たくさんきたハギレの中の「羽裏」です。
まずは、たくさんの皆様から「台風お見舞い・陣中お見舞い」をいただきました。
ご心配いただきまして、本当にありがとうございました。
おかげさまで、小さな庭木の枝が一本折れましたが、ほかは大丈夫でした。
実家が近いこともあり、なにかあったらと思って、
かなり遅くまで眠らずに、NHKを見ておりました。
小田原に上陸した後の進路を見たらウチ「ど真ん中」じゃないの!
ほんとにど真ん中でした。なにしろあの崩れた大きな台風の目、
その真ん中にすっぽりです。なるほど一反静まりましてね、
真上をおとおりになられたよーで…。
あっ今ここが「台風の目」の中かな?と思ってテレビを見たら
「渋谷駅前」は土砂降りのびゅうびゅう…あっやっぱりそうなんだ…。
結局ど真ん中になったおかげで、まわりよりはひどくなかったようです。
心配していた停電もなく、夜が明けました。
それでもまた水のでたところ、おうちの壊れたところ、
不幸に見舞われた方がいらっしゃいます。お見舞い申し上げます。
明日は台風一過、さぁ洗濯でーす。
さてさて「ハギレ」のお話しをいたしましょう。
上の写真は、昨日の「いっぱいハギレ」の中の一枚、子供用羽裏です。
なんたってかわいいですよね。今時は、なんでもキャラクターばやり、
こんなので何か作ってあげるといっても、子供さんたちは
「かっこわるーい」と、嫌がるかもしれませんね。でもこれ「絹」です!
実は数日前「着物にみる戦争」という本を入手しました。
これは、日本が何かと「軍国」の風にふかれていたころの、
着物のなかにある「戦争柄」を集めて検証したものです。
この本については、別途ご紹介させていただこうと思っていますので、
今日は名前のご紹介だけ…。
で、この本にものっているのですが、子供も当たり前のように
「着物」を着ていた時代の子供着物、もちろん大人の着物の繰り回しも
たくさんありますが、子供のための着物は本当にかわいかったり凛々しかったり。
思いつく限りの「子供らしい柄」をならべています。
こんな羽裏のついていた着物はどんな柄だったんでしょうねぇ。
こちらは大人の羽裏、シルクロードをたどってきたら、
どこかの町のお金持ちの家の大きなじゅうたんにありそうな柄。
面白いのは、こちらは「人が馬に乗って獲物を追って」います。
ところがこちらは「象」に乗ってます。よく見ると装束やかぶりもの、
それに弓の形も違います。
どこの国のどんな時代の風俗だとか、そんな細かいことはわかりませんが、
一段ずつ交互に入る柄が、似ているようで実はまったく違う、
こういうところが、もともとこれをデザインした人の思いといいますか、
楽しんで仕事をしているのではないかと、そんなことを思うわけです。
振袖や留袖の裾模様などは、ひとところだけに大きな柄がパッとあると、
それを見て、華やかとかジミとか美しいとか、そんな風に思います。
これはそういうタイプの柄ではなく、どちらかといえばパッと見ても、
入ってくるのは全体の色合いと「なんか壁画みたいな絵」とか
「オリエンタル風」とか、そんな感覚的なことです。
私も最初はまず、この絵と絵の間の中国の「喜」を並べた字、
あのラーメンどんぶりの字ですね、写真では上下にちょっとずつしか
写っていませんが、あまりに大きいのでそちらに目がいき、
次はそれにはさまれたこの絵の色使いのよさに惹かれました。
黒地にインクブルー、白で輪郭をとった動きのある絵、いいなぁ、と。
そしてしげしげと眺めて比べて、あら違う…ときがついたわけです。
これを選んで羽裏に使った人は、そこまで見ていたかなぁ。
勧めた呉服屋さんは「よう見とくなはれ、こっちとこっちで柄がちごてますねん。
こっちは象に乗ったはるんでっせ、どこの国の絵ぇどっしゃろなぁ」なんて、
ことさら特別目を引くような、かわった羽裏でないものを、
そんな風に進めたんじゃないだろか…とか。
一枚の着物、ひとひらのハギレにも、また有名な作家の手になるものにも、
名もない職人さんの型染めのものでも、機械で染められたものであっても、
それがここに来るまでには、たくさんの人の手と思いとが
積み重なっているのだろうと思うのです。
描いた人、染めた人、作った人、縫った人、着た人、
今日もハギレを広げては、一枚一枚の布の持つ物語やおしゃべりを、
そぉっと探るとんぼです。こんなときがいっちゃんシアワセやねん!
まずは、たくさんの皆様から「台風お見舞い・陣中お見舞い」をいただきました。
ご心配いただきまして、本当にありがとうございました。
おかげさまで、小さな庭木の枝が一本折れましたが、ほかは大丈夫でした。
実家が近いこともあり、なにかあったらと思って、
かなり遅くまで眠らずに、NHKを見ておりました。
小田原に上陸した後の進路を見たらウチ「ど真ん中」じゃないの!
ほんとにど真ん中でした。なにしろあの崩れた大きな台風の目、
その真ん中にすっぽりです。なるほど一反静まりましてね、
真上をおとおりになられたよーで…。
あっ今ここが「台風の目」の中かな?と思ってテレビを見たら
「渋谷駅前」は土砂降りのびゅうびゅう…あっやっぱりそうなんだ…。
結局ど真ん中になったおかげで、まわりよりはひどくなかったようです。
心配していた停電もなく、夜が明けました。
それでもまた水のでたところ、おうちの壊れたところ、
不幸に見舞われた方がいらっしゃいます。お見舞い申し上げます。
明日は台風一過、さぁ洗濯でーす。
さてさて「ハギレ」のお話しをいたしましょう。
上の写真は、昨日の「いっぱいハギレ」の中の一枚、子供用羽裏です。
なんたってかわいいですよね。今時は、なんでもキャラクターばやり、
こんなので何か作ってあげるといっても、子供さんたちは
「かっこわるーい」と、嫌がるかもしれませんね。でもこれ「絹」です!
実は数日前「着物にみる戦争」という本を入手しました。
これは、日本が何かと「軍国」の風にふかれていたころの、
着物のなかにある「戦争柄」を集めて検証したものです。
この本については、別途ご紹介させていただこうと思っていますので、
今日は名前のご紹介だけ…。
で、この本にものっているのですが、子供も当たり前のように
「着物」を着ていた時代の子供着物、もちろん大人の着物の繰り回しも
たくさんありますが、子供のための着物は本当にかわいかったり凛々しかったり。
思いつく限りの「子供らしい柄」をならべています。
こんな羽裏のついていた着物はどんな柄だったんでしょうねぇ。
こちらは大人の羽裏、シルクロードをたどってきたら、
どこかの町のお金持ちの家の大きなじゅうたんにありそうな柄。
面白いのは、こちらは「人が馬に乗って獲物を追って」います。
ところがこちらは「象」に乗ってます。よく見ると装束やかぶりもの、
それに弓の形も違います。
どこの国のどんな時代の風俗だとか、そんな細かいことはわかりませんが、
一段ずつ交互に入る柄が、似ているようで実はまったく違う、
こういうところが、もともとこれをデザインした人の思いといいますか、
楽しんで仕事をしているのではないかと、そんなことを思うわけです。
振袖や留袖の裾模様などは、ひとところだけに大きな柄がパッとあると、
それを見て、華やかとかジミとか美しいとか、そんな風に思います。
これはそういうタイプの柄ではなく、どちらかといえばパッと見ても、
入ってくるのは全体の色合いと「なんか壁画みたいな絵」とか
「オリエンタル風」とか、そんな感覚的なことです。
私も最初はまず、この絵と絵の間の中国の「喜」を並べた字、
あのラーメンどんぶりの字ですね、写真では上下にちょっとずつしか
写っていませんが、あまりに大きいのでそちらに目がいき、
次はそれにはさまれたこの絵の色使いのよさに惹かれました。
黒地にインクブルー、白で輪郭をとった動きのある絵、いいなぁ、と。
そしてしげしげと眺めて比べて、あら違う…ときがついたわけです。
これを選んで羽裏に使った人は、そこまで見ていたかなぁ。
勧めた呉服屋さんは「よう見とくなはれ、こっちとこっちで柄がちごてますねん。
こっちは象に乗ったはるんでっせ、どこの国の絵ぇどっしゃろなぁ」なんて、
ことさら特別目を引くような、かわった羽裏でないものを、
そんな風に進めたんじゃないだろか…とか。
一枚の着物、ひとひらのハギレにも、また有名な作家の手になるものにも、
名もない職人さんの型染めのものでも、機械で染められたものであっても、
それがここに来るまでには、たくさんの人の手と思いとが
積み重なっているのだろうと思うのです。
描いた人、染めた人、作った人、縫った人、着た人、
今日もハギレを広げては、一枚一枚の布の持つ物語やおしゃべりを、
そぉっと探るとんぼです。こんなときがいっちゃんシアワセやねん!
子供の羽裏初めて見せて頂きました。
馬に乗っている人は獲物を追いかけて・・・
象に乗っている人は襲われそうになっている
何かのストーリーがあって描かれたのでしょうね。
カウボーイ柄なんて、今でもかわいいです♪
そうですよね、子供も当たり前にきものを着ていた時代があったんですよね。
小学校唱歌のCDを聴いていたら「帰ってくるといつも袂にまといつく、ポチはほんとにかわいいな♪」とかいう歌があり、あー、この時代は子供もきものだったわけだよな、としみじみしました。
この柄を着てちゃんばらごっこなんてね、いいかも。
その犠牲にあわれた方がいらっしゃったとのこと。
けっこう酷かったのですね。
こちら福岡では直接影響がなかったので、TVのニュースを聞きながら、とんぼさんのところでは大変ではないかな。。。と思っていました。
被害が少なくてなによりでした。
始めの写真はてっきり「木綿」かな・・・と思いきや。
子供用羽裏も可愛いのですね。
あまり、古着では子供用羽織はしっかり見ないので知りませんでした。
「着物に見る戦争」って本、ちょっと気になります。
・・・とんぼさんの、古布を熱く語るお気持ち、よーく私にもわかりますw
いま京都は、雷が鳴って激しく雨が降っています。一日中雲って蒸暑いです。
着物の柄の歴史的背景のようなものを連想させていただくと・・・私もちょっと興味が湧いてきます。
面白いものですね。
いつもの事ながら感動いたしました。
さまざまな理由、事情で「不要」と判断され処分された着物が、別の価値観をもつ人の手に渡り、そこで更なる理由、事情により判別、選別され、場合によっては形も変えられ…何度もそれを繰り返されてハギレとなったのでしょうか。
とんぼ様のような愛情深い美意識、価値観が具わった古布好きの方々の元に辿り着いたハギレたちこそ「シアワセ」なのではないでしょうか
正絹で紺ながら、あったんですね、昔は。
絵の物語を考えると、面白いです。
ほんと、象のほうは追いかけられてるんですよ。
狩にいったんじゃなくて、
なにかを「退治しに」いった…のかな?なんて。
花兎様
これの染められた時期って、
たぶんテレビなんてないころです。
ハイカラな柄だったことでしょうね。
子供も着物を着ていた時代、
そこから少し進んでも、たとえば「雨雨ふれふれ」
の歌で「♪蛇の目でお迎えうれしいな」の
蛇の目を知っている子は今いないでしょうね。
昭和さえも、遠くなりにけり、です。
ミッチ様
もしかして、絣の着物でちゃんばらごっこしてた?
うそうそ、でもほんと「ハイカラ柄」だったと
思います。柄も素材も贅沢な感じですから、
ええとこのおぼっちゃんのモノだと思います。
青め猫様
おかげさまで、無事でした。
今日はまだ名残の風がすごかったですけど。
子供の着物は「羽織だけ」と言うのは
割りと少ないです。小さい子だと
アンサンブルででることが多いですね、あと綿入れ。
本については、また近々書く予定でいます。
面白い本ですよ。
Tatehiko様
こちらは晴れましたが、とても蒸し暑くて
夏に逆戻りです。もーいやですねぇ。
着物の柄を見ていると、時代が見えてきて
なかなかおもしろいものですよ。
MH様
これ以上はどうにもなるまい、という布もありますが
とにかく「今はもうない」というのに出会うと、
いとおしいのですー。
使うにしても大切に使いたいですね。