着物は体の面積のほとんどをおおってしまう大きな「衣服」です。
帯は、お腹のところだけですが、ちょうど真ん中から上、目立つところにかなりの幅でドーンと位置します。
しかも、和装というのはほとんど「柄 on 柄」、だからそれにプラスして付けるものは、
気をつけないと「みんなバラバラ」になってしまいます。
小物ひとつで、着物と帯の組み合わせの雰囲気がガラリと変わったり、
帯と着物だけなら、とてもいい組み合わせなのに、帯揚げと帯締めを合わせたらまとまりがなくなってしまう、
なんてこともあるんですね。侮れないのが小物です。
帯揚げ、帯締め、半衿は、お値段もピンキリ。最近はヤ○オクなどで、正絹ものでも安価なものがあります。
また自分で手作りすることもできますね。丸ぐけの帯締めの作り方、過去に載せました。
ヤ○オクなら安い、とはいっても10円20円ではないのですから、買ってどれとも合わなかったらもったいないです。
よく考えて、なぁんて言ってますが、つまりそれは私が「けっこうムダ」をしちゃっているから。
いいと思って買ったのに、結局使わないなんてのがあります。何事もけーけん…と言い訳。
トップ写真は、一昨日のコーデで使ったものです。
ひとつひとつご紹介します。赤いのは一色なので省略です。
下地は「ねずみの嫁入り帯」ですが、帯の色に合わせて、ということではありませんのでご了承ください。
白い帯締め、一本あると、濃い色の帯を明るく締めます。
色糸は松葉の形の刺繍で、組んでだしている柄ではありません。全体にソフトな色だけなので、
柔らかい印象です。ちょっとかしこまった感じの小紋なんかにも合うと思います。
お正月に江戸小紋なんか着て締めたらいいですね。
これは母から譲られたもので、もう40年は経っていますかねぇ。
途中に生成りが入っているだけのアッサリで、細目です。先も房がないタイプ。
カジュアルで細いので、色は赤いけれど全体に抑え目にしたい時など。
黒で、赤い小田巻の左右はめ込み、一応片側3個づつにしてありますが、
自由に動くので、左右で数を変えたり、くっつけたり離したりして遊べます。
かなり目立ちますから、着物も個性的なものか、紬なら帯締めだけ浮かないような濃い色系で。
帯締めってズラリと並んでいると目移りしますね。でも「見た目」だけで選ぶと、締める機会がなかったりします。
よくどんな色がいいか、なんて聞かれることがあるのですが、そんな難しい質問にこたえられますかいな。
強いて言うなら…お若い方で着物ビギナーの方は「朱色系」の帯締め帯揚げを一揃い持つと、
今時の渋い紬好みにも、小紋にもわりと合います。
少しずつ慣れてきたら「かわったもの」に目を移す…のはいいのですが、きをつけないと、の例がこちら。
細い組紐を何本か合わせたものは、よく見かけます。これも5本をまとめたものです。
入っている色糸の色も上品だし、あまり色の量も多くないので、あっさりめに使える…と思ったのですが。
締めるとこうなります。時間をかけて結び目の5本を、平にきちんと並べられたら、
もう少しスッキリかもしれませんが、かなりめんどくさい作業になります。
そして、2段で10本の細紐が、かえってゴチャついてうるさい印象になってしまいました。
ただのひもを集めてしばったみたい…これは失敗だと思っています。
帯締めで気をつけることは、ただ折りたたんで並んでいる状態と、締めたときの状態が違うこと。
帯締めは結んで両端を横に収めますから、房近いところは、前からはよく見えません。
もちろん、部分柄の帯締めは、ちゃんと結び目近くに柄がくるように組まれてはいますが、
例えば左右で色柄が変わるもの、半分だったり柄部分だけが違ったりします。
こちらは陽花様に組んでいただいた、私が特に大好きな一本です。
結ばずにおいてみると、紺の部分が長くて、全体の三分の二、くらいです。
柄の両端も紺のぼかしですし、色のあるところの分量は少なく見えます。
実際締めると、こんな感じになります。はっきり分かれますね。
結ばずに置いてある時と、印象が違うと思いませんか?
色の濃いものと薄いものが半分ずつのものや、片側が柄のものは、原則濃い方、柄のある方が
「自分の左側」にきます。今は少なくなりましたが、留袖用などの金銀の場合は「金」が自分の左、です。
私はだんだんお腹周りが太くなりましたので、最近は帯締めも「いよいよ長尺ものかな」なんて思っています。
昔の感覚で締めたら、あらっ帯締めの柄がこんなところに、なんてことが増えてきまして(T_T)。
売っているときは綺麗に折りたたんである帯締めですが、締めたときの感じを想像して選んでください。
こちらは帯揚げです。今回使ったものはぼかしの染め分け。
片側を使うので、帯枕を包んでから前で結ぶまで、ちょっと偏りますのでコツがいりますが、
一枚でいろいろに使えるので便利です。
もう一度出しますと、今回使用は、向かって左側のもの(下になっている方)です。
ややこしいですが、左の右側部分(今回使用)と更紗花柄の左部分は、同じようなこげ茶に見えますが、
実際には違います。更紗のものは「染工房 遊」様の作品。
使用したもののこげ茶部分、こちらです。
同じもので薄い方の茶はこんな色。少し薄い感じです。実際にははっきり違います。
そして通常のように真ん中を使うと、ぼかしが入ってこんな感じ。
更に「花柄」のはいっている方、更紗の花柄部分のみを出しました。
こちらが茶色の部分
真ん中を使うとこんなです。
一枚で三度おいしい…グリコよりすごい?です。
私は帯揚げには、柄の入ったものはあまり使いませんが、それはもちろんお好みです。
もっといろいろ書きたかったのですが、今日もまた時間切れです。
小物のお話、またいずれ…。
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