パッと見たとき、むんずとハートを掴まれて…いゃーん、あたしんとこへきてぇ・・・と。
「着物予算」も考えずに買ってしまったキヨブタ価格。
いつもヤ○オクでも、ネットショップでも、着物でせいぜい3000円くらいの古着ばっかり見てるのに、
ときどきこういう「とんっでもないもの」とガツーンとであってしまう…。
でも、着物に限らず、バッグでも洋服でも、アクセでも「買いたい」と思う理由はいろいろあって、
たとえば「いい色だな」「好きな柄だわ」「ユニークなデザイン」「こういうの探してた」「もうひとつあってもいいかな」…。
でも、たまーに感じる「強烈な理由」…それが「ほかの人の手に渡したくない」…です。
この羽織はまさしくその「ダレにも渡したくない」でした。
いや、ちと派手ですけどね。でも着る気マンマンです。
さて、ゴタクはともかく、羽織のお話をいたしましょう。
シボのざらりとしたちりめん、しっとり重さがあります。
柄はほんとににぎやかな「お祭り」の柄。
お神輿が二基、船に乗っています。はて、ドコのお神輿なのか…。
私は関東ですから、まず思いついたのが、浅草三社祭りでした。「浅草神社」のことです。
やっと見つけた「絵」、これは江戸時代の「東方歳時記」という本に載っている絵「浅草三社祭り」ですが、
浅草神社には「三基」のみこしがあり、隅田川を使って、船にお神輿を載せてまわるんですね。
これを「船渡御」といいます。でも「船渡御」をするお祭りは日本各地にあります。
大阪の天神祭りも有名です。
あとはヒントになるのは「神紋」なんですが、実は浅草神社の神紋は、全国でも珍しい「三つ網干紋」、
見つけたのが漁師でしたからねぇ。そして大阪天満宮の神紋は「梅鉢」です。
この絵のお神輿には梅鉢がついていますし、ほかの旗にも梅鉢紋が見えます。
そのようなところから…こりゃ三社祭ではなく「大阪天満宮」の祭りであろうかと…。
大きな橋、お城、船渡御…江戸も大阪も、両方考えられるのですが、
もし「いえこれは…」という情報がありましたら、教えてください。
こちらが繰り返しのもうひとつの柄、
いずれにしても、細かいところまで鮮やかな色を使って描かれており、
かがり火が豪快に燃え、男たちはキモチをそろえて舟を漕ぐ…岸辺で見守る人々の歓声まできこえてきそうな…。
あのお祭りのなんともいえない高揚感が伝わってくるような絵です。
羽裏は、こんなかわいい御所人形です。
袖も長いですし、これだけの華やかな柄、若い女性のものであったと思いますが、それにしても縁起のいい柄です。
柄としてはハデではありますが、羽織ですし地の色がわりと落ち着いているので、着たいなと…。
それにしても…いやもう聞く側の皆様は「耳タコ」、言ってる私は「口タコ?」ですが、
イマドキは、もう見ない柄です。何で今はこういうのが…です。
今、浅草の船渡御は、行われていませんが、大阪はやっています。
いえ、三社祭は震災もあって、今年は中止。自粛、というより、警備体制などの問題ということですが、
来年は、東京のお祭りも、東北のお祭りも、少しずつでも復活してほしいですね。
お祭りの図ですね。
こまかく描かれた人々の姿に、見ている
こちらまで楽しくさせてくれますね。
ありがとうございます。
袖が長いのと、ちと身幅が…ははは。
いずれは仕立て直しと思いますが、
これは着たいです。
着物は焦げ茶系かなとか、
水の部分のブルーグレー系かなとか、
想像だけは、相変わらずタクマシク…です。
ほんとに賑々しいです。
あちこちこまかいところを見ていると、
お祭りの真ん中にいる気分です。
お祭りって、大事なんですよね。
今は大きなお祭りくらいしか残っていませんが、
地元でも昔のようにやってくれないものかと、
ひそかに思っています。