写真は「別モノ」です、すみません。説明はのちほど。
あの、「うなぎ帯」と命名した?どうにも締まらない帯のことです。
いやもぅ素材表示がなければ「化繊だ」と思い込むような感じの「締まらなさ」でした。
たまたま呉服屋の奥さんが、母の様子はどうかと電話をくれましたので、
そのときに「そういえばね」と、その帯の話をしたところ「そりゃいかん」と…。
日をおいて突然やってこられまして「回収します」…いえいえ別にごみじゃないんですが、
どんな風に締まらないのか、ほんとに麻なのかと確認に来ました。
その後奥さんが問屋さんに確認したお話を先に書きますと、
結論は「麻」は間違いなし、その感触は「全部機械でやったもの」だから、
ということでした。つまり全工程を機械ですると、そういう感じになるのだと…。
全部ってどこからどこまで?って話ですし、
なんかちょっと納得できかねるお答えなんですが、まぁプロがプロに聞いたことですので…。
先に、私は電話でお話をする前に、ブログにも書きました「ぬるっ」とした感触、
これが何だろうと思っておりました。
「ぬるっ」という表現も、ちょっとぴったりでなくて、なんとも言いようがないのですが、
たとえば綸子の着物などのするりとすべる感覚ってありますね。
「すべって、とまらない」のが、つるつるとかさらさらで「とまらない」のではなく、
「ぬるぬる」でしまらない感じ…です。そう、手触りもよろしくないのです。
それで触っているうちに、麻糸のロウ引きを思い出しました。
私はそういうものを使う手芸をしていないのですが、たとえば革細工とか、
そういうものに使われる麻糸は、すべりをよくするために、糸の表面にロウを引きます。
また「ロウ引き済み」の糸も販売されています。
それで、そうそう「ロウ引き」した感じだわ、と思いました。
これを実際見に来た奥さんも、触ってまず「あら、なんかヘンだねぇ…」。
この帯、昨年2本だけ入れたのだそうです。半幅で、浴衣の季節に同時に置いたもの。
いまどきはつるしの浴衣ですから、それに博多だの麻だのの高い帯は売れないそうで、
そりゃそーだ…それで化繊モノ中心で、あれと紫のものが色がよかったのでおいたとか。
ただ、半幅帯ってみんな長方形にたたまれて、透明ビニールの袋に入ってますから、
奥さんも麻の表示と色柄で選びはしたものの、一枚ずつ広げて確かめたわけではなかったのですね。
触ってみて最初は「化繊入ってるみたい」といいました。
でも帯の中側の表示は「麻100%」ですし、問屋さんがうそ表示を売るわけはナシ。
結局麻には間違いなかったのですが、機械…だとこうなるのですかねぇ…。
麻については先日書きましたが、麻といってもイロイロ。
上布と呼ばれる麻は苧麻(ちょま、カラムシ)ですが、そのほかにも、大麻や亜麻など
服飾に使われるものはいろいろあります。
いずれにしても、麻は茎部分の繊維を裂いて糸にします。
こちらが元々の麻、これは何麻なのか、私にもわからないのですが、
それにしてもこんなものまであるんですわ…どないすんねん、これ…。
で、たとえば苧麻などを糸にする作業工程はたいへんめんどくさいものでして、
こちらにその工程があります。
実際にこういう「反物になるまで」の工程を見ると、高いの安いの、
こんな色柄嫌いだの…文句を言うのが、はばかられます。
どれもみな、大変な手間隙がかかっているのですよね。
さて、これをどこからどこまで機械でやるのか…私にもわかりませんが、
まさか育てる途中の水遣りもロボットが…なんてこたないでしょうが、
要するに、機械でやるということは、均一になる、ということで、
それは品質が一定であるということですが、面白みはなくなります。
「手作りの良さ」というのはいつの場合も、ただ手間がかかるだけではなく、
人間がする作業であるが故の不均等と、逆に人間がやっても、こんなに均一にできる、
というある種逆の場合がありますが、どちらにしても「手」がかかる、ということ。
ヒトがその手で生み出すものは、その人にしかできないもの。
手仕事が時間がかかる手間がかかるということで、機械に取って代わられたのは、
たくさん、安く、作るためには必要なことでありましたでしょうけれど、
だからといって、手仕事を「もういらない」というのは、ないですよねぇ…。
なくなりませんように!と願っても、さまざまなところで「後継者」がないのが実情です。
悪い癖で、ついつい話が飛びます、すみません。
とりあえず、「うなぎ帯」は、実際手にして結んでみた呉服屋の奥さんが
「あらら、こりゃ締めにくいわねぇ」と、あきれていました。
これは回収させていただきます、とお持ち帰り…。
実は奥さん、去年のわかりにくい「ヤケ」の浴衣といい、今度の帯といい、
ちょっと落ち込みまして…。年せいにはしないけれど、情けない…と。
でも、半幅帯なんて、いちいち全部袋から出して調べるわけではありませんもんねぇ。
ところで、この帯のことがあって、ふと思い出しまして…。
それがトップの写真の帯なのですが、もう一度写真を。
これは知人から「箱」で譲られたものの中にあった夏帯。
麻については私はあまり自信がないのと、残念ながら一箇所しみがあって…。
ずっとしまいこんでありました。よりにもよって、お太鼓のたれのど真ん中…。
ただ、洗って落ちそうではあるんですけどね。ちょっと暗くしてあります。
とりあえず出してきましたので触ってみました。
これも機械織りでしょうけれど、あの帯のようなぬめり感はありません。
前帯部分の柄は裏を見るとこんなです。
柄の部分の糸ですが、紙かと見まがうようなものなのですが、ちゃんと麻です。
これは、まず「判定」してもらって、しみがおちるかどうか、聞いてみます。
気になるのはこんなたたみかたのおかげでついてる「折りあと」…。
たとう紙にも入っておらず、こうやってたたんだ状態で入っていましたので、
お太鼓のところに、しっかり折れ線が…。
麻の場合、こういう折線って、とれにくいんですよねぇ、もったいない。
さて、世の中は「連休」、梅雨もあけた今日、気温はどーんどんあがっています。
湘南あたりは、すごい人出でしょうねぇ。
あー涼しい部屋の中でお茶すすっているのがシアワセな私です。
あの、「うなぎ帯」と命名した?どうにも締まらない帯のことです。
いやもぅ素材表示がなければ「化繊だ」と思い込むような感じの「締まらなさ」でした。
たまたま呉服屋の奥さんが、母の様子はどうかと電話をくれましたので、
そのときに「そういえばね」と、その帯の話をしたところ「そりゃいかん」と…。
日をおいて突然やってこられまして「回収します」…いえいえ別にごみじゃないんですが、
どんな風に締まらないのか、ほんとに麻なのかと確認に来ました。
その後奥さんが問屋さんに確認したお話を先に書きますと、
結論は「麻」は間違いなし、その感触は「全部機械でやったもの」だから、
ということでした。つまり全工程を機械ですると、そういう感じになるのだと…。
全部ってどこからどこまで?って話ですし、
なんかちょっと納得できかねるお答えなんですが、まぁプロがプロに聞いたことですので…。
先に、私は電話でお話をする前に、ブログにも書きました「ぬるっ」とした感触、
これが何だろうと思っておりました。
「ぬるっ」という表現も、ちょっとぴったりでなくて、なんとも言いようがないのですが、
たとえば綸子の着物などのするりとすべる感覚ってありますね。
「すべって、とまらない」のが、つるつるとかさらさらで「とまらない」のではなく、
「ぬるぬる」でしまらない感じ…です。そう、手触りもよろしくないのです。
それで触っているうちに、麻糸のロウ引きを思い出しました。
私はそういうものを使う手芸をしていないのですが、たとえば革細工とか、
そういうものに使われる麻糸は、すべりをよくするために、糸の表面にロウを引きます。
また「ロウ引き済み」の糸も販売されています。
それで、そうそう「ロウ引き」した感じだわ、と思いました。
これを実際見に来た奥さんも、触ってまず「あら、なんかヘンだねぇ…」。
この帯、昨年2本だけ入れたのだそうです。半幅で、浴衣の季節に同時に置いたもの。
いまどきはつるしの浴衣ですから、それに博多だの麻だのの高い帯は売れないそうで、
そりゃそーだ…それで化繊モノ中心で、あれと紫のものが色がよかったのでおいたとか。
ただ、半幅帯ってみんな長方形にたたまれて、透明ビニールの袋に入ってますから、
奥さんも麻の表示と色柄で選びはしたものの、一枚ずつ広げて確かめたわけではなかったのですね。
触ってみて最初は「化繊入ってるみたい」といいました。
でも帯の中側の表示は「麻100%」ですし、問屋さんがうそ表示を売るわけはナシ。
結局麻には間違いなかったのですが、機械…だとこうなるのですかねぇ…。
麻については先日書きましたが、麻といってもイロイロ。
上布と呼ばれる麻は苧麻(ちょま、カラムシ)ですが、そのほかにも、大麻や亜麻など
服飾に使われるものはいろいろあります。
いずれにしても、麻は茎部分の繊維を裂いて糸にします。
こちらが元々の麻、これは何麻なのか、私にもわからないのですが、
それにしてもこんなものまであるんですわ…どないすんねん、これ…。
で、たとえば苧麻などを糸にする作業工程はたいへんめんどくさいものでして、
こちらにその工程があります。
実際にこういう「反物になるまで」の工程を見ると、高いの安いの、
こんな色柄嫌いだの…文句を言うのが、はばかられます。
どれもみな、大変な手間隙がかかっているのですよね。
さて、これをどこからどこまで機械でやるのか…私にもわかりませんが、
まさか育てる途中の水遣りもロボットが…なんてこたないでしょうが、
要するに、機械でやるということは、均一になる、ということで、
それは品質が一定であるということですが、面白みはなくなります。
「手作りの良さ」というのはいつの場合も、ただ手間がかかるだけではなく、
人間がする作業であるが故の不均等と、逆に人間がやっても、こんなに均一にできる、
というある種逆の場合がありますが、どちらにしても「手」がかかる、ということ。
ヒトがその手で生み出すものは、その人にしかできないもの。
手仕事が時間がかかる手間がかかるということで、機械に取って代わられたのは、
たくさん、安く、作るためには必要なことでありましたでしょうけれど、
だからといって、手仕事を「もういらない」というのは、ないですよねぇ…。
なくなりませんように!と願っても、さまざまなところで「後継者」がないのが実情です。
悪い癖で、ついつい話が飛びます、すみません。
とりあえず、「うなぎ帯」は、実際手にして結んでみた呉服屋の奥さんが
「あらら、こりゃ締めにくいわねぇ」と、あきれていました。
これは回収させていただきます、とお持ち帰り…。
実は奥さん、去年のわかりにくい「ヤケ」の浴衣といい、今度の帯といい、
ちょっと落ち込みまして…。年せいにはしないけれど、情けない…と。
でも、半幅帯なんて、いちいち全部袋から出して調べるわけではありませんもんねぇ。
ところで、この帯のことがあって、ふと思い出しまして…。
それがトップの写真の帯なのですが、もう一度写真を。
これは知人から「箱」で譲られたものの中にあった夏帯。
麻については私はあまり自信がないのと、残念ながら一箇所しみがあって…。
ずっとしまいこんでありました。よりにもよって、お太鼓のたれのど真ん中…。
ただ、洗って落ちそうではあるんですけどね。ちょっと暗くしてあります。
とりあえず出してきましたので触ってみました。
これも機械織りでしょうけれど、あの帯のようなぬめり感はありません。
前帯部分の柄は裏を見るとこんなです。
柄の部分の糸ですが、紙かと見まがうようなものなのですが、ちゃんと麻です。
これは、まず「判定」してもらって、しみがおちるかどうか、聞いてみます。
気になるのはこんなたたみかたのおかげでついてる「折りあと」…。
たとう紙にも入っておらず、こうやってたたんだ状態で入っていましたので、
お太鼓のところに、しっかり折れ線が…。
麻の場合、こういう折線って、とれにくいんですよねぇ、もったいない。
さて、世の中は「連休」、梅雨もあけた今日、気温はどーんどんあがっています。
湘南あたりは、すごい人出でしょうねぇ。
あー涼しい部屋の中でお茶すすっているのがシアワセな私です。
海より深く反省・・・。
芋麻を一本の糸にするには大変な工程があるんですね。
出来あがった物を大切にしないといけないですね。
いえいえ、ほんとにびったしの命名なんです。
呉服屋の奥さんも締めてみて「ほんとだ」って
二人で大笑いしたんです。
ほんとに「よく逃げる…」んですよ。
電話でも「あのうなぎねぇ」って話してます。
よくぞ思いついてくださいました…です。
絹も麻も木綿も、糸にして布にして…と
ミクロ単位から体を覆うところまでですからねぇ。
ほんとにたいへんなんですけど、
つい見えないことは、忘れるんですよね。
する工程を考えた人ってスゴイですね。
それにしても、こんなに手間の掛かる
事を反物分するにはと考えるだけで、
気が遠くなります。
爽やかな麻の帯ですね。
本当にど真ん中のシミ、消えるといいですね。
少しずつ考えて作り上げて…
最初に考えたヒトってすごいですよね。
このしみ、自分で取れそうな気もするのですが、
ちょっと心配です。毛羽立っちゃったりね。
やっぱり聞いてみます。
同じ麻でも、西洋の麻は亜麻で、羊毛のように短い繊維を紡いで糸にするのです。
このやり方ならば羊毛や綿の紡績のように機械化できるのです。
日本には比較的古くから絹の文化が栄えていましたが、庶民にとっては高嶺の花。
やはり生活の上で植物繊維というのは欠かせないものだったと思います。
日本に古代から伝わる多くの自然布たちが、絹同様残っていってほしいものだと強く思います。
この麻は、現物を触りたい…という、
ただそれだけで購入したという、
とんでもない不遜なワタシ…なんです。
もったいないので、実際にやりたい方がいたら、
おおくりするんですが…。
カビはえてないでしょうねぇ…(こんなです)。
庶民の当たり前の布だった麻や科布や芭蕉布が
目の玉飛び出るほどお高い…。
なんだかなーです。
きちんと残したいものが、今からでもはじめたいものが
たくさんありますね。