ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

成人式でしたねぇ

2011-01-10 18:04:07 | 着物・古布

 

ものすごく寒かったけれど、とりあえず関東はピーカンのお天気。

ちょっと風がありましたから、着物だと裾やたもとが大変だったかもですね。

 

私は今年もテレビ観戦、あっいやいやテレビのニュースで「振袖」や「髪型拝見」…。

なんとなく落ち着いてきたような気もしますが…。

やっぱりあのモリモリ・クリクリ・ヘァは、あんまり変わりませんでしたねぇ。

それでもたまたまかもしれませんが、けっこうそういうスタイルで、

和モノの髪飾りの人が、見られた気がしました。

その年によっての「流行」もあるのでしょうけれど、それこそハヤリモノに流れず、

束髪とか、新日本髪とか…みたかっですねぇ。

写真は、毎度若いころの私の写真ではブーイング出そうなので、手持ちの櫛かんざしを…。

なんか間の抜けた写真ですみません。並べたつもりがかんざし一本抜けてました。

 

こちらは昨日の本に載っていた写真です。えーと著作権が…なのでご紹介しておきます。

至分堂 昭和43年発行 「日本の美術」№23「結髪と髪飾」です。

 

      

 

名前がすごいですね「婦人束髪改良圖」。

この本にも書いてあるのですが、江戸明治のころは「髪型」「着物の着方・帯の締め方」「足袋の色」「履物」

こういったもので、身分や立場、職業、暮らしぶりなどが一目で見て取れました。

つまり「そうでないといけない」部分もたくさんあったわけです。

女性の社会的地位も低く、また職業も限られていたかの時代は、

「未婚」か「既婚」か、「素人」か「玄人」か…その区別くらいしかありません。

同じ既婚者でも、この髪型は芸者さん、とか未婚なのに丸髷結うなんて…とか…。

それが、明治に入って、まず男性に「もう髷はいいよ」というお達しがでると同時に、

西洋文明のラッシュです。ただ、いくら西洋のものが入ったからと言っても、

いきなり丸髷に留袖が、巻き毛クルクルにロングドレス…になったわけではありません。

身分の高い婦女子以外は、洋装にもなかなか縁がありませんでしたから、

徐々に変わっていったわけですが…これを推進したのが実は「婦人束髪会」という会です。

上の図はその「運動パンフレット」…だそうです。

 

最初にこの会の名前を眼にしたとき私は

「きっと昔の髪結い業の人たちが、仕事がなくなったら困るので、そんな会を作ったのだろう」と思っていました。

ところが後になってちゃんと調べたら、実はこの会をつくった中心人物は「軍医」さんでした。

もちろんほかにも関わった人はいるのですが、要するに「日本髪」というものの不衛生さなどを列挙して、

「日本女性よもっとカンタンな髪型にして清潔度をあげよう…」ってなところです。

もちろん衛生面だけではないのですが…。コレについては「こんなサイト」を見つけました。おもしろいです。

 

江戸時代、江戸の人たちは毎日かかさず風呂に入った…とされてはいますが、

髪のほうは、それ以前から、そうそう洗うものではありませんでした。

江戸時代でも10日に一度くらい…冬はもっとさがるでしょう。

お金持ちは毎日「髪結」を呼んで結いなおさせましたし、そこまで行かない人はちょっと「撫で付ける」…。

いずれにしても、表面的な汚れを落とすだけでフケをしごき取り、

上から髪油を更に塗りつけて結いなおすわけですから、実際不衛生だったわけですね。

また、髪を結うということは装飾品もかかるわけですから、不経済でもある…。

それを改善しましょうという会だったわけです。

はじめて「三つ編み」が一般的になり、これなら自分でできますよ…ですね。

束髪も紆余曲折ありましたが、私は結構好きです。

 

さて、実は私、先月のおわりに髪を切りました。

前とあと…です。腰まで十分届いてまして…それをいつもの「肩甲骨の下辺り」でカット。

20センチ以上は切りましたので、また「針刺し」の中身が増えましたがな。

 

 

毎年ある程度まで伸びると適当に切っていたのですが、

実は、前回切ってから、ちょっと「願掛け」みたいなことしまして…。

母の病気が分かっていたので「ガン化して苦しむことのないように」と、

「介護する父が倒れないように」と…なんとなぁくふっと思っただけのことだったのですが、

切ろうとすると、なんだか切れなくなってしまって。 

ここまで長いのは久しぶり、もぉぉぉ洗うに乾かすに染めるに、たいへんな手間ですから、

夏の暑いさなかなど、何度か切ろうとしたのですが、おかしなもので切れませんでした。

どちらの願いもかなえていただきましたから、葬儀が終わってから神様ありがとございました…と思いっきりカット。

なんとまぁ軽くなったこと…。

束髪結うには、コレくらいで十分…自分で結うのはちと難しいですが。

 

葬儀の時は一本の三つ編みにしてクリクリと巻いてピンでとめ、これを挿しました。

プレゼントしていただいたものです。

 

     

 

葬儀に新しいものを降ろすことを母は「仏様ご先祖様が守ってくださる」と言って

わるいこととは言いませんでした。むしろ新しい履物などはおろしなさいと…。

但し、午前中に。

私も、斎場で朝、一番に髪を結ってこのかんざしを挿しました。

目ざといイトコが「いいつやだねぇ」と言ってくれました。

これから使い込めば、もっといいつやが出ると思います。「Oさんありがとうございまーす」です。

 

テッペンが薄くなってきて、テレビの前髪ナンタラ…などというカツラのCMや

「柑○楼」のCMが気になっている私です。カン○ローは、かなりいいみたいだとか…。

うっ使うなら今のうちやでぇ・・・・・。

 

 


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8 コメント

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Unknown (さえ)
2011-01-10 20:56:59
お疲れさまでした。
髪を切るとほんとに軽くなりますよね。
お葬式の時、つげのかんざしは大丈夫なのですね。
黒いゴムとかピンくらいしか駄目なのかと思っていました。
控えめで喪服にふさわしい感じのかんざしですね。
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Unknown (とんぼ)
2011-01-10 21:32:56
さえ様

ほんとうは、アクセ全般つけないほうがいいのです。
よく真珠をつけるとか言いますが、
「つけるなら真珠は可」ということです。
結婚指輪以外はつけなくてもいいわけです。
かんざしにしても何にしても、光るものは
つけません。
母は髪を自分でお団子にしていたのに、
最後に入院した病院で、からまって毛玉になっているからと
ベーリーショートに切られてしまったのです。
もう悲しがるようなこともありませんでしたが
私の方が悲しかったです。
つげやべっこうの小ぶりのものを愛用していた人でしたから、
オールバックのショートにされてしまった
母の分もと思って、そーっと挿してでました。
喜んでくれたかなぁ。
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Unknown (陽花)
2011-01-10 21:37:10
髪を切ったといっても随分長いですね。
私は本当にショートだから余計そう思う
のかもしれません。
髪の量もたっぷりあって、うらやましい。

長い髪は普段のお手入れが大変ですが、
色んな髪型を楽しめるのがいいですね。
ショートでは櫛も簪も出る幕無しですから。
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Unknown (とんぼ)
2011-01-10 21:52:34
陽花様

背中に手を回して裾が指先に触れるくらい…。
このくらいの長さが一つにするのも
丸めてネットかぶせたりするのも
ちょうどいいです。
ずっと長すぎてほんとに面倒でした。
もう白髪が多いのに、すぐ伸びるんですよ。
こまめにパーマをかけに行かれたら、
私もショートにしたいんですが、
パーマかけて伸びると「バクハツ」頭になっちゃうんですよぉ。

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Unknown (ゆん)
2011-01-11 18:25:17
こんばんは^^
相変わらずの豊かな御髪ですね。つげの簪が温かい様子で素敵です。

 ところで、テレビで観た地元の成人式で代表として挨拶していたお嬢さん、きっぱりとしたボブカットに、黒のビロード地に幾つかの真珠をあしらったカチューシャを留めてらして、そろえた前髪お下げもなんとも美しかったのです!初めてみました。あんな潔い晴れ姿の女性~!

 いいもんだなぁ・と暫しうっとりでしたよ^^
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浜松で。 (えみこ)
2011-01-11 21:30:02
京都で芸妓さんになられて、売れっ子に登りつめて
おやすみもままならない中、里帰りで成人式に。
これがすごい!
みやこ踊りの着物に芸妓さん独特の髪型、白塗りに紅ちょんとさして(上下してたかな)まぁ着物の着付けのすばらしいこと、可愛らしいこと!
今のきゃんきゃら女子大生たばになってもかないません。
溜飲が下がる思いでした。
正式の場で芸妓さんのおしたくもどうかなぁと、おもいますが
やはり「本物」はちがいます。
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Unknown (とんぼ)
2011-01-11 22:18:06
ゆん様

テツペンはうすいんですよぉ…
上から見ないでぇです。
つげの櫛は小ぶりで、ほんとに自分でもよかったと思いましたよ。

着物に洋髪はデザインを選びますが、
きっぱりとしたショートや、かわいらしい
パーマなどは似合います。
なんであんなに「一番似合わない」
てんこ盛りバクハツアタマにするんでしょうね。
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Unknown (とんぼ)
2011-01-11 22:21:17
えみこ様

着物と伝統芸能のプロ、束になっても
かないませんわね。
20歳と言えば、社会人になっているひとも
いるわけですから、芸妓さんのかっこでも
ちっともかまわないと思いますよ。
それで接待したらマズイけど?!

今年はそんなに数は見ませんでしたが、
茶髪はナントカなりませんかね。
分かっていることなのだから、染めずに準備するとか、
黒くするとか、せめて来い栗色とか…。
着物には薄い髪色は、ほんとに合わないと思います。
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