ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

怒ってばかりもいられない…

2010-06-10 10:57:43 | 介護・福祉
カリカリきてても…なのでせめてお花の写真を…。


すぐそばにいながら何もしてあげられない負い目…しんどいっす。
それなら私にできることを…と思い、昨日の「紹介状」の件、
まずA病院に電話しました。
事務局の男性、ありがたいことにとても丁寧で親切な方でした。

まず、母が17年前からお世話になっていたこと。
認知症の発症やケガで通院が困難になり、介護制度による「訪問診療」を受けるため
A病院から紹介状をもらって近くのクリニックにかわったこと。
その後今年になって、カリウム不足症状の精密検査のため、また紹介状でA病院に行ったこと、
現在その状態だが、今度は在宅で点滴の必要もでてきたため、訪問診療、往診可能にするため、
もう一度クリニックに紹介状を書いてほしいこと。
しかし、父が介護のため、長時間家を空けられないこと。

ここまで説明しまして「そういう場合は、父が委任状を書けば第三者でも、
紹介状をもらいに行くことはできますか?」とお聞きしました。
結果的に答えは「YES」でした。

でも簡単にいいでーすよーでは、もちろんありませんでした。
まず、母がずっと長くかかっていることは、あちらはパソコンの画面を見ながら
確認していたようです。母の名前等の情報を言うと
「あぁ、長くかかっておられますね」とすぐに言われました。
そしてこちらのさまざまな説明で、最初は「OK」、といったのに、
「最後にこちらで診察を受けたのは?」といわれたので、カリウムの検査は今年の初めだというと、
「間が開きすぎているから、やはりご本人にきていただいて医師が様子をみないと…」。

ばーさん足腰立たない寝たきりさんになってるんですけど…。
ついでにケアマネさんは「本人はいいです、お父さんが代理で」と言ったんですけど。
「とても本人は行かれませんし、介護している父も高齢で…」と、
またあれこれ説明していると「あ、今月も薬を取りにこられてますね」、
えぇ毎月「父」がいってますがな。
「それなら大丈夫です」…母は検査以来一度も行ってません。
投薬のみの場合は、受診しませんので医師には会いません。
「かかっている」というのは、要するに「日付上」のことなのですよね。
まぁその「記録」のおかげで「それでしたら、いいですよ」になったのですが…。
これってどうよ…です。

とりあえず「大丈夫でしょう」(まだまだ行ってみなけりゃわからない…デス)と
お返事を戴いたので、今度はケアマネさんに電話をして
委任状で第三者が取りに行ってももいいと許可をもらったので、
ケアマネさん行っていただけますか、と言いましたら、
ちょっと間が空きました。きっとそうなるとは思わなかったのではないでしょうか。
「まぁいろいろしていただいて、すみません」と…。
考えたら本来「これが老人福祉の仕事」じゃないかという気がします。
結局、指定の曜日はご本人が都合が悪いというので、
食い下がって「母の担当のケアマネさんでなければいけませんか?
ダメならヘルパーさんをお願いしたいんですが」というと、
介護保険内では使えない…もし頼む場合にはお金がかかる…。
以前から、両親は確かに年金ぐらしだげど、贅沢しているわけじゃないから、
母のためなら金額的に出るのはいとわない…といってあります。
「お金はかまいません、両親が払えなければ私が払いますから」…。
これで、あちらは「自分はいかれないけれど、必ず誰かいかれるようにします」
と、言ってくださいました。

やっと父に電話できました。昨日は弱気になって涙を見せていましたが、
今日の声はけっこう明るくなってました。
全部話すと「あぁ行ってもらえるならありがたい、よかった~~」と言ってました。
私、父に言いました
「じーちゃん、私たちは大して社会のお役には立ってないかもしれないけれど、
 税金納めるとか、ゴミをちゃんと出すとか、交通法規を守るとか、
 毎日ちゃんと義務を果たして暮らしてる。だから使える権利は全て使えばいい。
 それがゴリ押しやクレーマーじゃいけないけど、できるだけやってもここまでだと、
 きちんと言うことは必要だよ」と。
父は「そうだな、いっしょけんめやってるもんな」と言ってました。

私はすぐそばに暮らしていながら、実際にトイレの世話も、飲食の心配も
変わりに病院にいくことも、なかなかしてやれません。
こんな親不孝な娘にできることは、情報の収集と方法の検索、電話での交渉、そんなもんです。
できることはやる、できないことはできない、これをきちんと把握しないと、
長期の介護は続きません。今日なんとかムリをして足をひきずって行ったりしたことが
あとになって、自分にもどってきます。

私は障害者の介護は長いですが、老人介護は、母が初めてです。
いえ、やっているのではなく間近で見るのは、ですね。
息子と母親とのかかわりの中で、ずっと感じてきたのは「血の通わない行政」です。
そして本人には悪気はないと思うのですが「マニュアル」があると、
それにとらわれて「だめなんですよね」と言う現場のヒトたちです。
私はごまかしや、ゴリ押しは嫌いですから、こうしなきゃだめです、といわれて、
ムダにあちこち行ったり、何度も同じことのために足を運んだり、
主人の会社にお願いして何度も書類をだしていただいたり…。
あげく係の職員が違っただけで「あ、これはいりません」なんていわれたり…。
そんなことをたくさん経験してきました。
役所の仕事の相手は「人間」です。障害でも病気でも、10人いれば10人、
100人いれば100人、その症状や状態、家庭の事情は、みんな違います。
マニュアルは「こうでなければならない」というものではなく、
「原則」だと思います。そのなかでどれだけ融通できるか、考えてほしいものです。
規則や規定を破りたいとはおもわなくても、そうしなければ介護を続けられない、
これってやりたくないことをやらせるのは行政ってことだと思います。

父にこうも言いました。
「じーちゃん、介護は、それをプロとしてやっているヒトは『ベスト』が目標、
 だけど家族でやっていくには目指すのは『ベター』だよ」と。
私のベターはレベル低いけど、それなりにがんばろうと思っています。
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14 コメント

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いろいろ・・・ (とうこ)
2010-06-10 12:45:36
大変ですね。
私も、父の介護は母がしてくれ、
とんぼさんと同じ状況でした。
訪問看護の町のお医者さんは、
とてもよくしてくださり、
ありがたかったです。
入院の時には、高速を車で飛ばして、
45分。通いました。
母も同じ先生でしたが、
入院をやむなくなって、大きい病院に入院。
それも何ヶ月か、通いました。
ですから、トンボさんのご苦労に比べれば、
たいしたことが無かったのですが、
とんぼさんのお気持ちのわずかですが、
わかります。
返信する
リアルでした。 (えみこ)
2010-06-10 13:05:33
我が身にふりかかってみて、福祉を受けるために障害を負っていられない…なんて冗談じゃないような精神力をつかいました。
とんぼさんのような第三者がいてよかったなぁと思います。
参考になりました。
ありがとうございます。
返信する
Unknown (ゆん)
2010-06-10 19:39:07
…とてもリアルです。身につまされたりします…。

病院もそうですが、うちのような不便な山暮らしだと、おカネの出し入れも同じくらい腹立たしいんですよぅ

 〒配達の方が預貯金を都合してくれてたのが、不可能になって以来、山奥の車のないお年寄りは もう大変!!代理人はいちいちサインして証明しなきゃならないし…。
 何でも たらいまわしですね。

とんぼさんもご家族の皆さんもどうぞお大事に…。
返信する
とりあえず (ちっく)
2010-06-10 20:03:57
紹介状を代理人でも手に入れられる運びになって
良かったですね~。

私も父母がだんだん年を経て
言動が怪しくなったりするのを、今、まさに
体感しています。

でも順番に歳をとっていくのですもの
今から「こんなもん」と見聞きして心積もりして
おこうと思いました。

御家族様、不安定な気候をどうか乗り切って
お大事にしてくださいね。
返信する
Unknown (陽花)
2010-06-10 22:11:55
どうしてこう、ややこしいシステムに
するんでしょうか。
弱者にやさしい福祉には程遠いですね。

マニュアルに無い事をする、それが
タブーになっている間は進歩が無い
でしょうね。現場にいる人もしてあげたい
けれど、決まり事だから・・・と思って
いる人もいるとは思いますが、本当に
歯がゆい限りですね。
返信する
それでも前進して...。 (akkomam)
2010-06-10 23:10:08
 これだけ道すじを通して電話をかけて
 交渉できる人はいったい何人いるのでしょう。
 まして、老老介護が多い現在、わからぬままに
 不自由を余儀なくされている方が多いのでは。

 介護保険制度ができて、年金のなかから
 きちんとひいていただいていますが、
 これは病んだときに...と思えばこそで
 安心していました。

 でも、それ以外にもこんなに大変なことがあるとは、
 自分で今は心していても、そのときに明確に
 覚えているわけはありません。

 行政のほうもいろいろ制約があるなら、きちんと
 説明と行動のとり方と何故そうなのかを
 あきらかにしてくれることを切に望みます。

 でも、とんぼさん、一歩前進できましたね、
 よかったです。お母様、お大事に。
返信する
うーーー (りら)
2010-06-11 11:36:43
昨日から拝読してまして、頭の悪い私などには、何処がどうなってんのや!っと・・・
いえいえ、とんぼさんの書き方では有りません、システムがです。
これ、当事者でいながら、本当にワケが判らなくなって困っている人たちもたくさんいるのではないでしょうか?

何もできないと仰ってますが、とんでもないです~。
こうやって、キチンと相手側と話ができる人がいるというのは、とても大事なことだと思います。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-11 20:51:14
とうこ様

どんなカタチであっても、親が弱れば、
子供はきになってしかたがないものです。
せめて公的に安心していられたらと
おもうのですけれどねぇ…。
年寄りが生きにくい国なんて…と思います。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-11 20:53:04
えみこ様

全部が全部ではありませんが、
役所関係のヒトでも、まるで自分が「やってやってる」
という態度のヒトは、ドコにもいます。
情けないですよね。
どうしたって強くなっちゃいますね。
がんばってくださいね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-11 20:55:33
ゆん様

大きな家に住んで、いい服着て、
お手伝いさんやとって…。
そんな暮らししかしたことないひとに、
「不便」なんてことは、わかりゃしませんよ。
いっぺん自分で手続きしてみろって…。
私もがんばりまっす。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-11 20:57:55
ちっく様

ご心配いいただき、ありがとうございます。
行政のことは、積極的に知ろうとしないと、
損することばかりです。
賢くならなきゃと思っていますが、
こんなことしなきゃならないほうが、
おかしいのですよね。
長寿国なんていわれてますが、
日本全国姥捨て山状態じゃねぇ。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-11 20:59:49
陽花様

そうなんですよ、なんでこんなにややこしくするのか。
それでいてきめ細かくしてほしいところは、
おおざさっぱなんですよ。
なんだかへんなものにだけ縛られていて、
ちとも文化的じゃない気がします。
少しずつでもよくなってもらいたいものです。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-11 21:04:04
akkomam様

その場になってみないとわからない…です。
ほんとに「安心」なんて見掛け倒し、
あれっ?とおもうことばかりです。
8年前でしたか「措置から選択へ」という
キャッチフレーズで、支援制度が始まってから、
福祉関係は「いってきたらやってやる」になりました。
知らないと損することばかりです。

ご心配ありがとうございます。
なんとか少しずつ、先に進んでいこうと思います。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-11 21:06:57
りら様

ほんとに「うっかり」できないです。
へんな国ですわ。
父などを見ても「役所がそういうのなら」
みたいなところあります。
ムリもないと思いますよ。いままでそうやって
暮らしてきたのですから。
ほんとに「しょうがない」のかどうか、
言いなりにならずに考えていかないとです。
アタシ、いやみな年寄りになりそーで…!?
返信する

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