
お天気はよかったのですが、風が強かったりほかに用事があったりで、
解いたまましばらく置いてありました。
着物だったときは、こんなでした。

女の子の四つ身だったもの。とってもきれいな色柄なんですが、
残念ながらシミがあちこちあります。子供って、やっぱり汚しますよね。
四つ身なので、解くと反幅でけっこうな長さがあります。袖も長いし。
かなり大柄で、几帳と貝桶、女の子柄ですねぇ。
アップはこちら。これでほぼ反幅です。

花柄の飛んだ紋錦紗、でしたので縮みましたー。それで伸子の針が密集しているわけです。
コレだけ柄が大きいと、市松人形さんの着物にはちと大柄かなぁ、
大きく使いたくても汚れが多いし…きれいだけど使い勝手の決まってしまう柄です。
女の子いたら、ちゃんちゃんこでもしたいとこですねぇ。
さて、柄になっている「几帳」は、今で言うところのパーテーション、間仕切りですが、
ただの間仕切りではなく「応用編」がいっぱい…。
几帳が使われたのは平安時代以降、貴族のお屋敷です。
これもまた何度目かのお話しですが…
平安時代のお屋敷は日本の夏の気候、高温多湿を基本として考えられているもの。
とにかく「遮光・通気・通風」が最優先、軒を深く、床を高く、
柱で支えられた空間はできるだけ壁を少なく…。
そこで、部屋を細かくわけることをせず、今で言うところの襖などのかわりに長押に
「壁代(かべしろ)」という、几帳の大きいようなものをブラインドのように下げました。
上の写真で、布の上から細い紐が二本ずつ、さがってたなびいています。
これは「野筋」というもので、風通などのために壁代を巻き上げたとき、
この紐で縛りました。几帳の場合も同じです。
壁代はいわばブラインドで、長押につけますが、几帳は「ついたて」のように、
置いて使いました。かの時代は、身分の高い女性は顔や姿を人に見せないというのが
エチケット、でしたから、壁代や御簾の前にさらに几帳を置いたりしました。
さまざまな物語などに「美人であった」なって書いてありますが、
そんなにガードしてたんじゃ、美人かどうかなんてわかんないじゃん…と思いますねぇ。
実は、几帳のあのひらひらの途中部分には、縫い合わせてないところがありまして、
そういうところからそっと眺めた…これを「垣間見(かいまみ)」といいます。
「優雅だぁ」と思うか「覗きじゃん」と思うか…まっ電気もないうすっ暗い部屋ではねぇ、
垣間見たって顔の輪郭だけかもしんないし~~。
几帳は、そういった「ついたて」でもありましたが、
大きな部屋の中で「マイ・コーナー」を示すための間仕切りでもありました。
几帳はサイズが決まっていまして、一つは人が立ったくらい、
もう一つは、人が座ってちょっと上が見えるくらい、これを大小使い分けて、
広い板の間に、自分の居場所を確保したわけです。
素材も季節などで決まっていましたが、美麗几帳という「お飾り専用」もありまして、
こちらはいろいろ美しい布が使われました。
着物の柄になるときは、さまざまな絵柄が入れられるのが普通です。
この柄の几帳も、花や七宝が美しく描かれていますね。
野筋も本来は色がきまっていますが、着物の柄となると、美しい色柄で描かれます。
おまけ話として「差し几帳」というものもありまして、これは貴婦人が外出するとき
顔を見られないように、従者に回りを囲ませたもの…。
そんなに見られたくなかったら袋でもかぶればって…いやいやそういうお話ではありませんが。
もうひとつの貝桶は、貝合わせを入れるケース。お嫁入り道具の定番です。
アップはこちら…
蓋が分けて描かれていませんし、図形的にちょっと不正確ですねぇ。
それでも「きれいならいいんですー」。
先日、お宮参りの「掛け着」のことで、ちょっとメールでお話をしたんですが、
最近は、お宮参りは着物を着せても、
そのあとは普段に着物を着せるということがほとんどありません。
子供の着物は長さが少なくて足りますから、たとえば掛け着を着物として縫い直すとか、
本裁ちの着物で縫込みを多くして小さく作り、十三参りや成人式にも使う
といったようなことができますが、今はそなことをしなくなりました。
子供の着物は、すぐにサイズが変わりますから、
まさしく「着物は作り変えて使っていくもの」の典型だと思うのですが…。
縫い直して三歳のお祝いに着るとか、そういうことを考えたとき、
子供って、総柄の方がかわいい…と、私はいつも思っています。
大きな柄がドンと前に来るものより、全体に花が散っているとか…
そういうほうが子供の体には合うような気がするんです。
この着物も、大柄でも「子供の着物」になりうる柄なんですよね。
今、こういう子供のころに着られる「総柄」の大きな華やかな小紋、
というのがなかなかありません。
だいたい「お正月は着物」ってのが、なくなりましたものね。
いつのころからか、お宮参りはお宮参り、七五三は七五三、成人式は成人式、と
それぞれイベント化して、そのときだけのお祝い着、になっています。
着物を着せる習慣がなくなりましたから、掛け着の下の「身着せ」も、
洋服だったりします。あー人のことは言えませんで、
我が家は息子の病気等の状態がありましたので、
身着せも夏物の白いベビードレス、掛け着も白いレースの大きなケープにしました。
せめともにと、帽子と涎掛けは昔ながらのものを使いましたが…。
暑い日でしたので、それだけでも息子はぐったりでした。
本来は、お宮参りには子供の正装に合わせて両親も付き添いも、礼装をしますが、
最近は掛け着だけで、あとは全部を洋装、ということもあるようです。
この世に生まれて、初めて神様へのご挨拶ですからできればねぇ…。
あっだから人のことは言えない、ってば…
すみません、病院通院の合間でしたので私はスーツでした。ははは。
今日は昼間少し暖かく、毎日張っていたバケツの氷も、今朝はありませんでした。
伸子張りをしていたら、近所の方が通りかかって
「とんぼさんが伸子張りで動き出したってことは、今日はあったかいってことよね」…
あたしゃ冬眠からさめた熊ですかい、と大笑い。
いや、実際ここしばらくは立ち話するのもおっくうになるくらい寒かったです。
明日から急に暖かくなると言ってますが、週末からはまた寒波だとか。
あんまり気温に高低があると、母と息子は疲れるんですけどねぇ。
今年はこれから雪が降りそうなきがしています。
いずれにしても、まだ春は遠いですね。とりあえずは、来月のオリンピックを楽しみに。
それが終わるころには、ほんとに少しずつ春が近づいてくるでしょうから。
明日は「袖二枚分と残りの細かいところ」を張りまーす。
解いたまましばらく置いてありました。
着物だったときは、こんなでした。

女の子の四つ身だったもの。とってもきれいな色柄なんですが、
残念ながらシミがあちこちあります。子供って、やっぱり汚しますよね。
四つ身なので、解くと反幅でけっこうな長さがあります。袖も長いし。
かなり大柄で、几帳と貝桶、女の子柄ですねぇ。
アップはこちら。これでほぼ反幅です。

花柄の飛んだ紋錦紗、でしたので縮みましたー。それで伸子の針が密集しているわけです。
コレだけ柄が大きいと、市松人形さんの着物にはちと大柄かなぁ、
大きく使いたくても汚れが多いし…きれいだけど使い勝手の決まってしまう柄です。
女の子いたら、ちゃんちゃんこでもしたいとこですねぇ。
さて、柄になっている「几帳」は、今で言うところのパーテーション、間仕切りですが、
ただの間仕切りではなく「応用編」がいっぱい…。
几帳が使われたのは平安時代以降、貴族のお屋敷です。
これもまた何度目かのお話しですが…
平安時代のお屋敷は日本の夏の気候、高温多湿を基本として考えられているもの。
とにかく「遮光・通気・通風」が最優先、軒を深く、床を高く、
柱で支えられた空間はできるだけ壁を少なく…。
そこで、部屋を細かくわけることをせず、今で言うところの襖などのかわりに長押に
「壁代(かべしろ)」という、几帳の大きいようなものをブラインドのように下げました。
上の写真で、布の上から細い紐が二本ずつ、さがってたなびいています。
これは「野筋」というもので、風通などのために壁代を巻き上げたとき、
この紐で縛りました。几帳の場合も同じです。
壁代はいわばブラインドで、長押につけますが、几帳は「ついたて」のように、
置いて使いました。かの時代は、身分の高い女性は顔や姿を人に見せないというのが
エチケット、でしたから、壁代や御簾の前にさらに几帳を置いたりしました。
さまざまな物語などに「美人であった」なって書いてありますが、
そんなにガードしてたんじゃ、美人かどうかなんてわかんないじゃん…と思いますねぇ。
実は、几帳のあのひらひらの途中部分には、縫い合わせてないところがありまして、
そういうところからそっと眺めた…これを「垣間見(かいまみ)」といいます。
「優雅だぁ」と思うか「覗きじゃん」と思うか…まっ電気もないうすっ暗い部屋ではねぇ、
垣間見たって顔の輪郭だけかもしんないし~~。
几帳は、そういった「ついたて」でもありましたが、
大きな部屋の中で「マイ・コーナー」を示すための間仕切りでもありました。
几帳はサイズが決まっていまして、一つは人が立ったくらい、
もう一つは、人が座ってちょっと上が見えるくらい、これを大小使い分けて、
広い板の間に、自分の居場所を確保したわけです。
素材も季節などで決まっていましたが、美麗几帳という「お飾り専用」もありまして、
こちらはいろいろ美しい布が使われました。
着物の柄になるときは、さまざまな絵柄が入れられるのが普通です。
この柄の几帳も、花や七宝が美しく描かれていますね。
野筋も本来は色がきまっていますが、着物の柄となると、美しい色柄で描かれます。
おまけ話として「差し几帳」というものもありまして、これは貴婦人が外出するとき
顔を見られないように、従者に回りを囲ませたもの…。
そんなに見られたくなかったら袋でもかぶればって…いやいやそういうお話ではありませんが。
もうひとつの貝桶は、貝合わせを入れるケース。お嫁入り道具の定番です。
アップはこちら…

蓋が分けて描かれていませんし、図形的にちょっと不正確ですねぇ。
それでも「きれいならいいんですー」。
先日、お宮参りの「掛け着」のことで、ちょっとメールでお話をしたんですが、
最近は、お宮参りは着物を着せても、
そのあとは普段に着物を着せるということがほとんどありません。
子供の着物は長さが少なくて足りますから、たとえば掛け着を着物として縫い直すとか、
本裁ちの着物で縫込みを多くして小さく作り、十三参りや成人式にも使う
といったようなことができますが、今はそなことをしなくなりました。
子供の着物は、すぐにサイズが変わりますから、
まさしく「着物は作り変えて使っていくもの」の典型だと思うのですが…。
縫い直して三歳のお祝いに着るとか、そういうことを考えたとき、
子供って、総柄の方がかわいい…と、私はいつも思っています。
大きな柄がドンと前に来るものより、全体に花が散っているとか…
そういうほうが子供の体には合うような気がするんです。
この着物も、大柄でも「子供の着物」になりうる柄なんですよね。
今、こういう子供のころに着られる「総柄」の大きな華やかな小紋、
というのがなかなかありません。
だいたい「お正月は着物」ってのが、なくなりましたものね。
いつのころからか、お宮参りはお宮参り、七五三は七五三、成人式は成人式、と
それぞれイベント化して、そのときだけのお祝い着、になっています。
着物を着せる習慣がなくなりましたから、掛け着の下の「身着せ」も、
洋服だったりします。あー人のことは言えませんで、
我が家は息子の病気等の状態がありましたので、
身着せも夏物の白いベビードレス、掛け着も白いレースの大きなケープにしました。
せめともにと、帽子と涎掛けは昔ながらのものを使いましたが…。
暑い日でしたので、それだけでも息子はぐったりでした。
本来は、お宮参りには子供の正装に合わせて両親も付き添いも、礼装をしますが、
最近は掛け着だけで、あとは全部を洋装、ということもあるようです。
この世に生まれて、初めて神様へのご挨拶ですからできればねぇ…。
あっだから人のことは言えない、ってば…
すみません、病院通院の合間でしたので私はスーツでした。ははは。
今日は昼間少し暖かく、毎日張っていたバケツの氷も、今朝はありませんでした。
伸子張りをしていたら、近所の方が通りかかって
「とんぼさんが伸子張りで動き出したってことは、今日はあったかいってことよね」…
あたしゃ冬眠からさめた熊ですかい、と大笑い。
いや、実際ここしばらくは立ち話するのもおっくうになるくらい寒かったです。
明日から急に暖かくなると言ってますが、週末からはまた寒波だとか。
あんまり気温に高低があると、母と息子は疲れるんですけどねぇ。
今年はこれから雪が降りそうなきがしています。
いずれにしても、まだ春は遠いですね。とりあえずは、来月のオリンピックを楽しみに。
それが終わるころには、ほんとに少しずつ春が近づいてくるでしょうから。
明日は「袖二枚分と残りの細かいところ」を張りまーす。
早速伸子張りですか。
今の四つ身には見かけない柄ですが、やっぱり
こういう総柄で華やかな色使いいいですね。
私は娘の時も孫の時もお宮参りの掛け着は
三歳参りに着せました。
一度っきりなんてもったいないですよね。
白生地を染める人、手持ちの着物を染め替える人がいなくなったからだそうで、さもありなんではあります。
私が七五三の着物をお願いした染物屋さんもとっくに廃業されてしまっています。
七つの時には本断ちの白生地を染めて、その後小紋に染め替えて、今でも時々着ています。
もう、こういうことをやろうと思っても、相談するお店も少なくなってしまっているということで、繰り回して着続けることなど、今は昔になる日も近いのでしょうか?
やっと氷の張らない日、でした。
また寒くなるそうですが、一息ついた感じですね。
こういう柄を、ほんとに見なくなりましたね。
私は、子供のころお正月というと、
ここまで華やかじゃありませんが、
毎年揚げを伸ばしてもらいながら、
着物を着ていました。
最近はお正月に着物を着ませんよね。
もったいないなーと思っています。
そうそう、私もこの前呉服屋さんで、
裏に一杯あるけど使わないって聞きました。
繰り回しとか、染め替えができるということを
知らない人も多いですしね。
なんていうのか、その辺も洋服感覚なんでしょうね。
かわっていくことがあるのはしかたないけれど、
何かできることはあるんじゃないかと、
ゴマメの歯軋りで、歯が減ってますー。