も好きです。子供の恐竜の絵本、可愛いんですよ~。企業さんつくってくださいおたのみサイトというのがあるんですが、ヒサクニヒコさんのTシャツと
浴衣をお願いしますと頼んでみます~。
近頃はこんな愉快な柄はとんと見かけません
我家は毎年、小島 功さんのカレンダーをある知人を通じて(たいそう親しくしておられるので)数冊頂きますので、数ヶ所に飾ってあります
あいにく、河童じゃなく、目のたいそう大きい
美人画ばかりです
昔話や民話って、大人になって読んでも
おもしろいものです。
私、本屋さんいくと、必ず「絵本」コーナーへ
入ります。けっこう時間かけて「立ち読み」!
楽しいです。
蜆子様
ヒトサマに涼んでいただくのも、
着物のよさをひろめることになねならば!・・と
しめたいところなんですが、
さて今年の夏に間に合うかどうか・・。
ほんと、グズなんです、私。
ぶりねぇ様
河童は子供ゃ馬を水の中に引き入れる・・
という言い伝えも多いですね。
で、そのとき助けに入った人に諭されて・・
っていうのも多いです。身近ですね、河童は。
百福様
ほんとに出会いがしら・・と言う感じ。
実はPCの先生が「こんなのみつけたよ」と
知らせてくださったんです。
「買いました」と報告する前にアップしちゃった!
とてもうれしかったんです。
「でんせつ・・・」の本、マジックルーペが
ついていて、それをのせて廻しながら見ると、
河童のページでは、あちこちに隠れてる
きゅうりが見えるのだそうです。
そのルーペの入ったポケットののりづけを
とるのが惜しくて、まだ見てないんです。
クニヒコさんの「河童浴衣」いいなぁ!
粋、とか、シャレとか、なかなかみつかりませんね。
描く人もへっているのでしょう。
京都には、まだまだありそうですねぇ!