お引取りしました。

 

お姑さんとおばあさんの和服だそうです。

 

今日はお客様が続きまして、最後のお客様は電話で「引き取ってもらえますか」と…。

着物は引き取り価格がねぇ、といいましたら「捨てるより使っていただけたらなので」とのことで、

「今から持って行きます」…と。それでとりあえずお運びいただいたわけです。

 

紫系がお好きだったようで、とりあえず、ざっと並べて撮りました。

まだあるんですが、狭いところで広げたものですから…。

着物は二枚だけで、薄い水色の色無地だけは、色変わりしていて染め替えが必要でした。

右端が紫の小紋。ちょっと私には明るいかな…の紫です。

左端は帯、ちょっとくたびれ感ありです。

真ん中三つが道行きなのですが、織りの変わったものがお好きだったようで、

左のローズピンクは、ふくれ織です。真ん中はウールかと思う感じの重さと質感、交織かなぁ。

右の紫はこれまた近くで見ると面白い織りです。実物はもう少しピンクっぽいです。

 

　　　　　　

 

アップがこちら。変わってますよね。オシャレな方だったようです。

 

　　　　　　

 

帯が数本、ご自分で直しもなさる方のようで、着物からの繰り回しもありました。

この帯、茎にハッパ…ですが、なんか人の顔みたいで、面白いですね。

残念ながら、薄茶の色の織り部分にところどころ汚れアリ。バッグなんかいいですね。

 

　　　　　　　　

 

昔の人らしく、黒絵羽がありましたが「漆」がお好きだったようで、３枚あって３枚とも漆。

写真に撮りづらいのが漆でして、明るくして柄たを出しました。花火のような糸菊のような…。

 

　　　　　　　　　

 

そして一番凝っていたのが、この道行き、たぶん少しお若いときのものだと思いますが…。

なんだか抽象画のような柄と色遣いなんですが、グレーの地に花柄。

よくよく見ましたら、これは地模様が「狢菊」のようで、それが「切りビロード」、手触りいいです。

そこに染を掛けたんですね。じみなんだかはでなんだか、つかみにくいですが、私でも着られます。

実物は、もう少し明るい感じ。

 

　　　　　

 

アップにしてもわかりづらいんですけどねぇ。黒っぽくなっている部分がビロードの柄です。

 

　　　　　　　　

 

色柄より「素材」にこだわった方だったみたいですね。

元の持ち主はまだご存命なのですが、高齢になったので…と言うようなことでの処分だそうで。

手放すのは、せつなかったかもですね。尚のこと、ちゃんとお嫁入り先もみつけないとです。

まだしつけのついたままの者もあって、ちょっとため息。

持ってきた方も、娘さんも、着物は着ないのでと…。

こうやって出されて処分されてしまうものも、たくさんあるのでしょうね。

 

とりあえず、防虫剤のにおいがすごいので、今夜はこのままひろげておいて、

明日はお天気だというので、風に当てます。

詳しい寸法などはこれからですが、ご質問あったらメール下さい。販売いたしますから。

 

というわけで、本日「来客のための大急ぎのそーじ」と、お話、そしてこの着物のお引取りで、

また１日過ぎてしまいました。

金星が太陽の前を通る…だったのに、雨、そして曇り…。

お客様を送り出して「あら、日が差して…天気になったわねぇ」の時は、もう太陽は西に傾いておりました。

１００年先まで見られないそうですが、まっ別にね。テレビで見られたし…。