すみません、暑っ苦しい羽織です。
これは縫い取りお召し、しかも漆糸、凝った模様で、けっこういいものです。
御簾が風にふわりとゆれているところと、細かい橘を配しています。
がらとしてもけっこう大胆でかつ細かい・・。
色糸は三色でなんと赤、黄、緑・・信号機ですわ、まるで・・。
黄色はしずんでいてはっきりしませんが、赤と緑ははっきりしています。
地色は黒なのですが、写真が白っぽくなってましてすみません。
こんな感じ・・・、
今、まだちまちまと片付けてまして、ちゃんと袖を広げた
全体写真をのせられなくてすみません。いずれHPのほうでと思っていますが、
とにかく、けっこう立派な見栄えのする羽織です。三つ紋入り。
ただしこの羽織、これだけの逸品なもんで?やたらと重いのです。
肩にかけるとズシリと重さがかかります。肩こりそう・・。
えー、話題はガラッと変わりますが、昨日の「若かりしとんぼ」に
皆様、暖かいお言葉をお送りくださいまして、ありがとうございます。
ただ、今は見る影もなく面がわりしておりますので、
もし今後、実物のとんぼと会うことがあった場合「サギだ」といわないで下さい。
あったんですよ、あんな頃も・・それがどーするとこーなる・・あ、いやえっと、
実は、コメントにも書きましたが、ちゃんとした日本髪ではありませんで、
確か「結い綿風」に結ってもらいました。
中学のころから成人式の頃まで、毎年お正月には結ってまして、
当たり前のように、おおみそかになると、近くの美容院に行ってました。
あの着物は中学3年のときにつくってもらったウールです。
とんぼの母は京都の片田舎、長岡京のあったところ・・の出身なのですが、
女学校の友人に、祇園の置きやさんの娘さんがいたそうで、
私が三つのときに、祖母の葬儀で里帰りしたとき、
せっかくだからと錦小路に住んでいた友人と「祇園」に行ったのだそうです。
すると、その置きやの「おかあはん」が「かいらし子(かわいらしい子)やなー、
いちまはん(市松人形)みたいやんか、置いていきよし、
えぇ舞妓ちゃんにしたるし、売れっ妓になるぇ」といったのだそうです。
実は当時、我が家の家計は火の車、親の葬式に戻るのも借金して・・
という有様だったそうで、母は美しい着物を着てあでやかに暮らしている
舞妓ちゃんたちを見て、一瞬「置いていこうか」と思ったそうです。
それでも、舞妓というものがどんなに厳しい世界か知っていましたので、
「いやいやそれはご勘弁を」と、連れ帰ったのだそうですが、
後年「あの時置いてこなくて良かった」と申しました。
私は「そうだよねぇ離ればなれになっちゃうし、
おかあちゃん寂しい思いしたろうからねぇ」といったら、
「いーや、おまえ置いてってもその顔じゃ『売れっ妓』にはならなかった、
うれない舞妓なんて、みじめだしー」・・理由はそれかいっ!
というわけで、舞妓になりそこねた「腹いせ」に?
毎年髪を結っていたのか、結わされていたのか・・。
いずれにしても、私の記憶は「髪を結ったときは必ず、
夜、コタツで突っ伏して寝なきゃならなかったつらいつらい三が日」・・。
今日はすみません、ちょっと時間がありませんで、
今日ついた「古布」のご紹介でシメとさせていただきます。
こちらの布、いわゆる「江戸ちり」とよばれるものです。
大きな木、そこにとんでこようとしている鳥、なかなか大胆な構図です。
墨絵っぽい色使いで悠々とそびえる木々を描いています。
これだけ見ていると、訪問着の裾模様・・と見えるのですが、
実はこれ「小紋柄」、このすぐ上には、別の木がさかさまに入っています。
ついでのことに、この木の大きさはこちら・・・。
ちっこいんです。おくみ一枚分しかありませーん。
でも、これで着物だったらちょっとジミハデ?
色目はもう少し紫を含んだグレーです。
コレが着物で残っていたら、どんなに素敵だったかと思います。
今はこういう意匠がないのは、どうしてでしょう。
本日は申し訳ありませんがショートショートで失礼します。
いっそがしーんですわぁ・・要領わるいもんで・・。
今日できることは明日にのばすな・・っていいますよねぇ、
私「今日できることも三日先に延ばそ~」ってやってるもんで。
追記 : 昨日「朝顔」と紹介いたしました着物の柄につきまして「夕顔」のように見える・・というご指摘がありました。ブログを書く前に、一応「夕顔」についても写真を調べたのですが、私の見たのは「かんぴょう」をとるための花でして、梅のように花びらが丸く、またこういったものについては「変化種」は作られないであろうと思い、あの着物の出品者様のご意向もくんで「朝顔」と紹介いたしました。しかし、ご指摘を受けまして、再度「夕顔」の写真をさがしましたところ、葉などもあの絵とよく似た写真を見つけました。したがってこれは「夕顔」である可能性が高いと思われます。専門家ではありませんので、一目みて「朝顔・夕顔」と区別がつけられませんので、まちがっておりましたらお許しください。昨日綴りました「朝顔」についてのおしゃべりは、まぁ名前つながりで「遠いしんせき」のお話を書いたということで、ご了承ください。ちなみに「朝顔」と「夕顔」は、名前がにているだけで、まったく別種類です。
追記の追記・・・書き忘れました。ここでいう夕顔、つまり昨日ご指摘のあった「夕顔」ですが「呼び名」ということで、本来は「ヨルガオ」のことです。ややっこしいですね。
「女って生き方に挑戦!」というブログを書いてます。正直私は着物の知識がないのですが、色使いや絵柄はとても興味があります。
以前は絵の勉強もしていましたが、今は趣味なのでこういったお着物の紹介にはすごく惹かれました。もしよろしければリンク張らせてくださいね~
いらっしゃいませ。着物の色使いや模様は、ほんとに奥が深いです。私のところは「古いもの」中心ですので、今はもうないような色柄が多く、めずらしいものや笑っちゃう柄もありますので、お楽しみください。リンクよろしくお願い致します。私のほうもブックマークさせていただきます。
この大きな木の絵、この色、柄で小紋なんて
本当に地味なのか派手なのか首をかしげて
しまいますね。
暑苦しい羽織もネーミングに笑いました。確かに、この2~3日暑いので重くてこってり柄の羽織だと見るだけで体感温度があがりそうです。
舞妓さんの世界は表は華やかだけど裏は厳しいとは良く聞きますよね。誘われた時に止めてくれたお母様に感謝ですね
そうなんですよ、着物だったときをぜひ
見たかったです。どんな人が着てたんでしょうね。
一枚の布からいろんな思いが広がります。
Fujipi様
まだ少し布力がありましたから、
たぶん分散してしまったのではないかと思います。
残念ですねぇ。せめて身頃分ほしかったです。
舞妓さんは、ほんとにタイヘンなんですよね。
昔とはいろいろ「システム」がかわった部分も
ありますが、母はいつも「バイト感覚でなんぞ
ゼッタイでけへん、一流になるためには
蔭の苦労は血の涙流す、ゆうねんで」と
言っていました。とんぼはきっと逃げ帰ったです!
よかった。 そそっかしくて、すみません。
それにしても、木立の柄、いいですね~
復刻プリントなんて、どーでしょ。 うふ♪
いえいえ、いろいろ勉強になりました。
木立柄、ふっこくぷりんと・・っとメモメモ・・。
百福様
ほんとにゼータクです。光ってしまって
白っ茶けてますが、つやつやの黒地、
きっとえーとこのお嬢様のでしょうね。