トップ写真は、表地の羽織です。キンキラリンです。
「誰が袖」柄の羽裏です。
この柄の着物は持っていないのですが、今もし「留袖」とか「訪問着」を、誂えていい…
なぁんてユメのようなことをいわれたら、誰が袖柄にしたいものだと思っています。
一柄の並びはこんなです。
「誰が袖」は「誰袖」とも書きますが「誰かの小袖」…つまり着物のことです。
古今集に出てくる…とよく言われますが、もともと小袖のことでしたが「匂い袋」の別称になりました。
平安時代から、日本では「香り」というものを大切にしてきました。
外国は香水ですが、日本は「香」を焚き染める方法。
まぁこれを言うと興ざめですが、フランスなどでも「体臭消し」の目的もあったといわれています。
生活習慣や食生活も違う日本人は、さほど体臭は強くなかったかもですが、なにしろ洗髪とか入浴とかが、
今とは違いますからねぇ…。汗臭いとか、垢じみてとか、いまよりずっとアタリマエだったと思います。
あぁ、なんかシラケますね、すみません。
とりあえず、そうやって「香」を焚いていたものが、やがて「小さな袋に入れて袂に入れる」など、
「匂い袋」というカタチになりました。この「匂い袋」のことを「誰が袖」と言ったわけです。
柄においては「誰が袖柄」といえば、この羽裏のように、衣桁に美しい小袖がかけられているもの。
これはたくさん掛かっていますが、一枚だけ大きくかけて屏風などに作られもしました。
また三本足で、角が丸くカットされている棚、最近のコーナー用家具みたいなかんじですね、
ああいう感じのものを「誰が袖棚」といいました。お茶室などで使われたそうです。
袖、というのは、奈良の昔は手より長いもので、それをたくし上げていたわけですが、
袖を振る…というのは、自分の思いを伝えることでもあり、魂を振るということでもありました。
大切なものだったのですね。
着物の形の変遷から、江戸前までは船底型だけで袖の長いものはありませんでしたが、
だんだん振袖になっていったわけです。長い袖は着物にすると本当に豪華ですよね。
ちなみにいつも言っておりますが、小袖は小さい袖、ではなくて、
手首がつまっていて手がでるだけの袖口のもの。対して袖口がフルオープンなのが十二単などの「広袖」です。
「大袖」とも言います。
さて、この「誰が袖」、どんな小袖が掛かっているかと申しますと…
通常「誰が袖」と呼ばれる着物のかけ方はこちら。波頭柄の着物。
衣桁の間には巻物や硯箱が置かれています。
こちらの方、上の段は追っかけのカタチで重ねてあるのでしょうか。
左下の着物、好きだわー。
ぽんぽんとたたんでならべてあるもの。
縞はちょっとイレギュラーですが、きれいだからいいっ!
「誰が袖」柄と言うのは、一枚の着物の中で、いろんな柄が楽しめる「ゼータク柄」ですねぇ。
さて、この表地なんですが、もう一度出します。黒地の一つ紋羽織です。
「金糸入りの変わり膨れ織」…というややこしい地でして、これがキラキラひかっちゃうわ、
ズームすると赤黒くなっちゃうわで、うまく出ないのですが地は花柄。
よく見えないんですけれど、真ん中の下が「花一個分」です。
膨れているところは、黒一色ですが、下地が金糸たっぷり…。
ご想像どおり「地厚」でふわふわでして、羽織の衿の真後ろ、どうしてもきれいに折れてくれなかったのでしょう、
わざわざスナップでとめるようになっていました。仕立てもさぞかし縫いにくかったろうと思います。
さっさと解きましたが、これはかえって着物用のストールなんかの方がいいんじゃないかと思います。
地厚のわりにはシナッとしていますし。
背の低い方だったらしく、返しが多くて羽裏ケチってる??ので少し羽裏も短めです。
それでも、キラリンがあるとしてもこんな黒の一つ紋羽織を、さっと脱いだらこの羽裏…。
オシャレだなぁと、思います。
残念ながら、シミや薄汚れなどもあるのですが、元々羽裏ですから少しくらいダメージあっても…で、
一応自分で洗ったのですが、いずれプロに頼んで、折り線の黒いのを少しでも薄くしてもらおうかと…。
羽裏ばっかりいろいろ集めても、オモテにする羽織を作る予定がない…というより「作れない」…。
まっそのうちね…という羽裏が何枚あることか。
余談ですが…ただいま雪が降っております。大きなぼたん雪…。
これって積もりにくいカわりに水気が多くてシャーベットみたいになって、夜になると凍結するんですよね。
坂道だらけのこのあたり、事故がないようにと祈っています。
あたしは一歩も出たくないっ!
ありがとうございます。
雪予報が出ていましたから、もう冬ごもりを
決め込んでました。
乾燥がひどかったので、水ッ気はありがたいですが、
寒いのはいやですねぇ。
おでかけ、くれぐれも気をつけてください。
明日はゼッタイ「凍結」ですから。
実物は、キラキラが押さえられていて、ほんとにステキです。
お祝いごと専用でしょうから、贅沢な羽織ですよね。
雪は幸い。長時間の割には水気が多かったので、積もりませんでした。
ただ、朝は凍結しますね。外、出るの怖いです。
雪で…。
明日どうしても外出で、なんなんかなぁ。
完全装備で行きます!
とんぼさんも、小とんぼさんも、おだいじに。
表地は本当に変わった織り方ですね。
紋入りで金糸も織り込んであるという事は
御目出度い時用の、贅沢な羽織だったので
しょうね。
雪予報が出ていましたが、やはり予報どおり
降りましたか。
積もったり凍ったりしなければいいですね。