ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

羽織紐の悩み

2013-05-31 22:45:16 | 着物・古布

 

写真は、このところ解きまくった羽織からはずした「羽織紐」です。

ちょっと昔のものらしい、雰囲気たっぷり…。まだまだ使用可能…ちと短い気もしますが。

まずはベンジンのお風呂…それからヤカンにお湯を沸かして房をストレートパーマ?

糸の切れはないので、まだまだいけますし。

ちょっと薄汚れてはおりますが、ステキな組目と色だと思います。

 

         

 

実は…私は織り紐を選ぶのが、大の苦手です。

かつては「昭和丈」の羽織が余り好きではなかったのと、衿が着物の衿になぞえになるのが好きで、

ほとんど道中着ばかり着てきたということもあります。

母は道行が好きで、私にも何枚か作ったり譲ったりしてくれましたが、

道行に関しては、あの「スクエア・ネック」が好きくない~。

考えてみれば、食わず嫌いのところもあったりしますし、

母がいつも「娘らしく」だの「粋なんぞ目指すのは10年早い」だの言うものですから、

ちょっとへそ曲げたり…で、羽織というものから、長らく遠ざかっておりました。

好きな長さでいいじゃんと思ったり、まぁ羽織ってのもおもしろいもんだよね、なんていう

「やっとの成長」から、50代で羽織を気にするようになったというのが、私の「羽織歴」。

早い話が、羽織についちゃビギナーみたいなもんなんです。

まあ色柄などは、問題なく好きなように考えられるのですが、紐、これがねぇ…難儀です。

 

まず、なんかねぇ…羽織の紐って好きくな~い…と思ってしまう。

実はこれ、帯のアタリがゴチャつくのが好きじゃないからなんです。

着物、帯、帯締め、羽織、羽織紐…、しかも帯締めの上に羽織紐…と、

「結び目」が二つ並ぶ…これだけのものを、どうやってすっきりまとめろと言うんじゃ…と。

困ったときの母頼み…で、羽織を着始めたころケンメイに思い出したのですが、

母が言っていたのは「羽織の紐は、あるときはある、ないときはない、がええんや」…なぞなぞかいっ!

つまり、羽織の紐があったほうがいいときは目立たせるように、

あまり目立たせたくないときは、印象を薄く…と、まぁたぶんそんなことだろうと思ったのですがねぇ。

 

羽織紐というのは、例えば礼装に使うときのものなどは、当然「白」などでOK。

それ以外のオシャレ用は、着物の色柄や雰囲気に合わせたものが主になると思うのですが、

皆さんは着物ごと、或いはコーデにあわせて、紐を変えておられますか?

実は、母も羽織はそんなにきませんでした。

人にあれこれ言っておりましたが、母だって道行派だったわけですから。

母の昔の写真を見ると、お下げ髪に、銘仙の羽織など着ているものがあります。

どんな紐だったのか、今となってはわかりません。

 

というわけで、早い話が「私は羽織紐がうまく選べない」のです。

自分の好きな色で帯締めを組んでいただいて、またそれにあわせて羽織紐も組んでいただきました。

この一揃いはお気に入りなのですが…。

 

なんでこんなにまとまりが難しいのか…となると、実は羽織の歴史ということにも関わってくるわけです。

つまり、元々は織りは男のもの。男性は女性のように太い帯は締めませんし、帯位置も下です。

羽織の紐がのるところは、タダの着物の打ち合わせのみ。スッキリしたもんです。

女性が羽織を着るようになったのは、幕末といわれています。

明治には女性も羽織を着られるようにはなりましたが、当初は帯締めを使わない締め方が多かったわけです。

帯の上には羽織紐しかなかった…。それが帯の形もかわり締め方もかわり、帯締めが常用の小物となり…。

でも、羽織はそのままでしたから、カラダの真ん中、帯まわりゾーンに、

いろんなものが集中するようになってしまったわけです。

それはそれなりに、新しい着物文化としてイロイロ考えられて試されて…だったものが、

着物離れが始まり、それでなくとも羽織はなくちゃいけないものではありませんから、

よけいに「こねまわされて、洗練されて」という機会をなくしたんでしょうねぇ。

 

というわけで…多色であわせるのが苦手な私は、羽織紐は帯締めと同じ系統、とか、

あまり目立たせたくない場合はモノトーンとか…さんざん考えて、これを買いました

昔の写真なので、小さくてすみません。「とんぼ」です。これは左右が止め具なので、すぐ止まります。

 

         

 

なにより「結び目が二つ並ぶ」という、私にとっての難題をクリアしてくれます。

素材が糸ではない…というのも気にいってるわけでして。

 

皆さんは、羽織紐を選ぶポイントとか、コーデとか、どうなさっていますか。

ぜひ、参考にさせていただきたいと思っております。

あー、たかが「紐」、されど「紐」…。 


コメント (14)    この記事についてブログを書く
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14 コメント

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こちらこそ (とんぼ)
2013-06-05 20:23:57
呉服屋もどき様

はじめまして、コメントありがとうございます。
なんかゴチャつく気がしますよね。
私も金属とか珊瑚とかが言いなぁとお持っています。
手作りも挑戦してみようと思っているのですが…。
万が一?完成するようなことがあったら、またアップします。
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羽織紐・・・ (呉服屋もどき)
2013-06-04 22:51:09
はじめましていつも楽しくためになる記事を
ありがとうございます。

母は一応、戦前生まれですが
元洋裁のお針子さん、
祖母は明治女ですがはまっこで
着物は式の時くらい・・・と言う人で・・・

なので、こちらで色々と情報を仕入れさせて
貰ってます(笑)

さて、羽織紐・・・。私も苦手デス(笑)
紐と帯締めが重なってゴロゴロする感じとか
何を合わせたら良いのか分からない・・・とか

なので、もっぱら羽織紐でなく
羽織チェーン?をしてます。
トンボ玉にチェーン付きのとか
珊瑚とかビーズのとか。

トンボ玉やらビーズのは自分で
作る事もあります。

でわん
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Unknown (とんぼ)
2013-06-01 21:10:03
陽花様

今の羽織紐って、色優先なんですかねぇ。
昔の羽織紐は、これだけかざってもいいわ、
と思うほど、こった組み方がありますね。
小さなアイテムですが、ポイント高いです。
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Unknown (とんぼ)
2013-06-01 21:08:26
kitty様

羽織も羽織紐も、上手にお使いになっておられて、
すごいですねぇ。
私もあの紐を通すのとはずすのは、
気合入れないと…です。
古いものほど硬くなってて、まさに「格闘」ですね。
我が家には、そんなやさしい交換要員がおりませんので
老眼で間に合わないときは、おでこにつけるルーペまで、
総動員ですわ。
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Unknown (とんぼ)
2013-06-01 21:05:23
さいとう様

私も、羽織紐の時は帯止め、がいいと思っています。
それにしてもあの「乳」というのは、
なんでああ通しにくいですかねぇ。
古着からはずすときは、もうひきちがったろかい…と、
すごいことを考えながら、ちまちまやってます。
金具、いいですよねぇ。
返信する
Unknown (とんぼ)
2013-06-01 21:03:20
ジジ様

手作りモノ、ステキですね。
あまり光るのは似合わないので、
以前陶のビーズをつかったものを見つけたのですが、
角ばっていたのでぶつかると帯が傷みそうで…。
丸い陶器のものなど、探しています。
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Unknown (とんぼ)
2013-06-01 21:00:49
うまこ様

そうなんです。羽織紐自体が、あまりありませんね。
私は近くに古着屋さんがないので(たんすやさんのみ)、
もっぱらオークションで探すのですが、
たいがい「5本まとめて」とか…。
この一本でいいのよ、なんですよね。

いろんな色があればいいかとも思うのですが、
新品は高いですしねぇ。悩みの種です。
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Unknown (とんぼ)
2013-06-01 20:57:54
天鼓様

ほんとにいつも迷います。
羽織にはあってたのに…があったりして。
付け替えるのもほんとに面倒ですよね。
男物のように「S字金具」も考えましたが、
やはりいかついですし…。
無双のものをいろいろ探していますが、
イマイチ気に入るものに出会っていません。
まだまだ旅は続く??
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Unknown (陽花)
2013-06-01 10:33:44
どれも凝った羽織り紐ですね。
昔のは凝ったものが多いですが、最近は
羽織り紐自体組む方が少なくなったのか
問屋さんでも見かける数が少ないです。
最近はビーズなど使った引っかけ式の
羽織り紐が多くなりましたね。
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たかが羽織紐 されど羽織紐 (kitty)
2013-06-01 08:11:55
とんぼさんと違って 羽織紐大好きです!
我が家には 明治生まれの祖母 大正生まれの母 そして 昭和生まれのわたくしめの羽織紐 プラス大正生まれの義母の羽織紐が わんさかとありますので
選び放題!
確かに 帯まわりに紐が重なってうるさいこと!ということはありますが・・・無い頭を振りしぼって ピッタリのコーデができた時の感動はもう天にも昇る感じです!
(ただの自己満足ですが)
それに 羽織紐がピタッと六角形に決まり房が左右対称に収まった日にゃ その日一日気分はルンルン!です!
夏には 絽や紗や羅の羽織の透け間を
お洋服の上にきて楽しむこともあります!
日よけにもなりますし 熱がこもらず快適に過ごせます!ただ難点は不器用なわたくしめは 羽織紐の交換要員として 旦那様を任命しております!
彼も いきいきとして羽織紐と格闘して達成感を味わい
「すごぉ~い!天才!」と一言誉めておけば OK!です!
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Unknown (さいとう)
2013-06-01 00:30:41
わかります。
帯締めと結びが重なるのは、なんとなく嫌です。
羽織紐を結ぶときは、帯どめをします。
羽織紐に玉がついてるときは、帯締めを結び目を出してます。

羽織紐ですが、仕立て屋さんが、残りキレでひもも仕立ててくれたものもあります。生地をほぐして房にして・・・。
自分でビーズで作ったものもあります。
私も、両端を金具にしてると付け替えが便利だなと思います。私は、怠け者なので、便利で楽なものを使いまわしてしまいがちです。
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Unknown (ジジ)
2013-06-01 00:07:29
学生時代からアンサンブルが多かったです。そのせいか羽織大好き。体型カバーも出来るし。でもおっしゃるように前がごちゃごちゃするんですよね。最近はビーズで羽織紐を作り、着物や帯、その時の気分で使い分けています。
ごちゃごちゃしないし、結構簡単に出来るんです。天然石やチェコビーズとか沢山あるんですよ。魅力的な材料。
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 (うまこ)
2013-05-31 23:42:41
羽織の紐といえども、選んで新品を買うとなると高いです。
だから、自然と中古品や新古品・・・ということで、
選べるほど種類がないのもまた悲しいことで・・・
と言うわけで、最近はそのようなリサイクルショップでは
羽織紐の箱をあさるというのが暇つぶしの・・・(^^;)

選ぶ基準は羽織の中の一色。
羽織を選ぶのも着物との色のコーデなので、
羽織紐も羽織の一部のような色にしておけば悩みも少ないです。
リサイクルショップには選ぶほど色もないので、
しぜん珍しい色があれば買っておくということになります。
それ以上に選べるほど物がないのが幸い、ということですね(^^;)

もし選べるほど持っていたら、
着てみてから(気分に)合う物を考えます(^^;)
返信する
羽織紐、難しいです。 (天鼓)
2013-05-31 23:29:58
羽織にぴったりのものが付いているときは、ずっとそのままなんですが、ちょっと違う色とかだと都度都度変えたり、いろいろです。
地味目羽織に、赤が入った紐が付いていたりしたら、これは若向けだなあと変えざるを得なかったり。
で、迷ったときは、とんぼさんのと同じ引っ掛けタイプ、鼈甲とか白珊瑚とか彫金とか、いろいろとオークションで買ったものを使ってます。
赤い珊瑚とかの主張するやつも混ざっているんですが、出番少ないですね~。
なるたけ、紐で付け替えようと思うんですが、付けておいて着てみたらもう一つで、付け替えるには時間切れでいつもの引っ掛け…になることもちょくちょくあり、目立つだけに難しいです。
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