ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

半衿つけ

2007-04-03 23:23:09 | 着物・古布
写真はご近所の「八重の枝垂桜」、この前のお天気いい日に写しました。
その後のこの天気と寒さ…なんなんでしょ~~。

さて、本日は「もんのすごい手抜き」のお話し…。

着物を着るのに一番めんどくさいこと、実は「半衿付け」です。
なにしろこれをつけないことには、全部揃っていても着られないんですから。

半衿というものについては、好みもつけ方も人それぞれ。
というより、半衿つけは半衿だけでなく、その人の着物の好みとか着方、
また着物のメンテの方法など「着物での暮らし」そのものによっても
つけ方もいろいろと違うものです。
たとえば、毎日着物で暮らしている場合、着物もじゅばんも
ローテーションを決めていて、先に組み合わせをしておく、
その場合は、前もって半衿も決めて縫い付けておくことができます。
また、普段うそつきじゅばん多用で半衿もレーヨン、というような場合は
着物とセットを決めておき、着たら半衿をつけたままじゅばんは洗うとか。

私のように、そのたびに気分で着物から選ぶようなボケは、
それから帯、じゅばんと決めていくので最後まで半衿が決まりません。
私はだいたい「半衿・帯締め・帯揚げ」を同系で揃える、という場合が多いので、
そういうことになっちゃうのです。毎度毎度「着物前夜」に半衿つけです。
時には出かける30分前なんてときも。

ともあれ、いつも半衿つけは「時間ないよぉ」状態なので、
いつのまにか「なんでもいいから早くつける」が最優先になりました。
実はですねぇ、半衿というものはしょっちゅう付け替えるものです。
つまり、しっかりつけるとそれをはずすのがまた時間がかかるわけですね。
で、これが昔のじゅばんを見ていて気がついた「手抜き方法」、
つまり「きちんとつけない」、です。


まず、半衿をつけるのは一箇所を除いて後はすべて「しろも糸」、
洋裁用の「仕付け糸」、カセで売ってる生成りのあれです。
あれを2本取りして使います。弱いですが、着物着ていたら
衿つけの糸が切れるほど動きませんから、大丈夫。
取り外すときは、引っ張ればすぐ切れます。あわてて引っ張って
半衿やじゅばんをいためることもありません。
次に、ほとんど縫わない…です。

写真で説明します。まずわかりやすいように、半分から柄の違う半衿を使います。
白いほうが表、ピンクが裏になるように縫い付ける手順です。


     


まず外側の半衿の真ん中とじゅばんの襟の真ん中を合わせます。
このとき、柄半衿でしたらどこにどんな風に柄をだすか決めてください。

     

内側に折込み、半衿の幅を決めて待ち針を打ちますが、
着物を着たとき見える後ろ衿の内側部分だけは、
ちゃんと縫いますので、背中心から左右に8センチくらい、
気になるときは10センチくらい、これは体格などによっても違いますので
個人にあわせて…。それが決まったら縫うところまで待ち針を打ち、
ここだけは素材にあわせた糸できちんと縫い付けます。

     

写真は待ち針を打ったたところまでの写真なので、針が見えていますが、
内側を縫いつけた感じの写真と思ってください。
次に、背中心から右の衿を整えながら、衿先まで待ち針を打っていきます。
コツは、衿先にひっぱり気味にします。衿の余分なシワや波うちを防ぐため。

     

衿先まで打ったところ。衿先は折り返すと地厚になるのでそのまま。
気になるときは先だけとめてください。
斜めの待ち針は「掛衿のおわり」の位置です。

     

裏側の様子。

     

この状態で、しろも糸で背中心からザクザクと大きな針目で
裏表一緒にとめていきます。針目は時間的に余裕があれば3~4センチ、
ないときは…はずれないていど…?!
おまかせします、私は7~8センチなんてぇときもあります。

片側終わったらもう片側も同じように待ち針を打って縫います。
背中心からに衿先に縫いおろす形になるのは、片側からずっとやっていくと、
だんだんずれて波打ったりシワがよったりするためと、
縫う距離は少しでも短いほうがラクで誤差がでないから。

とまぁこんな手抜きでいつもやっているわけでして。
もちろん時間に余裕があるときはゆっくり針目も少し細かくつけ、
衿先も折込んだりしますが、つけ方そのものはいつもこれです。

「手抜き」というと、なんかごまかしとかいい加減とか、
あまりいいイメージがありませんが、実は「簡略化」ということで、
大事なことだけはおさえておく、ということだと思うのです。
外からみえるとこだけきれいなら、という言い方だと抵抗がありますが、
実際にはそうではなくて、急いでつけてグシャグシャよりも、
きちんと付いていれば、見る人を不快にさせない…ということではないかと、
かってな理屈かともおもいますが「うそつきじゅばん」などを見ていると、
そんなふうにも思うのです。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2007-04-04 09:42:40
私も半襟の真ん中はきちんと決めて付けます。
前で半襟通し合わせたら背中心がずれずに
着られますものね。
返信する
たった今 (蜆子)
2007-04-04 11:08:09
4月1日に茶事実施、着物の始末を只今しておりました。なんてこった、右の袖袂、どこかにおとした、当然染み抜きに。息子初めて出席、拷問のようでしたがしみはついていず、干すだけ。
半襟いま付け替えたところ、訪問着用はちょっと丁寧に、普段着ようはざっくざく。ようやく終わりました。
箱にいれた道具をもとの位置にしまうということが、まだ残っています。
肝心が利いていれば、見えなきゃそれで良しをモットーにしております。
返信する
手抜き (nao)
2007-04-04 20:50:23
賛成です!
あたしはゾベ糸でざくざくとぐし縫いです。裏の背中心10センチだけ絎けて。
礼装用以外は一枚目は塩瀬の白を上から色や柄ものを・・・。
つまりあたしは襦袢に2枚ずつの半衿を縫いつけてます。
縫う作業はまとめて・・・ということで。
汚れたら1枚目を剥いで、白を。
白はどんなものにも合うので・・・。
裏表同時に縫う荒業はやったことなかったので今度試してみます!
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-04-04 21:18:41
陽花様
「おさえるべきところ」を押さえれば、
あとがラクですよね。
「いいかげん」は時には「良い、かげん」!

蜆子様
茶事、お疲れ様でした。
「肝心がきいていれば」、なるほどのお言葉です。
お道具類、気をつけてお片づけを。

nao様
二枚重ねというのもアイデアですね。
しょっちゅう着ればこそ、手軽に着られる工夫は
とても必要なことだと思います。
二枚重ねで裏表一緒は、けっこう針通しが
たいへんかと思いますが、トライしてみてください。
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