どうということもない、ただ「袖のフリから見えるじゅばんの効果」ってお話しです。
写真は、子供の着物だったはぎれ、最近ヤフオクに出てきても安かったりしますねぇ。
もう少し引いてみるとこんなです。
私の子供のころは、7歳でもこんな「総柄」の振袖が多かったですね。私のも、こんな感じでした。
最近は3歳でも「絵羽柄」なんてのがあったりしますが、
実は子供の場合には、体が小さいですから、総柄の方がかわいい場合もあります。
「場合もある」というのは、七五三の場合、子供の生まれ月によってその年齢になったばかりだったり、
もうすぐ一つ上になったりで、体の大きさや雰囲気も違いますから。
また最近の子供はおおきいですからね。一概には言えない…ということです。
で、このハギレの使い道としては「うそつきの袖」とか「鏡掛け」のようなものや、ざぶとん、クッション系…ですね。
バッグにはちょっと切りばめ、くらいでないと、全部これだとオバサンが持つには、かわいくなっちゃいますねぇ。
でも、これだけ大きいですから、あまり切り刻みたくはない…ので。
うそつきの袖ならハデでもいけます。もっと手を掛けるなら、端縫い着物のように、袖分身頃分…と、
それぞれに布を足して「じゅばん」にしてもいいわけです。
もしじゅばんにしてみたら…うそつきでもいいのですが、ちょっとはめこんでみました。
袖はこれまたいただきもので、袖だけしかないもの。片袖を身頃に見立てて置いてみました。
丸々見えるわけではない…でもちょっと歩いたりするとちらりちらりと見える…いかが?
母はいつも60過ぎたら赤いじゅばん…と言ってました。
「赤い」とは色の赤だけでなく「ハデ、華やか」のことです。
もちろん着物にもよりますが、母はほとんど紬しか着ませんでしたので、いつも濃い赤のものなど着ていました。
小紋のときは、赤までいかないうすめピンクとかオレンジとか、そういうものを合わせていました。
私も若いころから紬が多かったので、じゅばんは染めばかり、ハデメを着てきました。
もう還暦もとっくにすみましたし、本卦がえりと考えれば「アタチはまだ2しゃい…(ものっすごいムリがある)」。
だからと言うわけでもありませんが、こんなかわいいじゅばんもいいなぁと思っています。
もうひとつ、昨日の帯芯探しから別のものもみっけ…。
売る気もないし、かといって何かに使うかといったらそれもねぇ…のものがはいってるところをゴソゴソ。
以前お話しした「羽裏の犬の眼って、なんか不自然」…のあのはぎれです。
これ…
それぞれアップで見ると…
ニンゲン風のまぶた、まぶた…そしてまぶた…笑えるでしょう、ここまで来るともうかわいくて。
ちょっと長さ短めですが、かろうじてうそつきの袖にはなりそうな分、あるのですけれど、
なんか、隠してしまうのが惜しくって…。わんちゃんの動きの感じなんかはとてもいいですよね。
これをうそつきにして、フリからチラリとこのおメメが見えたら…なごんでいただけるでしょうかねぇ。
古い着物は、着物として着るだけではなく、下に着るものにできるという道があります。
ヤ○オクでも、もう着物としては着られないようなハデなものや、傷み汚れがあって着られないものなど、
たくさん出ています。じゅばんで着たら…なんてのを探してみるのも、面白いかもしれません。
以前だしたもの、これは「相撲ファン」の人のものだったのか、何か舞台関係だったのかさっぱりわかりませんが、
とにかく「相撲柄」、継いだりはいだりで、なんとかじゅばんにしてあるというものですが、
好きな人ならじゅばんにしてでも着たい…と言う気持ちがわかるような気がします。
見えないところでいろいろ遊ぶ…チラリと見せて「おっ」と思わせる…着物って楽しいですねぇ。
もしこれを着たら、行く先は当然「国技館」で、できればちっと雨っぽい日で、
「あら、やぁねぇ、裾がぬれちゃう…」とかいいながら、思い切り着物の裾をはしょる…やってみたーい!
その時、着物と襦袢の取り合わせってこういうこともあるんだと思ったのですが、とんぼさんのお母様のお話を聞いてなるほどと納得しました。こうしたことは見えないんだからとテキトーに無難なところで治めてしまっていると判らないものですねえ~~
これこそが着物の楽しみなんでしょうねえ。
見えるだけで粋になりますね。
お襦袢で着物の年齢差が随分変わって見える
ものですね。
あれほど分量が少ないのにドキッとさせられる色の生かし方って他には無いのではないでしょうか?
半襟や帯揚ほど難しくも無いですし・・・(これが不思議なんですよねぇ)
でも、そのお楽しみも「悪目立ちしないように」と、薄色ばかりになってしまって・・・ホント寂しいですよねぇ。
今日の記事にじゅばんのことを書いたのですが、
今のじゅばんって、どちらかというと「下着」に近い感覚で、
メダタナイようなもの…と意識されてる気がします。
礼装には格として、綸子の光沢のあるものが合うと思いますが、
街着は遊んでほしいと思います。
若い方は、ジミでもハデでもいけるわけで、昔もっといろいろ
着ておけばよかったなんて思います。
最近の染じゅばんは「ハデメ」専門…。
年ですねぇ。
ほんとに「わずか」な分量なんですよねぇ。
こういう文化って、なかなかないんじゃないかと思います。
形がシンプルなだけに、こういうところで遊びの部分ができるんじゃないかと。
なくなってほしくないですね。