ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

悩ましい帯

2007-10-11 21:40:48 | 着物・古布
元々アンティークですし、裏の色が違いましたので
「作り直し」であることは、わかっていたんですが…。

置いてみたところはとぉってもきれいな「オウム柄」、南国風でエキゾチック。
ところがですねぇ、普通にお太鼓にしようとすると、こうなります。
ちょっと折ってみただけですが…、


   


おーむさん、尻尾しか見えません。
「オウム」をお太鼓にちゃんと出そうとすると、
折り返しがこんなに長くなってしまいましす。お太鼓、ながっ!


      


引き抜きのようにしても、今度は裏が色合いとして紫はともかく、
たれの部分にはこの柄ですから、あんまりかっこよくないように思います。


      


そしてこの帯、真ん中に界切線とこんな柄が…。


      


帯の長さは、アンティークにしては珍しく360㎝あります。
ところが、220センチまでに柄が集中して、残りは地色だけの無地。
こんな感じ…、


  


いえ、作り変えですからいろいろあって不思議ではないんですが、
一番の謎は「界切線」と「界切線」の間が、220センチしかないこと。
帯についてお分かりの方なら、あらまぁと気がついていただけるとおもいますが、
通常帯の長さは370~400くらいです。
界切線は、その両端の10センチ程度入ったところ…なわけですから、
当然「線」の間は350とかそのくらいなければなりません。
それが220、しかも、この柄ですが、花の色が紫なのはここ一箇所だけ。
通常こういった続き柄だと、赤と青の花と鳥、次は紫と黄色の花と鳥、
そしてその繰り返し…というのが普通です。
それがこの帯は赤と青の花の繰り返しなのに、ここだけ花が紫、
しかも花も片側、鳥はシッポだけしかありません。
なーんか中途半端なのですよね。
で、よくよく見てみると、この真ん中の「界切」は界切りっぽくありません。
いろいろ考えまして、ひょっとしてこれは見本として
途中まで織られたものではないだろうかな、とか
本当は花の色が変わる予定ではなかったのに、
糸のセットを間違えて、紫の花を入れてしまったので、
あっこりゃ失敗、と、柄をとめてあとは無地で織ったのかな…とか。
つまり界切りではなく、単なる「柄止め線」、ですね。

ためつすがめつ見ておりましたが、これといって結論がでるわけではなし、
それに、このままではどうにもなりませんから、
いっそ「作り帯」のほうがカンタンでいいと思います。

柄の部分はおおむねきれいですし、糸が抜けてるとか
ボロボロというのもありません。一箇所小さな穴がありますが、
作り帯でお太鼓に響く場所ではありません。ほんとにきれいな帯です。
ナントカしたいですねぇ。

半日こねくり回していたら、なんか気分もトロピカル~です。

追記  刺繍のよう…ホントに写真だとそう見えるんですよね。
    でも「織り」です。

   

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9 コメント

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おもしろーい (みやざえもん)
2007-10-11 22:20:47
そもそも、紫陽花とオウムの組み合わせって…、
そして、赤の紫陽花って…??
普通で考えると、青と紫の紫陽花の繰り返しならまだわかりますが、赤って…?どうみてもピンクじゃないし。修行中のお弟子さんが織ったにしては柄が手が込みすぎているし…。
絵でいうところの下絵というか、試し織り?帯の機を使って織ってますが、この段階では帯のつもりはなく、図案として織ってみたとか…。
うーん、想像をかき立てる帯です。
とんぼ姉さま、ぜひ作り帯にして見せてくださいませ。
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長さ考察 (うまこ)
2007-10-11 22:51:17
帯真ん中のオウムが逆立ちしていることから、
やはり引き抜きで結ぶのが順当でしょうか。
裏が付け替えられていることから、
元々は、引き抜きでタレの裏が見えてもいいような模様、
ことによるとオウムのしっぽだったとか。
紫のオウムは謎ですが
黒いところは手先と胴に巻く無地部分、
と考えると長さが何とか合うでしょうか。
それにしても胴の前に来る模様が考慮されていないというか・・・
不思議な帯であることにかわりはないですね。
撫松庵の新作のオウム帯によく似てますし、池田重子氏のコレクションにも
大きなオウムがいたので、
大きなオウムは定番なのかもしれませんね。
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手習いか? (maymayman)
2007-10-11 22:57:24
とんぼさん?
これホントに織りですか?
昔の刺繍のように感じますが・・・
それにしても不思議・・・刺繍の勉強か・・・
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Unknown (陽花)
2007-10-11 23:21:22
私も見た感じは日本刺繍のように
見えましたが・・・
それにしても不思議な帯ですね。
こういう帯を持ってきて着付けを頼まれたら
どうしょう・・・と思いますわ。
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Unknown (とんぼ)
2007-10-11 23:56:43
みやざえもん様
ためし織りとか、その範疇のような気がしますね。
ところで、これ、花はどう見ても
「アジサイ」に見えるのですが、
葉っぱは「ヤツデ」みたいなんです。
想像上の花か、それとも南国には
こういう花があるのか…。
謎プラスワンです。


うまこ様
さいしょに引き抜きを考えたのですが、
それでもとりあえず柄部分が変なまとまり方、
途中で切れてる…やっぱりちゃんと販売する
「製品」ではないみたいですね。
オウム柄や、大きな南国の木の柄ってのは
いろいろありますね。
着物もそれに合わせたんでしょうけれど、
目立つがらですねぇ。


maymayman様
「織り」なんです。追記でアップしました。


陽花様
こんな帯持ってこられたら、ほんと悩みますね。
でもありえない話じゃありませんよね。
きれいだから買った、なんていうだけの人だったら
説明からしなきゃなりません。
やっぱり、前日までに「お荷物チェック」ですねぇ。
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Unknown (ゆん)
2007-10-12 11:03:49
 ・・細かいことを考えないけど・細かい作業が得意なインドの人が日本の「サッシュ」を見て、織ってみた帯。みたい。
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Unknown (とんぼ)
2007-10-12 19:12:30
ゆん様
インドと日本が逆かなって思うんですけど…。
アジア系って「指先器用」っていう感じありますね。
西洋人が不器用ってわけじゃないけど、
昔、会社である部品に塗装をかけるのに、
日本人は「エアコンプレッサー」で、
細かいところまで均一に吹き付けて塗りたい、
というのに、共同開発のアメリカ人が、
「そんなものペンキの桶にドボンとつければ
一回で全部あっというまに塗れる」、
日本の技術者が「そこの違いなんだよ!」って。
これって象徴的ですよね。
そういう気質の違いみたいなものが、
文化の違いでもあるのかな、なんて思います。
インドや中国、日本、さまざまなアジアの国は、
お互い切磋琢磨して今みたいなすばらしいものを
作り上げてきたんでしょうね。
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Unknown (青め猫)
2007-10-14 23:08:11
着物の知識が余りないのですが、一目見た感じでは「私好み」です(≧▽≦)!
着物として上等かそうでないは別として。
あまり私は気にならないので。

これ、それにしても柄も不思議だし気になる帯ですねぇ。
「サイケ」な感じが良いです

私は作り帯にして、着たいなあぁ。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-10-15 00:47:02
青め猫様
これ、そのままきれいに織り上げられていたら、
とてもお高い帯だと思います。
作り帯でいけると思いますが、着物選びますね。
南国っぽい花柄とか、白地のあっかるい紅型?
トロピカルに締めてもらいたいですね。
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