古い「染見本のじゅばん」を解いてあったので、薄物用のうそつきの袖にしようかと、
伸子張りをする予定だったのですが…すごい風だったのです。
お天気になるといってました。確かに晴れました。でもなんなのこの風…しかも湿気含んでベタベタの風。
ゴーヤはもうかなり育ってしっかりネットにツルでからまっているものの、ネットごとゆさゆさ揺れるので心配しました。
そんなわけで、伸子張りは中止にしたのですが、明日もお天気はまだなんとかいけそうなので、明日決行?!
いつもは伸子張りしたあとの写真を載せるのですが、今日はちとアイロンでシワを伸ばして…。
これは2009年にご紹介しているのですが、元はこんなの。
かなり古いのでしみやアクも多く、きれいなところを使ってということになりそうですが…。
よく見ると「訪問着用」の見本と「小紋用」の見本、両方使われています。
柄行が完全に「夏」ですから、いわゆる「夏ちりめん」と呼ばれる薄手のちりめんですね。
元々が暑い時期のものですから、色も薄めで染めていますが、柄は「大きい!」
こちらは「提灯と柳」、バックに「雪輪」が見えますね。雪輪は冬の柄ですが、
夏物に使われるときは、その「冷たさ」を連想させて、涼しさを演出するわけです。
いや、それにしてもこの柄、ちーっとおどろおどろしい気がするんです。
なんか柳の陰からすーっと現れそうな…それも効果のうち?かな?どう見ても「盆提灯」だし…。
この見本には、上のほうに「染めた感じの見本」があります。
かなり大きいちょうちんになりますよね。
こちらはもっと大きい「朝顔」、これで反幅ですからねぇ。いかに大きいか…。
色は抑え目でも、すごい目立つ着物になるでしょうねぇ。
こちらは小紋柄ですが、これがまた、今はゼッタイない柄ですね。
いかだがよろけた縞になってます。
こちらはは虫かごとせみ。こういうときは普通「鈴虫」なんですがねぇ。
第一カゴの中にはいってないし~真昼の街を行くにはこの方が元気かも?
トツプのツバメも絵羽柄ではなく、小紋です。こうなると浴衣みたいですけどね。
暑い時期に着るものは、本人が涼しいことはもちろんですが、見るヒトの目にも「涼」を運ぶこと。
着物の大きな魅力のひとつは、この「夏物」にあるのではないかと、私は思っています。
袷の着物は、とにかく色柄豊富、なんでもありで、それだけで美しいです。
でも、夏物は、形が変わらない以上、全身を包み込む大きなものですから、
帯や小物など隅々まで気をつけないと、たとえ絽や紗であっても、暑苦しくなってしまいます。
色の濃いものは透けさせて、薄いものは涼しげな柄にして…
水流の柄の着物に、わずかに透けて襦袢には「鮎」なーんてオシャレもする…。
いやそうなるとかなりのシャレものですが…。
夏ちょっと前の季節には「紗合わせ」なんてものもありますが、最近はまーず見ません。
たいへんゼータクなものであり、しかも着る期間が短い。
まぁ単と同じではありますが、地域によっては夏前だけ着る…というところもあるといいます。
ついでのことに、わざわざ二反で作るわけですから…どう考え立って暑いやねぇ…。
ゼータクであり、そういう厄介なものでもあるためでしょうねぇ、始まりは大正といわれていますが、
お金持ちの道楽着物みたいな?…結局今でもあるにはあるし、作れますが「人気」はありませんねぇ。
私もいくら独特の透け感や、光の加減で柄が変わる…なんていう妙味があると言われても、
あせも地獄はいやですからやめときます。
さて、明日はこれを伸子張りの予定ですが、柄を見ていたら、
ただのうそつきの袖だけじゃもったいないかなぁと…。
シミや汚れをよけるのが大変ですが、別のもの、考え中です。
こんばんわ。
いつも拝見させていただいております、JJと申します。
「いつかコメントしたいなぁ」と思いつつも
なかなかできずにいました。
が、今日思い切ってコメントさせていただきます(^^*)!
私は、現在10代最後を謳歌中です。
“日本のすこし古いもの”に興味をもっておりましたが、とっても残念なことに
文献の記述でしか見たことがありませんでした。
ですので、とんぼ様のブログに辿りついた際、
とっても感激いたしました。
「“日本のすこし古いもの”が画像で、しかも詳しい説明がついて紹介されている!!」と。
拝見させていただく度に、知らないことばっかりですので
いつもとてもわくわくと楽しみにさせていただいております。
ありがとうございます。
これからも、楽しみに拝見させていただきます。
それでは、これにて。
稚拙な文を長々と申し訳ありませんでした。
ご健康にお気をつけてお過ごしくださいませ。
失礼いたします。
いいものですけど、自分が着るのは
遠慮したいですね。
とんぼ様のブログは、画像と文章とがしっかり構成されててとっても良い読みものですよね!
私もたどりついた時、とっても嬉しかったですもの(^^)
私10代の頃、半村良の小説を読んで、紗合わせに憧れていたんです(--;)変な子供でした、すみません。
(半村良はSF作家ですが、銀座暮らしが長かったため、ホステス風俗小説に着物の記述が多く、直木賞を取ったのも風俗小説でした)
白地に墨で八橋を裾模様で、上の紗は濃い紫。。。との記述にわくわくしました。
当時の銀座では、とても贅沢でおしゃれな着物っていう扱いでしたね。
当時(昭和4、50年代)一般の方は着なかったんじゃないかと思います(^^)
ゴーヤ、伸びてきました?
たくさんの雨と夏の強い日差しが必要みたいです。さすが沖縄の野菜。
でも去年は猛暑すぎて実のつきが悪かったです。首都圏の気候最悪?だったんですね~。
今年はたくさん採れるかもしれません。
はじめまして。コメントありがとうございます。
拙いブログで好きなように書き散らしていますが、
何かひとつでもお役に立てること、楽しんでいただけることがあればと
本当にうれしく思います。
これからも、ちょっと古いもののこと、いろいろ書きますので、
よろしくお願いいたします。
私も、見るだけでけっこう…ですね。
考えただけであせもできそうです。
日本人って辛抱強いんですかねぇ。
本当に、お若い方が、古いことや古いものに心を向けてくださるのは、
とってもうれしいことですよね。
お褒めいただくのか恥ずかしいような「書き散らし」ブログですが、
これからも続けたいと思っています。
「変な子供」、ははは、私もです。
小学生で好きな絵が「歌麿」でしたし~。
「紗合わせ」は元々がそれほど歴史の古いものではありませんし、
なんといいますか、お金持ちの道楽みたいな、
そういうポジションだったのではないかと思います。
着たあと、一歩も外に出ず、クーラーと扇風機ガンガンだったら、
一度くらい着てみたい???
ゴーヤ、強風にもたえて、ネットごと揺れながらがんばってます。
なにやら「つぼみ」のようなものも、見えるんです。
成りますかねぇ、今年は猛暑でないことを祈っています。
フツーがいいですフツーが…。