おととい「自由な着かた」についてまた明日・・なぁんて書いておいて・・・
どうもすみません。ちょっと写真がととのいませんで・・。
またいずれということにせていただきます。
じゅばんです。楽しい柄なので、いろいろ使えるかと思ったのですが、
やはり「モスリン」は虫ちゃんがおいしくあちこち食べてくれちゃってまして、
折りたたんであるところから集中的に「穴だらけ」・・・。
まぁ部分使いで、いいとこ取りで・・と考えています。
柄は「街道風景」とでもいいますか、違う柄3段と、
区切りのカーボングレーの繰り返し柄。それぞれの段が面白いです。
こちらは木皮の模様から見ると松並木のようです。雨の街道筋。
左端の蓑笠の人は、天秤棒かついだ「モノ売り」のようです。
その次は「籠かきさん」・・と思ったんですが、
荷物に布をかけているようにも見えます。後ろの人褌一丁、さぶそっ!
その次は「旅人」たびびとではなく「たびにんさん」のほうらしいですね。
道中合羽に振り分け荷物、脚絆もつけていますから、やはり旅なれていそう。
この人だけちょっとアップで・・・。けっこうちゃんと描けてます。
一番右端は、農家の人です。担いでいるのは大きな鍬、
この絵「浮世絵」からの借り物ですねぇ、まぁこの前の盗作さんに比べたら
かわいいもんですが・・・。実は、縫いこんであるところ、ちょっと解いてみたら
この人の前にもう一人います。反対側のはしっこ、天秤棒さんの前にも
むしろを羽織っている人が、走っているところが描かれています。
どう考えても「縫い代に入ってしまう」のですが、
そんなトコまで手抜きせずに描いたんですね。
2番目はあっさり柄です。ススキかと思ったのですが、
よく見るとやはり「稲穂」のようです。案山子でもほしいところですね。
3番目はこちら。ちょっと図案化された藁葺屋根の家と、
右端は本陣かと思ったらどうやら「関所」・・と思うのですが。
こういう柄は、あちこち細かいところを眺めるのが楽しいものです。
人の姿が描かれているあるのは一段だけですが、
それがあるから他の2段も生きてくるんですね。
ちなみに、当時はビニールなどありませんでしたから、
道中合羽のような厚手の木綿か、藁で作った蓑・むしろ。
大名行列の武士などは、和紙に柿渋を塗った「コート」。
蓑はいってみれば「藁葺き屋根」のミニチュア版、藁は細長いですから、
重ねて束ねると、雨が藁に沿って下へ下へと流れて伝っていく・・、
だから中まで水がしみにくいんですね。屋根はそれこそ何重にもきっちりと
藁の束を重ねていますから、大雨でも家の中までしみてポタポタなんてことは
ないわけですが、蓑はそうはいきません。やはり長時間着ていると、
中までしみたようです。だから急いでるんだわ、おじさん・・・。
余談ですが、駕籠って、あの「担ぎ棒」、前と後ろでどう担いでいるでしょう。
あれは、先棒(前の人)が右の肩に担ぐなら、後棒の人も右・・なんだそうです。
そうしないと、後棒が先棒の足の出方が見えなくて、足並みが揃わない・・。
足の出方が揃わないと、籠がねじれてひどく揺れるのだそうで、酔っちゃう・・。
えいほっえいほっ・・てのも、いわば「右、左、右、左」のかわりだそうです。
乗りなれないと、ほんとに乗るほうもたいへんだったそうで、
4人で担ぐ「早籠」というのがありますが、あの「赤穂浪士」で有名な
「浅野匠守」切腹の知らせは、江戸から赤穂まで4日半だったそうです。
もちろん、宿場ごとに担ぐ人はどんどん交代するわけですが、
乗ってる人は同じですから、疲労たるやたいへんなものだったわけです。
映画の場面などにもよくありますが、乗ってるほうもタスキがけで鉢巻。
気を確かに持っていないと、疲労死もあったといいます。
さて、このじゅばんには、とってもステキなおまけがついてきました。
背中の下のほうに、紐が縫いつけてあったのですが、それがこれ。
「大正更紗」です。伸子張りのとき、そぉっと解いて広げてみます。
落ち着いたいい色目で柄行も
素敵です。けっこう色を使って
いるようですが全部抑えた色なのが
いいですね。
これで、そのまま普通の色使いで、松は緑とか、
それだったら、落ち着かない絵になったでしょうね。