こちら題名を見て大急ぎで入札したものです。
こういう本の価格はあってないようなものなのですが…実は古い婦人雑誌を多く扱うところでは、
けっこう高いもので、「主婦と生活」などの付録本など、時にゼロが4つつくこともあります。
これはなんと…さんびゃくえん…はい、300円でした。ありがたかったですー。
着物や寝具などの作り方付録本は、けっこうあるのですが「帯」ばかり、
それから「袴」の縫い方が載っているものは、あまりありません。
まぁ見たところで、私には袴なんか縫えやしないんですけどね。
見ているだけで、ややこしくて「プリーツスカート縫う方がよっぽどラクだわ」…。コレコレ。
で、まぁこんな感じでいろんな帯の作り方が載っているのですが、今日のお話は「結んだ形」。
古い帯を入手して締めてみようと、ためしにたたんでみると、お太鼓の真ん中にうまく柄が来ない場合があります。
たとえば「どうしてもお花のテッペンが、帯枕の中に入ってしまう、それをちゃんとお太鼓位置にだすと、
残り分が多すぎて、たれを出して結ぶと、折りたたんで中に入る部分が異様に長く上のほうまでかかってしまう…。
どうやって結んだんだろ…なんて思うんですけど、実は締め方そのものがちがうんですね。
戦前の婦人雑誌で後姿の映っているものは、総体に「お太鼓がおおきい」です。
この本の写真もこんな感じ…。いやそれにしてもこの帯ホシヒ…。
もちろん「目的」にもよるのですが、普段帯でも、お太鼓も大きくたれも長くでていて、
真ん中のふくらみも大きめです。
この本の最初のページは、礼装向きのものですが、少し大きめという気がするんですが…。
真ん中の福良雀みたいなの、風車の柄、これもいいですねぇ…。
こちらは、別の本の「繰り回し」で作った帯の写真です。
おおきさもですが、お太鼓がテッヘンも丸いし、たれも長めですね。
こういう締め方をすれば、柄がたくさん出るわけです。もう一枚。
これが普段冲の普段…という感じでしょうか。
戦後、着物の着方自体が、洋風な雰囲気を目指した時期もあって、シャープとかモダンとかに走り、
帯は、荷物しょってるほど大きくは締めなくなりました。
普段着ほど、こぶりにテッペンも丸くせず、たれもほどほど…。
すっきりといえばすっきりなんですが、お太鼓のテッペンの丸みとか、結んだふくらみとかは、
若さとかやわらかさをアピールするわけで、イマドキのお若い方が、お太鼓を小さくまとめているのを見ると、
ちょっとさびしいなぁなんて思います。
元々「お太鼓」の結び方と言うのは、亀戸天神の太鼓橋の完成祝いに結ばれたのが始まり…
といわれていますが、太鼓橋のイメージであれ「太鼓」に似ているからと言う理由であれ、
「太鼓」は丸いもの…からの発想です。
それを思えば、お太鼓のテッペンは、まぁるいカーブが妥当…なんですよね、ほんとは。
まぁ今は、イロイロなことが変化して、お太鼓と言うのも名前だけ残っている按配ですが、
その人のイメージや、そのときの着物の雰囲気に合わせて、こんな感じでクラシックにしめてみるのも
いいんじゃないかな、なんて思っています。
もう一枚、これは銘仙帯の繰り回しだそうです。
今こうしていたら「あの人お太鼓曲がってる」と言われたり、お直しおばさんが飛んできて、
「ちょっと、あんまりひっぱるからこんなに曲がるのよ」なんて、チャッチャと直されちゃいそうですが、
こんなふうにお太鼓部分を少し持ち上げたり、逆にたれの左右の高さを変えたり…。
そういうのって当たり前にしていたんです。母もいつも、たれを少し斜めに上げていました。
粋な感じでしたね。
今の着方は着物にしても帯にしても、なんかキッチリキッチリ、まっすぐまっすぐ…ですが、
もう少し自由に楽しんでも良いと思います。
もしもお直しおばさんに出会っちゃったら、
びしりと「好きでやってるんです!ほっといてちょーだいっ!」と、いうように!
梅雨入りの上、台風接近で雨・あめ・あめぇぇぇぇです。
願わくば、北へ到達の前に消えるか、コースが海へ行くか…になりますように。
こんな天気ですが、ゴーヤは元気で伸びています。
古い本は、その当時の流行が見えますね。
後ろ髪刈上げの女の子もワカメちゃんが
流行ったころなんでしょうか。
正装でしか着物を着なくなって、帯はガッチガチの袋帯、着物雑誌のあの形は織りの帯か固い芯を入れた物だからなんですね!
昔のクタッとした帯を結ぶとどうしても帯山が絵に描いたようにはならないんです。
車に乗ったりするとすぐ歪みますしねぇ。
そしてそして!
昔って、オランダ線を出して着ていたんですね!!
良い物を見せていただきました。
それにしても、昨今のガチガチ着物ルールって、よほど強引な人が声高に「ねばならないんです!」ってやったんでしょうねぇ・・・・・
古くてもすごくモダンですよね。
イマドキない柄です。
わかめちゃんスタイル、昔はみんなこうでしたよね。
おかっぱあたまなんて、今の人わかるかしら。
今の帯は固すぎるとおもっているのですが、
硬いから形がつく、形がつくからそれがいい…みたいな、
言葉は悪いですが「悪循環」みたいな気もします。
どっちもあっていいじゃないかと思うんですけどねぇ。
柔らかい帯の場合は、むしろお太鼓の山の裏側を絞る感じで、
丸く仕上げれば、崩れにくいと思います。
帯は今はオランダ線のない方が多いでしょうね。
結界とも言われる線ですから、あるほうがしまるとおもうんですが…。
一寸前まではそうだったんですね。。。
これが流行というものでしょうか。
今はあまりに型どおりですね。
つまり、いかに着物を着ていないかということなんでしょうねえ~~
洋服なら裏返しから穴あきまで何でもありですものね。。。
良いものを見せて頂きました。
こういうのを見ると、テキトーに好き着ようとおもいます(笑い)。
一度着物が着られなくなって、着付け教室やらで、
キレイな着付けが当たり前になり…帯は形作るのにいいように硬くなり…。
まぁいろいろな要因が重なったのだと思いますが、
「応用編」がいっぱいあるのが着物の着方なんですよ。
好き~~に気楽ににきて楽しんでほしいものです。