母のことで、着物からは離れておりました。
ここにもう一度、皆様の暖かいメッセージの全てに、心から感謝申し上げます。
母は基本「ネガティブ」思考の人でしたが、生き方は前向きでした。
奮い立たせて前に行く…私ももたついていたら、きっと叱られますので、
今日からは本来のブログに戻ります。
あっ福祉とか、今度は母のことで勉強しましたので仏事のことなどのお話しは、
これからも時々書かせていただきます。
さて、復帰一回目のお話しは、またしても「羽裏」…。
毎年12月は「赤穂浪士」モノのあれこれをアップするのですが、
今年は取り込みごとにぶつかってしまいましたので、パスになりました。
代わりといってはなんですが「江戸の風景」羽裏です。
全体はこちら。羽裏いっぱいに描かれています。
大きな橋の上、いろんな人が歩いていますね。
とうやら太鼓橋のようです。橋板の一枚ずつに別の足掛けのような木がはいってます。
どこの橋でしょう。大きな松の枝が橋を越えていて、橋げたに添わせた支柱にしばりつけてあります。
なんかこういう橋を、絵でみたことがあるよーなないよーな・・・。
羽裏の図柄には名前が入っていたりすることも多いのですが、コレには何もありません。
よくある「ほんとは誰かの有名な浮世絵」の写しもどきかどうかも、ちょっと分かりません。
こういう絵、ありましたかねぇ。何か物語があるのかしらん…ご存知のかた教えてください。
橋の手すりには「擬宝珠(ぎぼうしゅ・ぎぼうし・ぎぼし)」とよばれるタマネギのような飾りがついています。
橋の「格」といいますか、大きさとか、その橋の重要度などをあらわすといわれています。
江戸の町では、擬宝珠のついた橋は「日本橋・新橋・京橋」だったといわれています。
なるほど「拠点」となったり、商業や運送の要だったりする場所ですね
渡っている人たちを観察するのがまたおもしろい…。
子供は嬉しくてらんかんに足をかけようと…母親は 「これおやめ…」とでも言っているのでしょうか。
そういいつつも、自身は手すりにすがり、橋板の足がかりを踏みしめてこわごわですねぇ。
足元見てください。子供の履物にも女性の履物にも、赤い紐がついています。
わらじではなく、普通の履物に紐を結んで脱げにくくしたもの。
つまり、ちょっとした「遠出」かなと思います。
こちらのお嬢さん、なんか今にも飛び込みそうな…いえいえ足元を見ると前に進んでいるようです。
登りにくい太鼓橋を手すりにすがって登りながら、ちょっとアタリの景色もながめているのでしょうか。
紋付の絵羽振袖、いい着物を着てますね。角隠しをしていますがお嫁さんではありません。
このころの角隠しは今の「フードや帽子」と同じ、ちりよけです。
手前の娘さんと丸髷の女性は親子連れというより、お嬢さんとお供のようですね。
お供のかた傘を二本持っています。上の子連れの女性もさしているところを見ると日傘でしょうね。
それにしても後ろの女性、なぜに片肌脱ぎ?
こちらちょっと眠そうなお侍さん、お仕事帰りですかねぇ、突っかかってコケないように…。
お供の男性は奴のような着物ですが、下は短い袴のようです。足軽でしょう。
この「足軽」「中間」「小者」というのは、テレビの時代劇などではごちゃ混ぜですが、
実際には「足軽」は武士扱いです。このことについては「中間」などのことと一緒に書いていますので
よろしかったら過去記事をご覧ください。
その右側の女性も子供連れ。羽裏の浮世絵というと、美人画が多いのですが、
こんなふうに日常の風景を切り取ったようなもの、私けっこう好きです。
しっかし…はい毎度のグチです、ご唱和くださいまし「こういう柄、なんで今はないのよぉぉぉ」。
橋は異界への入り口、とも言われています。
橋を渡るときに強い嫉妬の思いを抱いて立ち止まれば、橋姫に捕まるとか…こわやこわや…。
さて、討ち入りはおわってしまいましたが、なんでも「田村正和」さんで「忠臣蔵」を放送するそうで…。
最近は忠臣蔵も「裏話」とか、サイドストーリーみたいなのが多いですが、これは「正統派」のようです。
似合うかなぁ…年齢は十分いってますが、白髪やシワの似合わないひとですからねぇ。
前かがみで両手を合わせながら「えぇぇぇもうひとつだけお伺いしたいんですけどねぇ、アナタ吉良さん?」
「彼のことは最初からちょっと気になってましてねぇ…おおいしくらのすけでした」なーんてやるわけありませんね。
あれこれお休みしているうちに、今年もあと10日ほどになってました。
クリスマスも今年はまだだしていません。
お正月ナシだし、やっぱりツリーくらいはだしますかねぇ…。
角かくしについては、過去記事の2006.2.13
http://blog.goo.ne.jp/tombo624/e/27d56c58d33c0a647f17fe02054d3e89
で詳しくかいています。
元々ホンモノの真綿を引き伸ばして、前のまげから上に
かぶっていたものです。
海ッぷちの江戸の町は、舗装もない時代だし
ホコリがひどかったんだそうですよ。
だから湯屋もはやったんでしょうね。
着物と暮らしは密接しているわけで、
そういうこともおもしろい事実です。
ほんとに帯の締め方とか着物の柄とか、うなずけますよね。
帯締めしてるのかなぁなんて、着物をめくって
見てみたくなります。
ご心配ありがとうございます。
お通夜のパンプスのおかけで、今頃筋肉痛です。
ゲタ草履なら、ゼッタイこんなことない!
こういう柄って楽しいですよね。
細かいところまでしげしげ眺めてます。
みんなそれぞれ偶然この橋の上でであってすれ違う、
それぞれの物語まで、考えたくなりますね。
角かくしがちりよけって初めて聞きました。
時代劇で手ぬぐいをわたぼうしみたいにして掃除してるのは見た事ありますが、、、
教えていただけなかったら、祝言から逃げてきた花嫁さんかと思ったかも^^;
立て矢だったり角だしだったり・・・
帯締めはしているなかなぁと気になる
いい柄ですね。
という、良い図柄の羽裏ですねぇ・・・惚れ惚れ。
江戸の絵は大好きなのですが、なかなか良い物はないですよねぇ。
この羽裏に描かれている人たちって、装束も動きも、何よりも表情が豊かで面白いです。
見ているとそれぞれの人に物語がある・・・そんな気になります。
色々なこと、本当にお疲れ様でした。
忙しさから開放されると、改めて淋しさを感じたりするようです。
どうぞ引き続き、ご自愛お忘れなく~。