ド迫力の「ライオン」くんです。
眼の辺り鼻のあたり、ちょっとマンガっぽい感じですですが、
鼻と口の一かたまりの部分だけでも、私の顔くらいあります。迫力あります。
それにしても、この羽織を着ていた人に会ってみたいものです。
表は羽二重の五つ紋、すでにヤケてちょっと白っちゃけてきていますが、
羊羹色ではないところを見ると「藍下」で、染めはいいもののようです。
お金持ちの余裕の「お遊び」・・と言う気がしますねぇ。
もう一枚、下のものは昨年11月12日にアップしたもので、
同じライオンなのですが、こちらはリアル系?、どちらがお好みですか?
どちらにしてもフシギなのは「足」の描き方。実物観察していないので
よくわかりませんが、ネコ科の爪と言うのは普段はひっこんでませんでしたっけ。
まぁ迫力のために描いたのかもしれませんが、それにしてもなんか平べったくて
裏向きっぽく見えますね。上のライオンくんなんか、最初両方内側向きかと?
なんか「おっしゃぁ!」とガッツポーズしてるようにも見えてしまいました。
ライオンは「獅子」といわれます。これは「百獣の王」
つまり「師」一番上、というところからきているようです。
たんぽぽの洋名は「ダンデライオン」といいますが、私は花の感じが
たてがみのようだからかと思っていたら、たんぽぽの「葉」の形が
ライオンの「歯」に似ているからだそうです。
獅子は元々中国・日本にはいませんでしたから、
まずは遠くエジプト・アフリカから、それを写した絵や彫刻が遠く運ばれ、
中国や日本の獅子になっていったのでしょうね。だと思うんですが・・。
お次は、粋な一品「きせると煙草入れ」、それだけでは寂しいところですが、
バックの十字柄が、なんとも効いているとは思いませんか?
塩瀬羽二重、五つ紋の紋付です。残念ながら少し汚れやシミがありますが、
柄のところは辛うじて助かってます。さて、どう使うか・・・。
実は、この羽織は「5枚一組」でオークションに出されたもので、
私はこの2枚がほしいばっかりに、久しぶりに「タタカッテ」しまいました。
こういう羽裏を見ると、まずはこれを描いた人、そして「これがいいねぇ」と
選んだ人、そういう人のことをふと思います。もしかしたら誂えだったかも。
当時羽裏といえば額裏が数多くあった時代であったとしても、
こういう柄はかわっていたのかもしれません。
だとしても、紋付という正式なところへ着ていくものの背中に、
ちょいとナイショでこんな絵を入れる・・このシャレ心が粋じゃありませんか。
婚礼に呼ばれて「三国一の花嫁・・」とかなんとか褒めちぎりながら、
背中じゃ獅子がほえていて「どーせ3年もたちゃぁ獅子にかわるさ」なぁんて。
こちらも一緒に来たもの、さらりと描いた薄墨の月、しかも半分もありません。
それでも満月だと思うのは描き手の技量でしょうか。
何かに驚いたのか、それとも、月がでるころまでエサをあさっていたのか、
今まさに、安全に身を隠すことのできる葦の原におりようとしている・・・。
一瞬を切り取ることの難しさは、一昨日の「二人袴」の羽裏でも感じたことです。
現代でも、すばらしい「絵」を着物や羽裏に描く人はおりますが、
そういうかたは「先生」と呼ばれるようなかたになってしまっています。
昔は、こういう絵を描く人は単なる「職人」、どんなにいい絵を描いても、
誰にも名前を知られることなく、その絵だけが残ってゆく・・。
画家と言う職業なら、売れなければそれまで。
絵も人も、誰にも知られず朽ちてゆくのでしょうが、羽裏であったがために、
こうして残っている、人の目にふれ「いいねぇ」と言わせる。
名も知れぬその職人が、たしかに「仕事」をしたのだという証ですね。
私は「作家モノ」と呼ばれるものは、それなりにすばらしいと思っております。
人に認められ世に知られるということは、それだけの技量があるわけですから、
今あるものが、また五十年百年先に名も着物も残していくのでしょう。
それゆえ展示会などではたっぷりと「眼正月」をさせていただきます。
そういうものは、およそ手のでないものばかり・・。
それゆえ、今の世にただ「好きな絵を羽裏に描く」職人さんがいないものかと、
都合のいいことを考えている私です。
たとえ山水画の額裏でも「プリント」じゃあねぇ・・・。
額に入れて飾っても、十分いけそ~
ちょっと昔だったら、枕屏風に仕立てるところかも
しれませんね。
あっ、でも、この羽裏を女物の羽織につけても、
とぼけていて、面白いかも~~
私、最初の頃にアップした「楠木正行」の羽裏、自分の羽裏につけてもらってます。女だからといってお花柄でなくたっていーですよ。このライオンだと、もしどこかで脱ぐことがあったら、ちょっと勇気いるかなー。
百福様
HPアップしたら「羽裏」も販売予定です。うちは変わったのしかありませんので・・・。普段着用にどーぞーと今から営業してどーする・・・。
絵を描ける人を尊敬しますね。
よく孫がうさぎさんを書いてとか犬を
書いてとか言うんですが、ばあばは絵が
下手だからと言ってもそれでも書いてと
言われ書いたらこわ~い!といわれる
始末です。娘には大笑いされるしね。
けっこう嫌いじゃないんですが、思っていたのと
ゼッタイ違う仕上がりになるという「迷人」です。
お孫さんのリクエストには、答えてあげなくちゃ!
つらいところですねぇ、がんばって!
あのねずみと大根の羽裏は、「お伊勢参り講」を連想しました。
おお、にわかファン、私もよく「なります」。
羽織の裏ってほんとに不思議な存在です。みえるわけじゃないのに、なんでもいいってわけじゃないんですよね。洋服の裏は、表に響かないように、とか色を合わせるとかありますけれど、着物の場合はたとえ見えなくても着物の「一部」なんですよね。
お伊勢参り・・なるほど、あの打出の小槌の中は、どうもお伊勢さんの説明みたいですね。
羽織脱いだら、獅子。。。 なんか、すごく
おっかっしい、きゃはっ
すみませーん。「月に雁」これって屏風とか
衝立向きですよね。三尺の押入れ用ふすまでも
改造して、衝立にして見ますかね。
ジサマに大工やらせて・・・。
きせる柄、禁煙席ばかりの新幹線で着たい?!
できるようにすると、面白いかも~
でも、どうやるんだろー
スナップ、ファスナー、マジックテープ、、、
うーん、いい方法が、思い浮かばない。。。