ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

すぐれもの…です。

2009-12-12 20:13:43 | 介護・福祉
写真は、Suzuka様がみつけてくださって、これいかがとメールをくださったもの。
早速ひとつお願いして、今日届けていただきました。
「塗り」でこのカタチはほんとに珍しいです。

元々が「障害や介護」も含めてのデザインらしいです。
実はこれ、私が息子に食事をさせるために使います。
息子は自分では食事ができませんから、私がひとさじずつ食べさせていますが、
食事はミキサー食なので、どれも箸でつまめるようなものではありません。
スプーンを使います。そのとき、おかずやら主食やらで、
いくつかカップタイプのものを用意して使うわけですが、
こちらがひとつずつ手に持たないと、こぼれてしまったりするわけです。
それでいつもスープカップのような持ち手のあるものを使うのですが、
大きさとか使い勝手がいまいちのものばかり…。
小さいのは容量が足りないし、大きいとしっかりしすぎて重いし、
また、指をいれるところがたいがいは申し訳程度で小さいのです。
それで、これはまず軽いですし、持ち手が大きくて安心です。
ほんとにいいものを見つけていただきました。

この持ち手、障害者が自分で使うためのカタチです。
ふつう持ち手はこうやって持ちますが…(これでもいいんですけどね)


    


障害があって手の力に不安があったりする場合は、こうやって使います。
落とす心配がないんですね。


    


たとえば、ご飯をたべるのに、普通のご飯茶碗だとちょっと不安があるから、
持ち手があったらいいなと思う。
だったらたとえばマグカップとかスープカップとか、
大きな持ち手のついているものを使えばいいじゃないかと、
単純に考えがちですが、その「持ち手」を普通に持つことが
困難な場合もあるのです。持つところが大きければいいってワケじゃないんですね。
持ち手の下が切れていないと、たとえば手や指をその持ち手から
はずそうとするときも、力のないひとや麻痺のある人には危ないのです。


    


妙に持ち手が大きいおかしなバランス…と思いますが、
このカタチ、障害者にはベストです。
また、私が使う場合でも、深く持ち込まなくても大丈夫なんですが、
このくらいの感じでも、こうして持つと安定がいいんですよ。


    


最近は、昔に比べて「障害者のための食器」も、
よくみるようになりました。
ただ、使う人の身になって…というのは、どうしても障害者がメインで、
介護者むき、というのはなかなかありません。
たとえば、この小さな湯飲みは、昔々、学校で保護者もどうぞと、
陶芸教室が開かれたとき、息子用の湯のみとして残りの土で試作したものです。
今じゃとてもこんな大きさでは足りませんが。


    

 
なんでこんなカタチなのか。
これはこういう向きになります。へこませてあるのは持ちやすくするため。


    

    
これは、抱きかかえて飲ませるとき、普通のコップや湯のみだと、
中に残っている分量が上からは見えにくいのです。
またちゃんと飲めているかどうかも確認しづらいんですね。
だからこうして呑口の反対側を下げておくと、よく見えるというわけ。
実際の使用例、息子が寝てるのでミッキーさんにオネガイしました。
普通の湯のみだと…上、カットしてあると下…中がよく見えるでしょ。



     


このカタチは、たとえば湯飲みの高さが8センチくらいあったとしても、
一部がカットされていますから、その分「容量」は減ります。
この手のくふうのあるコップはすでに市販されていますが、
病院用がほとんどなので、かわいい柄とか、渋い色とかがなかなかありません。
ネットでは見つけられますが、選択肢は少ないです。
こういうものが、当たり前に瀬戸物屋さんや食器売り場に置かれるようになると
いいんですけどね。
今は普段は透明のプラカップを使っています。透明なら見えますから。

以前友人が、お姑さんが使うのに、本人の口が開きにくいし、
小さいカップでいいからと探しに行ったら、くまさんだのうさぎさんだの、
キャラクターだのの柄ばかりで、確かにかわいいけれど、
いかにも子供のもので代用している、というのがいやだった、と。
それで、シャレたデミタスカップにしたそうです。

毎日の暮らしで、普通に使っている食器が使えなくなる、
それは今の時代、いつまでも他人事ではなくなってきています。
本人が食べるにしても、介護してたべさせるにしても、
お互いにイライラとかハラハラとか、しないですむようにするのが、
本当のバリアフリーだと思うのです。




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4 コメント

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Unknown (陽花)
2009-12-12 20:53:24
介護の経験の無い者には気が付かない
事ばかりです。

手の平がすっぽり入る持ち手は、指力が
無くても安定して使えていいですね。

とんぼ様制作の湯のみも、さすが考えて
ありますね~、なるほど・・・と感心して
見せて頂きました。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-12-12 21:31:29
陽花様
その立場になるとわかるって、
けっこうあるんですよね。
便利道具はいろいろ出てますが、
このジャンルはまでまで少ないです。
返信する
ユニバーサルデザイン (ann)
2009-12-13 01:10:52
いわゆるユニバーサルデザインってやつですね。

介護用品も、もっとお洒落なものが増えるといいのですが。。。
でも、最近の介護用品売り場には、結構良いモノも出てきていますね。

使いやすいものもあるので、時折、介護用品売り場を
覗いてみたりします。
お洒落だったり、考えられているなぁ~って思うものも
たまに見つけますよね。

とんぼ様の湯のみも立派なユニバーサルデザインですよね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-12-13 22:34:46
ann様
それそれユニバーサル・デザイン。
よく見るようにしているのですが、
いまいちってのもありますね。
それでも、昔に比べれば…です。
まだまだですねぇ。
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