眼が弱くなって眼精疲労なども気をつけねばならない…まったくめんどくさい年齢になったものです。
着物の解きも、しばらくやらないとそのまま「やらないモード」が続いてしまっていました。
ようやくやる気になって今3枚控えております。まずゆっくり二日かけて昨日までに「男物じゅばん」を解きました。
お天気がどうも下り坂…雨は夕方からとの予報でしので、空を見上げながら大急ぎで洗って張りました。
気になって何度も見に行き、ここまでくれば…と取りこんだら30分ほどで本降りの雨になりました。まにあったー。
で、この男物のじゅばんですが、もう繰り回しの最たるもの…と言う感じです。
元々かなりあちこち傷みが来ているとはわかっていたのですが、使えるところだけでも…と欲と二人連れ…。
袖だけがしぼの大きいちりめんで、無双仕立てですが裏は表とは違う無地のちりめんです。
今回つなげて伸子張りしましたが、無地のほうは縮んだまま乾かそうと思い、そのままにしました。
胴部分は羽二重、これがまぁ薄いこと薄いこと…。元々じゅばん用の薄い羽二重です。
それが使い込まれてさらに薄く、裏を取って透かして見たら、もうあちこち織りがよれていました。
袖のちりめんですが、柄はまぁオーソドックスといいますか、よくあるタイプの柄。
これも端の茶色の部分は、もっと色が濃かったのでしょうね。
解いてみたらもうこちらもだいぶ使い込まれていました。
裏の縫い目跡の弱り部分は、裏打ちが長く続いています。
ほんとに昔の人は、ものをムダにしませんね。
部分的に使えないほど薄かったり破れたりしていますが、真ん中あたりはまだ使えますから
補修して補修して、使ってきたんですねぇ。
さて、伸子張りをした方としない方、こんなに差が出ました。
色がよく似ているのでわかりにくいですが、上が伸子で伸ばした「柄もの」の方、
下が伸子をしなかった無地の方です。ちょうど柄のほうのふち部分の染め分くらい、違いますね。
ついでに、下に白い紙を敷いて撮ったら、あまりに薄くなっているので、下に反射しちゃってます。
ちりめんというよりシフォンみたいになってます。
どんなに古くても傷んでいても、伸子張りするとピンとしてツヤも出るのがフシギです。
胴の羽二重、実はこちらの柄がとても気に入っているのです。こんなの。
まだじっくり柄の「本」の中身を読んでいないのですが、目録のようなものもあるみたいです。
それにしても傷みがひどく、写真でもわかるように縫い目のあとはもうこれ以上は縫えません。
引っ張ったら縦につーっと切れてしまいますね。
お尻のあたりなども縫い目から横に広がって、ほんとに着てたのかしら…と思うほどのダメージです。
この羽二重のほうは、お天気が落ち着いてから、手洗いでそぉーーーっと洗って仕上げます。
状態のいいところをカットして薄い接着芯で補強すれば、藍木綿と合わせたりして、
面白いバッグでもできないかしらん…と、あれこれ考えています。
明日はお天気わかりませんから、次の1枚の解きにかかります。ゆーっくりね。
私以前、反幅を半幅に縮めてしまったことがあり、
洗うことにちょっと慎重に。。なりつつ?
でもまぁ、濡れている間なら、手で引っ張れば元に戻ると言うことを知り。。良い経験でした←好きなことには超前向きでいられる特技ww
それでも、伸子張りすると、そんな手間もなくきれいに均一に洗い上げることが出来るのでしょうね。。
狭い我が家では、手のしのアイロンかけが精いっぱいです。
私も解いたものが数枚あるので、早く洗わなければ。。と思いつつ、
ここからがなかなか。。(;^_^A
伸子張り、洗い張りー今のお若い方に言っても???の世界ですね。
私も実際、したことはないのですが、伸子張りをすると艶も出るのですね。
最近は手洗いが出来るなら洗濯機でも大丈夫かとネットに入れて洗濯機にお任せしている私としては頭が下がりますー呆れられそうだあ(笑)。
ちりめんだと2センチおきくらいに伸子を打つのです。
単純作業ではありますが、手間かかります。
紬なんかだと10センチくらい話しても大丈夫なんですけどね。
時間も手間もかかるのですが、ほんとにきれいになるので
やめられまへん…(笑)
解くのはミシンの縫いのものに比べたらずっとラクなはずなのに、
1枚解くと「休むかぁ」になってしまいます。
着物だけを着ていた時代の人って、すごいよなぁと思いますわ。
若い友人が字を見て「ノブコバリ」って何?といいましたっけ。
やっている人は、もうプロの人ばかりでしょうねぇ。
道具はまだ売っているんですが…。
使い方もわからないでしょう。さみしいことですわ。
私ももう小物用かな…なんて紬は洗濯機でガーラガラ…ですー。