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ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

ちょっとまた介護のお話しです。

2009-06-21 20:01:21 | 介護・福祉
コレも福祉機器なんですよ。
トランスファーボード、とよばれるものです。

大きさ比較に何か置けばよかったのですが、
横は1メートルくらい、丸いところは直径30センチくらいです。
これはベッドから車イスへ、とかその逆とか、また車イスから車の座席とか、
そういうことを「移乗」といいますが、そのためのボードです。
今はいろいろなものが出ていて、もっと手軽なものもありますが、
これを買ったときは、もう20年近く前ですが、
つかえそうなものは外国製品しかありませんでした。

円盤がみぞにそって動きます。左の方へうごかしたところ。


   
  

これは片側の丸くなっているところに円盤を滑らせて持っていき
ベッドに起きて座った人のお尻の下にすべりこませます。
反対側の丸くなったほうを、車椅子の座席に乗せます。
あとは溝にそって「円盤」をすーっと滑らせると、
乗っている人は立たずにそのまま車イスの座席まで
移動できるわけです。円盤自体もくるくると回るので、
体の向きは自由に変えられます。

今はたとえばお風呂の縁にのせて、そこから腰をずらして湯船に入るものなども
同じ呼び方で売られています。
私が毎年「ハガキ」をご紹介しては「今年は行きます」と言っている
「福祉機器展」、たいがい時期的に息子の体調が整わないあたりなので、
毎年行きそびれています。
もし「介護」というものに遠からず直面しそうなかた、一度行ってみてください。
今年は9月29日から三日間です。毎回10日くらいやってよぉと思います。
HPはこちら
ついでのことに同じHPの中の商品紹介ページです。
何か調べたいものがあったら検索してみてください。

介護用品というのは、情報が少ないのです。
ネットが広がって、ほんとに増えましたが、今度は使い方の情報がない…。
つまり「ほんとにそれでいいのか」です。
先日の車イスでもそうでしたが、人によって必要な機能は違う、のです。
そういう意味では、レンタルなどの品物も、
一番基本的なものしかおいてありません。
家の中で車イスになったらコタツに入れない…そんなときは油圧式などで、
座面昇降する車イスもあります。
但し、それはどこにでもあるものではありません。
そして介護保険が使えるとか使えないとか、そういうこともかかってきます。
本人の負担分が増えたりしますから、その辺の知識も必要です。

また、障害者手帳があると、何かと補助してもらえる、ということがあります。
例えば高齢で脳梗塞などでマヒが出た場合でも発症から半年たてば、
障害者手帳がもらえます。もちろん、医師の診断書だの、ランクだのと
いろいろめんどうなこともありますが、あるといろいろ使い道はあります。
また、その人が世帯主であるとかどうとか、そういうこともかかわってきますが、
例えばNHK受信料の減額とか、車で病院への送迎などをする場合は、
そのための車の自動車税が免税になったりします。
逆に介護保険と障害者手帳の併用ができるとかできないとかもあるとおもいます。

福祉ってものは、税金払えのように、間違いなく、もれなく
「むこうから言ってくる」がありません。
こちらで調べて、積極的に聞いて、何かこちらが使える制度はないかと、
アタマ使わなきゃなりません。そのかわり探すと使える制度があるものです。

たとえば「お風呂のリフト」も、いろいろなものがあります。
最初から設計のなかに入れて建築しなくても、あとからつけられるものも
いろいろあります。そのリフトも、イスに座らせて
そのイスごと吊り上げるものと、スリングタイプといって、
メッシュなどの布製の袋のようなイスに体を収めて吊るものとあります。
それも、その人の障害の症状によります。
また電動もあれば、つりさげたあと、手で押して動かすものもあります。
またリフトまで大げさにしなくていい場合は、入浴専用の車イスもあります。
またお風呂のふたのようなものの真ん中に切れ目があって、
ずりずりとフタの上まで移動してその切れ目のところまでいかれれば、
スイッチひとつでその切れ目部分が「イス」になっていて、
そのイス部分だけが、湯船の中におりていく、というのもあります。
そういうものの設置も介護保険とか手帳があると補助があります。
もちろん「ぜんっぜん」十分ではありませんが…。

福祉車両、というものもありますね。
助手席が回転して出てくる、とか、後ろのハッチバックをあけると
車椅子ごと乗れる、とか、最近は、助手席側から車イスのまま乗れる、
なんてのもあります。ただ、こういうとききをつけるのは、
実際にそのひとを車椅子に乗せて玄関でてから車イスに乗るまでの動線と、
周りの状況です。とりあえず、車を入れる車庫は
通常よりひろくなければなりません。
助手席側に乗せる場合は、ドアを全開できるヨユウが必要です。
車イスごとではなく、車イスから助手席をウィーンと回転させて出して、
移乗させるとき、となると、ドア全開で、その間近に車イスが入って、
更にこっち向いてるイスにその人を座らせて…のスペースが必要です。
介助の人がそこでかかえあげて座らせたりするスペースです。
また、ハッチバックをあけるなら、上まで全開しなければなりません。
通常の住宅についているカーポートのスペースではムリなことがあります。
我が家は比較的広く取ったのですが、それでも、助手席に息子を乗せるのに、
ドアを全開すると、運転席側のドアは30cmくらいしかあきません。
結局一度車を前の道路まで出して…になったりします。
そうなったときは、今度はその道路の状況です。坂道だったりしたら泣けますね。
実は我が家では毎度これで苦労しています。
なにしろ角地ですから、右側の坂道を登ってくる車がある、
そうすると、家のまん前の、こちらの都合のいい場所に止めると、
坂をのぼってきた車がまがれません。
だから少し先に止めます、そうすると、ちょっと間違えると、
お隣との境のフェンスにかかって、助手席のドアが全開しなくなります。
ほかの車に迷惑にならないように、少しでもこちらが介助しやすいように…。
そんなこともかんがえなきゃならないわけです。

それと、助手席がウィーンと半回転して、下に下りてくる、
というのは一見よさそうなのですが、完全に下まで降りて、
イスが止まるまで、いくらか時間がかかります。
座って上がっていくのも同じだけ時間がかかります。
普段はいいんですけどね、天気の日ばかりじゃないんです。
屋根のあるところでないと、雨の日はいくら傘差しても車の中も濡れます。
介助者はもっと濡れます。
それにたとえば移乗させるのに、「お姫様だっこ」で移乗させる程度の
体の小さい人軽い人の場合は、下に下がったイスに抱えて下ろすのは、
介護者の腰の負担が大きいのです。
どうせ「だっこ」で移乗させるのであるならば、乗り込む車の座席も、
少しでも高いほうがいいのです。
自分で立って、何とか車に乗り込むことができるというなら、
下までおりてこなくても、助手席が左へ回転してイスが外を向いてくれるタイプ、
これだとイスにすわればあとはイスが中を向いてくれます。
車イスごと乗れますという車でも、そのひとの状態によっては、
だれか介助者がついたほうがいいのなら、車イスが後ろに載るタイプより、
助手席に乗るタイプのほうが、介助がいなくても、
運転者が状態を把握しながら走行できます。
介助者も一緒に乗ったときは、運転を人に頼んで、
介助になれたひとが後ろにつきそえばいいのです。

それを見てこりゃ便利だと買ってみたら、実際には使いにくかった、
なんてことがあるんですね。
「でなければならない」「のほうがいい」といわれていても、
本人の状態、家の構造やトイレの向きや、廊下のつき具合で、
使えたり使えなかったりししちゃうんです。

身近にいないとわからない知らない、ということがたくさんあります。
高齢化社会であり、福祉は氷河期です。
積極的に情報収集して、少しでも使えるもの、使える制度、限度を
把握しないと、もったいないです。
便利なものは使う、そうしてあげることが、
どっちもが少しは楽に暮らせるのです。

最初にご紹介した「福祉機器展」ですが、近くなってくると、
その年発行の分厚いカタログが販売されます。1000円だったと思います。
いかれなかったら、それだけでも通販で買うと、ありとあらゆる商品と、
その販売元が記載されています。

息子と暮らして25年、いろんなものを見たり聞いたりしてきました。
老人介護とはまたちがいますけれど、共通したこともいろいろあります。
何かあったら質問してください。わかる情報はお知らせします。

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6 コメント

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Unknown (陽花)
2009-06-21 22:25:45
実際に介護をしてみて、ぶち当たって勉強して
の繰り返しなんでしょうね。
頭でいくら考えても、そういう細かな事まで
予測できませんもの。
夫婦二人の内どちらかが介護が必要になったら
お互い高齢で悲惨な状況になる可能性は大ですね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-06-22 17:29:21
陽花様
やっぱり「実践」なんですよね。
実家の老々介護を見ていると、
そう遠くはない自分たちのことを
ふと思います。健康でありたいと
誰でも願うことだけれど、
こればっかりはねぇ…。
返信する
自分も、子どもも一緒に...。 (akkomam)
2009-06-23 15:04:54
  古稀を超えますと、いろいろなことが心配になって
  きます。備えあれば...と、施設の広告などに
  注意したり、介護の放送などを見聞きして知識をと
  思いますが、いざ!!というときに子どもに伝えられるか
  どうかは定かではありません。
  それに<まだ、大丈夫!!>なんて思っているでしょう。

  遠くない将来のこと、その場にたたなければわからない
  ことって多いのですね。
  いつもとても参考になります。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-06-23 21:41:58
akkomam様
「転ばぬ先の杖」と申しますが、
私の母などは、まさしくそれを言ったのに
「年寄り扱いするな」とおこりましてねぇ。
モダンな杖をプレゼントしても、
何年も玄関にぶらさがっておりました。
よれてから使ったら当たり前だから、
いまからさっそうと使えって、
いったんですけどねぇ。

情報だけは、持っていて損はありません。
福祉の道具も日進月歩ですから。

母に紙パンツをはかせるのに、
とても時間がかかりました。
抵抗があるのはわかるんですけれど、
「いよいよこれを使うようになってしまった」と
そう思ってしまうんですね。
もっと前から、外出などに使えていたら、
もう少し抵抗なく使えたと思います。
今は長命になっていますから、
自分の意識をかえていかないと、と
そんなことも思っています。
返信する
バスボードについて (ノンノ)
2013-04-21 20:21:15
はじめまして。移乗用具のピッタリくるものがなく検索を長い間しておりましたら、こちらにたどり着きました。こちらで紹介されているバスボードが見つからず、思い切ってコメントしました。もしご存知であればメーカー、販売先、お値段お教えいただけませんでしょうか。宜しくお願い致します。
返信する
こちらこそ (とんぼ)
2013-04-21 21:04:48
ノンノ様

はじめまして。コメントありがとうございます。

これは今はもうないのではないかと思います。
20年くらい前のもので、当時は国内のものがほとんどなく、
福祉機器展のカタログで見つけたと思います。
確か「日本アビリティ」のもので、
価格をよく覚えていないのですが、4万くらいだったか…。
日本アビリティは今もありますが、
カタログをみたところ、これは載っていませんでした。
新しいタイプになってしまっているのですね。
ノンノ様が福祉関係のお仕事をなさっておられるのかどうか
わかりませんので、ご存知かもしれませんが、
日本アビリティのカタログページはこちらです。

http://www.abilities.jp/catalog/catalogtop.html

毎年福祉機器展が開催されても、私もいけなくなりましたので、
カタログだけ購入しています。
お役に立てなくてすみません。
実は、このボード、昨年ある施設に寄付してしまったんです。
もう少し早ければ…と、たらればの思いをしています。
よいものが見つかりますように。

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