写真は「骨董市」で買った「ふろしき用の布のハギレ」。
レーヨンちりめん、白地に花柄の布で一番はじっこのところです。
でも真ん中にシミがあったので、
はじのほうをカットして半衿に使いました。その残りです。
昨日に引き続き「包む」ということについて・・。
まず「のし」のことをもう少し、書かせていただきます。
「のし」は関東と関西でいろいろ違いがあったというお話を致しました。
今は昔ほどの違いはなくなってきているのかもしれませんし、
最近ではさまざまなデザインのものが売り出されています。
仲のいいお友達とか、気心しれた間柄、ちょっとしたお祝いなど、
ラフにお届けするものなら、そういうものもいいと思います。
でも、身内の結婚とか上司・先輩など、礼節を重んじるべき相手には、
やはり「しきたり」と言う堅苦しいものでも守っていただきたいと思うのです。
「のし紙」「のし袋」の使い方(使用目的とか中の金額とか)は、
それが入っているセロファンの袋に印刷されていることがほとんどですから、
よく見て、TPOにあわせて購入してください。
そういうところにも書いていないことがあります。
基本的に「海産物」のプレゼントには「のし」のついたものは使いません。
「のし」がすでに海産物ですから、重ならないようにと言う配慮です。
贈答については、祝儀・不祝儀で包装紙の包み方とか、
のし袋の包み方、相手に出す向きなどもきまっています。
まぁあんまりうるさいことを言うと「めんどくさーい」になってしまいます。
知りたい方は、ご一報ください。ははは。
さて、それでは「ふろしき」のハナシです。
ふろしきの由来につきましては、以前書きましたので、本日は「使い方」。
最近「エコロジー」ということが言われるようになり、
ふろしきが見直されてきました。たいへんいいことだと喜んどりまーす。
私は、普段のスーパーへの買い物は「エコバッグ」ですが、
よそいきの外出や旅行では「ふろしき」を必ず持っていきます。
旅先だと、そこの名前のはいっている袋がほしかったりして、
入れてもらっちゃうのですが・・いけませんな、過剰包装は・・。
ふろしきは荷物をまとめるのには最適です。
最近は「使い方」をレクチャーしているサイトなどもたくさんあり、
「瓶包み」とか「スイカなど丸いもの」の包みなど「有名?」な包み方は、
そちらでご覧ください。
今日は「ふろしきが便利なわけ」なんてことをちょこっとお話しようと思います。
ふろしきが便利なわけ、その一つは「四角いだけ」だから・・。
つまり、着物と同じで「もののラインにそって作られていない」ということです。
たとえばお菓子屋さんでくれる紙袋を再利用しようとしたら、
わずかに幅が足りない、とか、あと2センチ深くないと、持ち手に指が通らない、
なんてことありますね。ふろしきは、ものの形に合わせて変えられるわけです。
もうひとつ便利なところは「布」だから「バイヤスに使うと伸びること」です。
この特徴をうまくいかすから、あれだけいろいろな「包み方」が
考案されるんですね。もちろん「元の大きさ」というのも大事なんですが・・。
下の写真をご覧ください。
中身は長い箱(濃い灰色に写っているもの)、上下は結べますが、
このままでは真ん中が短くて結べません。
さてコレはどうやって包むか・・バイアスを利用します。
まず、隣り合った角をしっかり結びます。
次に画面でいうと、下側の長く残っているほうを、
さっきの結び目に通します。
最後に通した角と、残っていた短い方(画面の右側)の角をしっかり結びます。
真ん中には指もちゃんとと通りますから、提げて持つこともできます。
ふろしきというのは、こんな風にあちこち角を使い分けたり、
時には角からズレた「辺」のところをつまんでひっぱったりすることで、
長さや幅のたりないものを補って包むことができます。
次はこれ、何が入っていると思いますか?
ふろしきは120センチ角くらいの木綿もの、呉服屋さんからのもらい物です。
ちょっと斜めからみると、こんな感じ、かなり大きいですよ。
中身は・・・
着物が二枚はいっていました。実はこれ、骨董市へ行ったときの「技」です。
骨董市は最近では「スーパーの袋」と同じものを使って
着物を入れてくれるところが多いのです。エコ的にはねぇ・・。
それとゆったりしたお店などは、けっこう普通にたたんでくれるのですが、
シートに古着山積み、てんこ盛り・・なんていうところは、
バーゲン会場のごとくお客さんが山をひっくり返すので
もうグシャグシャ・・そこで買うと、適当にパパッとたたんで袋にポイ、
なんてことがよくあるのです。木綿の着物や男物の羽織などは
けっこう嵩張ります。それで、ちょっとあいている石垣などのところで、
ちゃんとたたみ直してこうやってふろしきに包むと、
バッグみたいにカンタンに持てるというわけです。
私はもっぱら大きなふろしきで「荷物」運びに使っていたのですが、
母の話によれば、昔、学校へ行くのにかばんを持っていない子が、
こういう包み方で教科書やノートを入れて持ってきていたそうです。
そのまんま「本(Book)包み」と言うものだそうで、
本来は「本」を包むもの・・・、やってみました。こんなです。
この包み方は、写真に撮るとどうもわかりづらいので「図」にしました。
いかがですか?
たとえば「瓶包み」でも細長いものなら、丸めた大型のカレンダーとか
そんなものにも応用できます。特に着物のときは紙袋より、
ふろしきのほうがあってますよね。
ふろしきを楽しく便利に使うには、・・といってもこれは、
私の個人的なこだわりなんですけれど、まずはやはり「色柄」を選びたいですね。
たとえばちゃんと訪問着を着てお伺いする・・なんていう用事のときは、
できれば正絹ちりめんの額絵ようなもの、そして「結び」を使わず
「ひら包み」でぶら下げずに抱える・・がベスト。
普段用ならちりめんでもレーヨンで十分です。柄は小紋のようなものの方が
どんな結びや包みをしても、柄がとぎれたりしないので見た目もいいです。
あとは木綿、それも薄いのと厚いのとを使い分ける・・。
厚手のものは、上の着物とか大きなもの重いものには安心です。
少しちいさいものなら薄手でも大丈夫、これは洋服生地で
自分で作ることもできます。90センチ幅と110センチ幅の布なら、
そのまま使えるし、もっと大きなものがほしければ、つげはいいのです。
もうひとつのこだわりは、あちこち結んで・・というようなとき、
ざっと結ぶのでなく、きちんと整えて・・。
こちらはためしに上の「本包み」をやってみました。
ハンカチを使って、中身は石鹸2個です。
上は、ひもとして結ぶところをちゃんと揃えて、整えました。
下はそのままグルッと廻して結んだだけ。どうですか?
風呂敷でものを包んでいる人を見かけることは少なくなりましたけれど、
たまーに見かけると、なんかだらしないような、雑な感じがする・・。
そういう場合は「気を使って」包んでいないのです。
なんでもどんどん包めるから・・と外側から見たらやたらデコボコだったり
結び目が片方長くて片方短かったり、どっかで裏側が思いっきり見えてたり・・。
紙袋でものを入れて持つときも、あんまりしわくちゃの袋だったり、
袋のはじっこが破れてたりしたら、やっぱり「なんだかなー」と思いますよね。
せっかくの便利グッズです。持っていてかっこいいなぁと思われるような、
シャレたふろしきをキリッと使いたいものです。
おまけ・・・ふろしきは、一部の小ふろしきなどを除いて、
完全な正方形ではなく、片側がわずかに長くなっています。
ちょっとだけ「長方形」なんですね。これは「正方形」より、
わずかに長方形のほうが、バイアスで引っ張ったときの伸びがいいんです。
これは実感するよりないんですが、正方形をバイアスで引っ張ると、
そのままピーンと張って終わりなんですが、
長方形だとちょっと「弧」を描くようにふにゃんと伸びる・・といいますかねぇ。
難しいのですが、そういう感じなんです。使ってみるとわかります。
お役に立ててなによりです。
私自身はこれで本持って歩いたことなくて・・。
笑っちゃいますよね。バッグみたいに見えるし、
お稽古事とかにはいいですね。
教わりました。早速本を包んでみましたが
格好よくて、尚且つ振り回しても落ちない!
持ち手のところだけしか結んでいないのに
不思議です。これは便利ですね。
よくぞ教えて下さいました。うれしいです。