ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

ちと腹立たしくて…

2010-06-09 20:18:41 | 介護・福祉
ひらったく言えば「かかりつけのお医者さん」、今はホームドクターと言いますかね。
私が子供のころ、ちょっと離れていましたが、評判のいい内科のお医者さんがいまして、
カゼひいたのおなか壊したのといっては、お世話になっていました。
いわゆる「町医者」と呼ばれるお医者さんですね。
動けないようなときには往診してくれました。

今でも往診はありますが、医師によっては「していない」ところガが増えました。
だいたい、何でもかんでも「大病院」になったのは、いつのころからでしょうか。
私が住んでいた船橋には、けっこう有名な「船橋市立医療センター」がありました。
船橋にはいい制度があって、たとえば誰かが個人医院の医師の診察を受けて、
これは精密検査をしたほうがいい、と判断されたとします。
でも、個人医院ではできる検査が限られます。
通常はその医師が紹介状を書いて、大きな病院に行かせる場合が多いわけですが、
船橋の医療センターでは、その個人の医師が手続きをとることで、
その医師自身が患者を連れて、医療センターの検査機材を使って検査することができました。
いまになって、あれはいい制度だなぁと思っています。

ソレというのも…今回まためんどくさいことになったもので…。
母のことですが、ややこしい話しです。
まず、母は10数年前、あるいきさつからA病院(大きな病院)のB医師が主治医となって、
投薬とたまに検査をしてもらうようになり、元気なころは父に送られて、自分で通院していました。

そうこうするうちに、別の病院で認知症と診断されましたが、
それでもまだ普通に暮らしていました。そして2年前に背骨の圧迫骨折をおこしたことで
数ヶ月寝付くことになり、その際「介護制度」というものと初めて関わったわけです。
ケアマネさんとか、訪問看護とか、ギャッジベッド、ポータブルトイレのレンタルとか…。
そのうち母の状態がいろいろあって、病院へ行くのが難しくなってきました。
ケアマネさんに相談したところ、家の近くのCクリニックが、
介護制度に関わっている病院で、そこの先生は「往診」もしてくれる…とのこと。
近くて規模の小さいこちらに移っては…ということになり、
A病院でCクリニック宛の紹介状を書いてもらい、
今度はD医師が、主治医ということになってそちらに通うようになりました。
薬もいろいろ整理して出しなおしてもらい、診察や簡単な検査程度なら、
Cクリニックでやってもらえるようになりました。
確かに待ち時間はありますが、大きな病院ほどではありませんし、
実家からも車で5分とかからないため、父の負担も減りました。
訪問診療もなんどかお世話になっています。

ところが、今年に入っての体調不良で、検査したところ、
例のカリウム不足…などが始まったわけです。
医学的なことはわかりませんが、カリウムの不足というのは、
心臓疾患のある患者にとっては重要なことですので、CクリニックのD主治医は、
「一度これこれこういう精密検査をしてもらうように」と、
またA病院への紹介状を出しました。
その結果いろいろ細かいことがわかり、改めて今までの持病に合わせての薬の処方や、
日常の注意点などの説明があったわけです。
その後、父が何回か薬をもらいに行ったのですが、A病院だ、というのを聞いて、
何か経過を見るとか、そういうことのためなのだろうと思っていました。

ところが、先日母がわき腹の痛みを訴え、すわって食事をするのがつらいと
そういう状態になりました。(実際には単にちょっと筋を痛めた程度で大丈夫でした)
それはなんとかすんだのですが、すっかり体力も落ち、食欲なども低迷、
水分不足などもありましたので、ケアマネさんと訪問看護士さんの来訪時に、
ちょっとそういう話を致しました。
幸いまだまだアタマもあがらないとか、そういう状態ではないのですが、
これから暑くなってきますし、飲むだけでの水分摂取不足とか、
場合によっては点滴栄養など、そういうことをしてもらうには
「往診」してもらわねばなりません。
「オネガイできますよね」といったところ「できますが、また紹介状を」というのです。

つまり…
「通うのがタイヘンだから、A病院からCクリニックに替えた。
 そのときA病院のB医師からCクリニックのD医師に紹介状を書いた」
「カリウム不足の精密検査のため、CクリニックのD医師が、
 A病院のB医師に紹介状を書いた」
ここで「主治医の交代がなされた」というのです。
つまり母は、その時点でまたA病院のB医師の患者に戻ったということです。
だから、また「CクリニックのD医師にかかりつけになってもらうためには、
もう一度A病院のB医師の紹介状がいる」というのです。

このままでは何かあったときもD医師の往診はできない…というわけです。
ついでに訪問看護士も、D医師の指示書がないと動けない…。
なんなんですか、この制度…。
たとえば個人的に周囲の医院を探して往診を頼むと、それは国民健康保険扱いですから、
いわゆる「介護制度」のシステムは使えない…というわけです。
それでもかまわないと思い、ネットで「往診してくれるところ」、
「在宅医療に積極的なところ」を探しましたが、これが少ないのです。
気持ちはあっても、往診するにはちと遠いとか…。
まだ検索を続けていますが…。

今、父は長時間家を空けられません。
私がかわりにいくとか留守番をすることは可能ですが
ウチも今息子は週に2回ほどしか施設に通えない状況で、約束というものができません。
しかも担当医師の診察日は水曜日と決められています。
薬の投与だけですと決まったものなので、父も待たずにもらえるのですが、
紹介状となると、本人を連れて行かなくてもいいものの、父が医師に会わねばならず、
普通の診療のように、長時間も待たねばならないのです。
もちろん、たとえばその間、ヘルパーさんに母の保護を頼むなどの処置は取れますが、
たった一通の紹介状のために、どうしてそういうややこしいことをしなければならないのでしょう。
しかも「紹介状」はその日に出るとは限らない…。

クリニックではできない検査だから…というのなら、その検査だけのための診察で、
結果がわかったら、その結果に合わせてクリニックが続けて診たって、
いいんじゃないかと思うんですよ。なんのために両方にカルテがあるんでしょう。
患者がそこにいなくても、医師同士が連絡を取ればすむことだと思いませんか?

紹介状を書くということは「このヒトはこういう状態なので、これこれの検査が必要だが
こちらにはその設備がないので、そちらで検査してデータを出してください」でしょ。
検査は血液検査やレントゲン、MRIなどでした。
「結果はこうでした」のデータの連絡で、いいと思いませんか?
今回またCクリニックのD医師に主治医になってもらっても、
この先また何かあってA病院へ検査に行くことになったら、
また一からやるわけですよね。

この高齢化社会で、老老介護もめずらしくなくて、持病のある独居老人もいて…。
病院へいくのだけでもタイヘンな負担になるヒトはいくらでもいるはずです。
どうしてこんなに融通がきかないのでしょう。
私はケアマネさんに「貴方に言っても仕方ないことですが、おかしいと思いませんか?」
と言ったら「ほんとそうなんですよねぇ」と言ってました。
現場を知らないひとばかりで決めるからこういうことになるのです。
私は「母本人を連れて行かなくてもいいなら、父の方も代理でもいいはずですよね」と言ったら
「それはご家族でないと」…なんで?紹介状がほしい理由の説明ができればいいなら、
委任状と、身分証明書でいいでしょう。
そういうところの煩雑さを簡素にするための方法など、
役所だけでなく、病院とか医師とかも一緒になって考えてもらいたいものだと思うのです。

つくづく「船橋はよかった」と思っています。
もうすぐじめじめの梅雨と、暑い夏が来ます。
父が紹介状を書いてもらえる日は、まったくの未定です。
私は元気に年をとって、ある日コロリと逝きたい…とセツジツに思いました。





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8 コメント

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同感です! (キャット)
2010-06-10 06:41:49
とんぼさん いつも拝見しているのに
コメントを書かせていただくのはお久しぶりです。

元気に年をとって、ある日コロリと・・・は私の目指すところです。(笑)

この医師の担当方法って制度が絡んでいたのですね。
実は昨年私の父も同じようなことがありました。

出血している父を泌尿科に連れて行ったのに
「病院代わったんですよね、ここで何して欲しいの?」
と医師に言われました。
言われたこちらがビックリ、なぜなら確かに内科はショートステイやディサービスで直結している病院に代えて二ヶ月目でしたが、新しく代わったそちらでは泌尿器科はまだ受診していないので、私には病院を代わったという認識がありませんでした。
その旨をお話しますと、
「あちらにも(泌尿器科)ありますよね」
というだけで、その日は投薬も検査も何もしないで返されましたよ。
あっちへ行け、なのですよね。
その後、救急車で運ばれたときも、あっちへ行け対応で、付き添った兄たちはタクシーで父を連れて行きました。
この病院ではこの科を受診、この病院でこの科を、というのは受ける側には許されない選択のようです。
単独でかかっている場合には分からないけれど、病状が双方で絡み合ってくるとまずいのかしら・・・

また、もうひとつの事例では、
友人がみなとみらいの某病院で乳癌の手術をし、二年後に脳腫瘍になったとき、専門治療できる新横浜の病院にガンマを受けに行くのに一旦退院して行きました。
たった一日の受診と治療のために、退院です。
そしてまた翌日みなとみらい某に再入院・・・
本当に患者のためにならない変なやり方に憤慨します。
返信する
そうなんですよね^^ (えみこ)
2010-06-10 09:00:29
へたに紹介状を書いてしまうと大変なことになるからと
主治医が紹介状を書かないで電話連絡した場合がありました。
慢性疾患を抱えていると、主治医の存在はなによりの頼みの綱。
弱者によりそっていないってなんでしょうか。
かんがえさせられます。

返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-10 13:39:54
キャット様

病院同士とか医師間とか、役所と医療関係とか、
そういうことは説明ナシでは、
到底理解できません。
いつの間にか主治医が変わっていてガクゼンです。
なんでも「書いてある通り」…
まるで「患者取り扱い説明書」ですね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-10 13:41:20
えみこ様

何かおきたときの責任の所在…。
それもわからないことはありませんが、
責任王からシゴトもできると思うんですけどね。
ダレのどんな思惑で動いているのか、
もはやわかりません。
返信する
Unknown (hokako)
2010-06-10 15:37:21
こんにちは。以前車椅子の修理の件でコメントしたhokakoです。

私の姉も乳がんで骨転移していました。
そんな折、テレビで血管内治療で有名なクリニックの治療で骨転移の患者さんが目覚しい回復をしたと紹介がありました。
遠方でしたが、姉はそのクリニックに連絡を取り診療情報提供書(紹介状)を書いてもらえるならば診ましょうという約束を取り付けました。
テレビで紹介されたばかりで患者さんが殺到していて、問い合わせにも応じられないような状況だったにもかかわらず、たまたま院長先生が電話に出て話を聞いていただけたそうで、ものすごくラッキーだったのです。
早速主治医に相談したところ「分りました、書きましょう。でも、移られたらその後はこちらで診る事はできませんから」と冷たく言われたそうです。
クリニックはあくまでも血管内治療のクリニックであって、乳癌という病気の専門医ではないのに、です。
つまり血管内治療を受けられても、その後乳癌のトータルな診療を受けられる主治医を失うということです。
姉はこの治療にとても期待をしていました。
そして患者が医者を選べないという現実にとても失望していました。
結局、治療を受けることは諦め、しばらく経ってからその主治医とも誤解が元で揉めて、聞く耳も持ってもらえずに他の病院に転院しました。
姉は去年亡くなりました。
その治療を受けていたら今、どう変わっていたのかはわかりません。
でも、患者の希望を奪ってしまうような理不尽なシステムには本当に腹が立ちます。

お母様のこと、早く出来るだけご負担が無く病院の治療が受けられるようになることをお祈りしています。
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何度も読み返して...。 (akkomam)
2010-06-10 16:45:35
 老いることも病気になることもそして
 ひとつの病じゃないことも、あるわけで、
 ちっとも珍しいことではないのに、
 何故、そんなにシステムが複雑なので
 しょうか、 医者や介護の世界からも
 異論がでないのは何故? と単純に
 思ってしまいます。

 これからどんな形でお世話になるか
 わからない私ですが、とても不安です。
 国民のために、とか民意第一にって
 くどいほど繰り返す政府にはこんな
 ことも見えない、考えられないこと
 なのでしょうか、
 だんだん怒りがわいてきています。

 私はひとり暮らしですから、なお不安です。
 老いと病にはさまれても、納得のいく
 形で過ごしたいですね。
 これは費用の問題でなく、人間としての
 心のありかたを問われる問題です...と
 私はおもいますが...。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-11 20:44:54
hokako様

ははのこと、ご心配いただいてありがとうございます。

お姉さまのこと、ほんとに残念でしたね。
ご冥福をお祈りいたします。

医療関係者側とか役所側とか、
それはそれなりに決まりごとはあるかと思うのですが、
せめて「説明」は必要だし、
命の現場なんですから、連携は取ろうと思えば
取れるはずだと思うのです。
医師法でしたか、それも改正されて、
病院が経営困難になったりしています。
国民を守るはずの国が、真綿で首絞めてきます。
まったく腹立たしいですね。
ダレだって年をとるというのに…。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-06-11 20:49:00
akkomam様

私も、どうしてみんな唯々諾々と、
そのままなのだろうと思います。
私は息子のこともあって、昔から役所でも病院でも、
たぶん「うるさいヒト」だと思われていると思いますが、
言うべきことは言ってきました。
あからさまに「クレーマー」扱いするヒトもいましたが、
「実はほんとにそうなんですよね」という
あちらの立場のヒトもいるのです。
もっとそれぞれの現場でいっていかないと、
「しょうがないよね」で、
すすんでいってしまうと思っています。
本当に「心」の部分の問題だと思います。
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