ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

八掛の裏技?…

2012-06-07 18:52:38 | 着物・古布

 

昨日の「お引取り」させていただいた着物の一枚。水色の色無地です。

写真のとおりの色変わり…もったいないですねぇ…。水色ってたいがいこうなりますね。

地は「裂ばめ」で、いろんな柄が入っています。

紋は五三の桐、紋の上には紙がついたまま、「しつけ糸」もついたままなんです。

それにしてもすごい色変わり…かわいそうで泣けてきます。

 

      

 

色から言って、お嫁入りに準備されたものでしょうかねぇ。帯を変えれば長く着られる色ですから。

 

で、八掛の裏技…ってなんだ…なんですが…。

お引取りするとき、これはもう広げなくてもひどい色変わりでしたので、

最初からこれは着るものとしてはムリなので、と横にはじき、

お帰りのあとに、匂い飛ばさないと…と広げたら…

こちらが八掛、裏まで色変わりしていますが、なんか「斜め縞」のもようが…ですね。

無地着物の八掛は、表とまったく違う色柄を使ったりもありますから、無地でないことは珍しくないのですが、

織りで「柄」、しかも斜めの縞…は、見たの初めてです。

 

        

 

そしてもっとビックリが…ズームしました。見やすいように斜めにして…。

 

      

 

なんと「お名前」です。間のチョボチョボ柄は「#」柄。

マキ子さん…おばあさまか、お姑さまかわかりませんが…。

まぁ柄としてどうかといわれますと…私ならこの大きさなら縦縞にしたかったなと思いますが…。

それはともかく…もしかして、姉妹とか母娘で同じものを同時に作って、

表は同じでも、裏を見ればすぐわかるように、八掛の名前をそれぞれに誂えたのでしょうか…。スゴイ…。

江戸小紋などで、右の下前などに落款のように名前を入れてくれる…と言うのは

聞いたことがあるのですが、これは初めてでした。

いずれにしても、これは「染め替え」しませんとどうにもなりません。

八掛一緒に染め替えたとしても、私は名前チガウしなぁ…ですねぇ。全国の「マキ子さん」染め替えて、いかが?

 

ほかの和服を拝見しても、なかなかいいもの、凝ったものが多いので、

それなりに裕福な方で、着物もお好きだったのでしょうね。

持ってこられた方の年齢からいって、お姑さんにしてもおばあさんにしても、たぶんもう80以上。

私の母と同じくらいだと思うのです。

 

これも昨日は置く場所なくて出さなかった帯。なかなか優しい菊柄です。

 

         

 

全通…に見えたので、袋帯の作り替えかな…と思ったら、

こんな「繰り回し」が…。私、和裁はちゃんとやっていないのですが、

このカーブ…どうみても羽織の衿のくり、なんですが…。つまり羽織りの作り替え。

最初に裁ったものを戻してありますね。縫い代分ズレたわけです。

 

    

 

その先はこんな感じで「つぎはぎ」です。

締めれば中に入りますから、全くわかりません。

 

         

 

 

パッと見て単純に「金銀の織り帯」と思ってしまったのですが、よくよく見れば、

本来、菊と菊の間の白いところ…は、織り帯なら当然そこもしっかり厚手の織り地になるはずですが…。

こんなふうにつまめちゃう薄さです。つまり「お召しの羽織」だったってことですね。

 

       

 

しっかりさせるために、厚手の芯が入っていまして、最初から帯地みたいです。

これは柄が金銀なので、礼装はムリでも、ちょっとだけフォーマルな程度…くらいなら締められますね。

これが羽織だったとき…けっこう豪華だったでしょうねぇ。

でも礼装には着られませんから、オシャレな小紋にでも羽織っておられたのでしょうか。

せっかく作り替えてまで残された帯です。落ち着き先を考えなくちゃですね。

 

今日は、息子がちっと不調になりました。別に発熱とかではなく「だるいよぉ」という感じ。

昨日肌寒くて今日は暑い…ですからねぇ。

そろそろ梅雨入り、皆様も体調万全に…と、いってるあたし、さっきクシャミ連発しました。


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4 コメント

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Unknown (陽花)
2012-06-07 21:15:18
八掛を染めじゃなく別織とはすごいですね。
それにしても一度も袖を通さないままで
色ヤケとは悲し過ぎますね。

菊柄の帯は、言われなかったら最初から
帯地だと思いますね。

この変な陽気には体がついていきませんね。
お互いに気をつけましょうね。
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Unknown ()
2012-06-07 21:59:38
腰痛 骨折痛と痛みが来ていますので
お天気は下り坂になるかと・・・

水色の色焼けは 悲しくなる位 激しいですね。
私もブルーグレーを持っていますが
(持っていました の過去形かな
昔の反物幅なので狭くて 
染め直しをして仕立て直しするのも勿体なくて
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Unknown (とんぼ)
2012-06-08 14:37:01
陽花様

こんな八掛初めてです。

それにしてもこれだけ色が変わっていると、
いっそさっぱり、あきらめもつこうというものですが、
着られてないのに、ほんとにもったいないですね。

今日、そちらはもう梅雨入りとか。
こちらもすぐですね。
お互い腰や肩に気をつけましょうねぇ。
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Unknown (とんぼ)
2012-06-08 14:41:14
惠様

ほんとに「体調」で天気がわかるってのも、
いいのか悪いのか…。
私もちっと肩が…です。

とりあえず解いて洗張り状態にしておけば、
いつでも好きなようにできます。
着物より場所とらないし…(これが一番だったりして)。
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