写真は頂き物の紬の再出です。これで実験! 今日のお話はビギナーさん向けかな、と思います。
着物を誂えるのは、なかなかの出費、手軽に着るなら、頂くか古着を買うか…ですね。
親や知り合いから頂くにしても、、古着屋やネットで買うにしても、「他人さまの着物」ですからサイズが問題です。
マイサイズは覚えてしまうか、いつもメモを持ち歩くこと。
ぜったい必要なのは「身丈・裄丈」これにできれば「前幅・後ろ幅」。
身内からいただくなら、そういうこともすぐにその場でわかりますね。
お店で買うためには、いつも巻尺を持ち歩くこと、ネットで買うときは、説明をよく読んでください。
普通、着物は「女並(おんななみ)」といういわゆる「標準サイズ」で作る場合がほとんどかなと思います。
あとは身丈と裄丈がそれぞれ…ですね。
つまり極端に胸が大きいとか、今の私のようにムダ肉がついて、とくにおなかが出てきてしまった…、
そうなってくると、「並」から修正しなくちゃならないということです。
そういう着物に気をつけて…というお話です。
だいたい着物は大きくできています。
後ろ幅は、だいたいは28センチ前後が普通ですが、これだけですでに左右あわせて56センチ、
つまり後ろ身頃だけで、ウエスト一周する分くらい大きいのです。それに更に前身ごろがついているわけですから、
かなり大きなものを身体にまきつけているわけですね。
だから、前幅が大きいと、脇を合わせて着たとき、上前が右に行き過ぎてしまう。
それならばと少し控えて、つまり左脇の縫い目が少しうしろに行くようにして着れば、あとは後ろ身頃と
右側の前を順繰りに左脇に引き込んで着ればいいわけです。
でも、あまりにも大きいと、この順繰りに押せ押せで左の中側に入る分が多くなって、
着づらくて着崩れしやすくなってしまいます。
お福ちゃんでやってみました。
頂き物の紬です。私にはちょうどいいのですが、スマートなお福にはちと大きい…。
元々ボディさんですので和装用といえどもスマートですし、私はいつも着せづらいのと、
実際の他装ではないので「腕」をはずしています。だからその分ちょっと実際の人体と違うのですが…。
とりあえず肩の高さだけは私に合わせてあります。
この大きい着物を着せますと…まず左脇を合わせるとちと大きいので、きも~ち後ろにずらします。
うしろから見たところ、着物の背縫いは帯の中までが真ん中にあればいいので、そこを決めてピンで留めました。
赤い点が背縫い、一番下のなんとなく小さい点がピンです。下の赤い点が背縫いです。
着物は元々大きいものですから、このズレはどの着物でも起きることで、ここで伊達締めなどで締めて、
上は上、下は下で固定するわけですね。つまり、着物って胴体の真ん中で、ねじれるんです。
やせている人が大きめの着物を着るとこの右への行き方が大きくなり、ねじれが大きくなって着づらいんですね。
これで前はどうなるかというと…まずこれだけ巻き込んでいます。赤い点が、右の脇縫い。
これだけ巻き込むときは、当然おくみを折り返さないと、歩くのに足が開きません。
おはしょりを作るのに前はどうかといいますと、もう左にかなり引き込んでいますから、
身八つ口がずいぶん前にいってしまいます。これでも、伊達締めをして、あれこれ始末をすれば
ナントカなるのが着物です。
いっしょけんめカタチをよくしてがんばったので…キレイに収まりました。
このとき、前身頃のおくみの線は、おはしょりのおくみの線とあわせます。
この状態でおはしょりを持ち上げると、衿先はちゃんと中に隠されて収まっています。
赤い線が「衿」。
この程度は着慣れれば当然のように「ごまかし」て、表はきれいに作れるのですが、
実際には、右の身頃がかなり左に巻き込まれていますので、
気をつけて着ないと、例えば右の衿だけがあがってきて半衿を隠してしまうとか、
おなか周りの、帯で隠れている部分の「たまり」がぼてっとして気色悪かったりします。
やせたタイプの方は、あまり後ろ幅や前幅の大きいものは、残念ですが着ないほうがいいということです。
逆に太目の人が細身の方の着物を着ると…これは今の私がそうですが、
私は首から上と手足のみ「過去のまま」で、あちらこちら体のまんなかだけプラス10キロ…あんど「垂れぎみ」。
そりゃもぉアナタ、ブザマなことと言ったら…あっそんなことはさておいて、そうなると、ただ狭いというだけでなく、
たとえば胸がはだけ気味になったり、必死で包み込んでもおくみ線がゆがんだりと、泣くに泣けない状態です。
まぁそれでも洋服よりもサイズの融通はききますが、やはり着易い着物を選ぶためには、
できるだけ自分のサイズに近いものがいいということです。
あんまり極端に狭い広いというのは、そんなにはありませんから、
後ろ幅前幅がちと広かったら「ちょっと太めの人の着物だったのかな」くらいの判断がつけばよいということです。
もう少し細かいところのお話しをしましょう。
着物はみんな同じ作り方…とは言いますが(男女の別はもちろんありますが)、
ほかにも細かく言うと、人によって違うというところがあります。
これは体型別でなのですが、例えば、私の現在の状態ですと…つまり部分的「でぶりん」です。
最近ですが「合褄幅」は、なくなりました。おくみと同じです。
そして「抱き幅」もガリガリのころに比べて、ちと増やさないと、です。
「どこのこと?」というかたもいらっしゃるかもなので、写真をば…。
ほんのわずかですが、合褄幅の方が狭いです。おくみって長方形ではないんですね。
こちらが抱き幅、だいたい衿のところでおくみが剣先のようになっているところ「おくみさがり」のあたり、
反対側は身八つ口のてっぺんアタリです。
これは、同じ呉服屋さんで長く付き合いがあると、最初のが基本寸法になって、太ったりやせたりで、
「じゃここ増やすか…減らすか…」と簡単に決まるのですが、最初から自分で指定するひとは
あまりいないと思います。また縫い方などで和裁師さんにもよるなんてこともあると聞いています。
ここまで気にして計ったり、あわせたりはしなくても、大体は「並」が多いのですが、
ジミなきものほど「中年以降」の人が着ると思うので、
そうなると私のように「合褄幅」がちと広い…なんてことになります。
さして問題にはなりませんが、やせた方が着ると「着づらい」と感じることがあるかもしれません。
着物は大雑把な形でありながら、わずか1~2センチで着づらかったりするものでもあるのです。
もうひとつ、意外と忘れるのが「褄下」、これはだいたい身長の半分くらいといわれています。
これもその人の着物の着方とか好みとか、柔らかものと紬の違いとかで、厳密に言うといろいろです。
例えば、おはしょりをしたときに衿下がすっかり隠れるのが好きな人もいれば、
私のように1~2~センチほど、出てほしい人もいれば…ですから。
これを出てはいけない…という方もいますが、私は絵に描いたようにまっすぐきれい…より、
どっかちょろっととぼけたところがほしいので…といいつつ実際着ると「なんでこんなにでてんのよ」なんてことも…。
但し5センチ以上出ると、見た目にしまらなくなり、実際に着ていても歩きづらかったり着崩れしやすかったりします。
極端に出た場合をムリヤリつくってみました。だらしなく見えますね。何事もホドホドに、です。
元々身丈の違う古着などは、多少の違いは腰紐の掛け方やおはしょりの始末でなんとか変えられますが、
どうやっても衿下がデローンと出る場合は、仕立て直したほうがいいと思います。
なんだか「こんなに細かいなんて、買うのが心配」なんて思われるかもしれませんが、
あくまで「極端なサイズの着物も中にはあるかもよ」ということです。
ほとんどの場合は、背の低い人の着物は低い人なりの標準、高い人も高い人なりの標準…
ということが多いので、最初の「身丈」と「裄丈」があっていれば、そして前と後ろの幅が、
極端に大きくなければ、工夫して身に合わせることができます。
どこが何センチか、というより「どこのサイズも並のサイズかな」と気をつけてみるといいということですね。
もうひとつは袖丈、アンティークほど長いものが多いです。
裄と袖の直しは自分でもできるものではありますが、それが面倒という場合は、手持ちのじゅばんの袖丈と合うかどうか。
それをよく考えてください。ほんの1センチくらいなら、自分さえ気にならなければいいのですが、
着物の袖のなかで、短いじゅばんの袖がヒラヒラ浮いているとか、
逆に袖の中でじゅばんの袖が折れてたまっているとかは見ていてあまり形のいいものではありませんので…。
オークションなどでは、身丈と裄丈くらいで、あとは細かく書いていないことが多いのですが、
心配なら「前幅と後ろ幅」を質問すると、より正確ですね。
お店なら、実際に見られますから「なんとなく後ろ幅広い…」なんてわかります。
また、親切なお店だと「これはお客さんにはちょっとおおきいかも」なんていってくれたりもします。
たとえ何千円の古着であっても、せっかく買ったのに大きくて着づらい、小さくて着られない…は
もったいないですから、知識として「着物ってこういうところがこうだと、着るときこうなんだ」と
覚えておいてください。
いっぱい出ると、足が短く見えて不細工ですよね。
出ない方が好きな方もいらっしゃるんですね。
私は、どちらかというと、
見えていないといけないものだと思っていました(笑)
大きい方が着にくいのは実感しています。
背が高いので、古着になると、丈がぎりぎりになってしまうのが多いですが、
腰紐をローウエストにして、なんとか都合し、
小さめ(っていうか、標準?)を着る方がおはしょりの処理も簡単でぴしっと着やすいです。
あつらえた着物は私サイズのはずなのに、何故か大きいような。
毎回だぶついてシワが出ないようにするのに苦労しています。
和裁仕立て士の母が、着物を買うときこれだけは守れと教えてくれたのです。(バストが大きく太って見えるし洋服も下着もサイズがなくて苦労しました)
それから。。。自分のトシが、自分が結婚したときの母のトシになったら、抱きおくみプラスが必要なくなっちゃいました~(^^;)
腰まわりが中年太りで(--;)
お直し代もバカになりませんので、少しずつ脇出しに悉皆屋さんへ。
自分サイズの着物は、着つけも早く決まってラクです。和裁を習っておけばよかったです(涙)
標準サイズの方にはシミジミ憧れますが、骨格を変えないと(^^;)昔だって私のような体型の人はいたはずですが。。。胸高に帯を結ぶのはどうしてたんでしょうね?不思議です。
少しの事で着やすい着物、着にくい着物
ってありますね。
急いでいてもサッと決まってくれると
嬉しくて、ついその着物の出番が多くなり
ます。
帯結びの位置を下げるようになってきたので
これからの着物は、袖付けを変えようかと
考え中です。
衿下はお好み…なんですが、出てはみっともない…
なんていわれたりすると、
もらい物の着物はどーすんのよ、なんて思ってます。
今、一枚木綿の着物が着づらいんです。おかしいと思って計ったら、
褄下が私の寸法より長く、ほかもなんとなく5ミリずつ位なんですが大きいのです。
仕立てる方の腕にもよりますが、この褄下はないよなーと。
だって5cm長いんですから…。たぶん仕立て間違いです。
困りますー、お引きずりで着てどーする…。
ほんの微妙な違いなんですが、だいじなんですよね。
私も体型がおもいっきり変わって、ほんとに仕立て直しがねぇ…。
自分の体型を仕立て直せば…で、あまり効果が見られなくとも…あれこれやってます。
胸高の帯は、私もやせているのと首の短さで、いやでしたねぇ。
ずーっと昔だと、伊達締めではなく、幅広のしごきをぐるぐる巻いて、
腹巻みたいに体をビヤ樽状態にしたんですよね。
今それやったらビヤ樽ではなく、ちょうちんになりますわ。
着づらいのは、どんなに色柄気に入っても、
てを通しにくくなりますね。
私も袖付け少しさげなければと思っています。
太ったらよけいに身八つ口のアタリがオープン気味になりそうで、
気になりますわ。
その前にやせなさいってハナシですが…。
寸法をかなり狭くして 仕立てて頂いているのですが
おはしょりを直す時 手が入り難くて/kaeru_shock1/}
私は太ったおかげで、それですー。
昨日もたまたま呉服屋さんと電話で話していて、
そろそろ袖付け口さげるようだねぇ…。
はいはいワカリマシタ…でした。
ほんっと手がはいりにくくなるのですよね。
身体はかたくなるというのに…。