ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

人と道具と…

2021-01-05 20:34:47 | 着物・古布

 

トップ写真は、後述の「人類誕生」の本です。

 

我が家は正月三が日は刃物を使わない…というお話を、ずっと前に書きました。

今はそんなことも言っておれず、使っちゃってますけど。

今年はカレンダーどおりで、4日から皆さんも仕事始めなのでしょうね。

私はちっともかわらず仕事もゆるゆる。

古着のシミ汚れチェックをしたり、解きを始めたりていどです。

 

チョキチョキと握りばさみを使いながら、道具のことを考えていました。

突然ですが…人類が誕生したのは遠いアフリカ…いきなりなんやねん、ですが、

まぁ今日はそんなお話です。

2年前になりますか、NHKで「人類誕生」という番組を放送しました。

トップ写真の本は、ついに買ってしまった…のです。

内容説明すると私のことですから、それだけでおわってしまいそうなので、

NHKのホームページでご覧ください。とても興味深い内容でした。

再放送が何度かされています。

 

で、番組を見ていて、人類の歴史の中で「道具」を作る、使う、ということが、

いろいろな意味で大切なことなのだと、再認識しました。

ホモサピエンスに限りませんが「人類」がほかの動物よりも体も小さく、牙や爪もなく、

それでも生き残ってきたのは「脳」のおかげだ、といいます。

つまり「知恵」を以って、自分たちより強いものや大自然と対峙してきたのですね。

 

番組の中で、やはり興味をひかれたのは「衣」の部分。

元々アフリカで誕生した今の「ヒト」、つまりホモサピエンスは、

最後まで残っていたネアンデルタール人が絶滅したあと、

やがてアフリカを出て、世界中に広がっていきました。

もちろん当時は地形的にも気候的にも、今とは違うことはたくさんありましたが、

とりあえず「北」は寒いのは同じです。今よりずっと寒くて、氷河期も今よりきつかったわけです。

そんな中で、日本へは北のルートはまだ地続きだったロシア方面から、

西は朝鮮半島あたりから、南はまだ大陸とくっついていた今の台湾あたりから、

ホモサピエンスがわたってきたと推測されています。

西や南はともかく北から来た人たちは、今のシベリアなど極寒の地でどうして生きられたのか。

番組では毛皮の存在を上げていました。ただ毛皮をまとっただけではありません。

ロシアのヤナ遺跡というところでは、マンモスなど大型動物の骨やそれを使った道具が

大量に出土したそうです。マンモスなどの骨を柱のように組み合わせ、周囲を毛皮で覆って

家を作り、寒さを防ぎ、暮らしていたのであろうということです。

家だけではなく、衣服もまた毛皮を使っていたと考えられています。

道具の中から、動物の骨を使って作った「針」がありました。

大事なのは「縫い合わせた」ということ。

縫い合わせるには糸と針がいります。糸はどうしたか、植物のある所ではそれから繊維をとり、

ないところでは、動物の腱や腸からとりました。そしてそれで「服」も作ったわけです。

人間の体とは違う形の動物の毛皮を切り抜き、針と糸でしっかり縫い合わせ、

ズボンやコート、フード、手袋、長靴まで作り、それで身を固めて、

極寒の地で生き抜き、やがて東へ進んで南におりて…今の日本までやってきたんですね。

 

縫い針は、世界中の遺跡から発掘されています。日本は縄文時代のものが出ています。

針があるということは、糸があり、それを縫い合わせる布があるということ。

布があるということは、ただの細い繊維を組み合わせて、面積のあるものを織ったり編んだり

それを可能にする道具も作られたということです。

 

だから何?いえ、私いつも、なんでもそう思うんですが「それを最初に気づいた人、

考えた人、作った人ってスゴイ」なんです。

必要に迫られ、一生懸命考え、作り、改善し、今に至るわけですが、

.今も原理は同じものがたくさんあり、

いまだに、たいして元の形と変わっていない道具も使われていたりします。

今の時代、およそ日常生活で道具に苦労することはありません。

逆に新しいものを考えるほうが大変です。

最近のアイデア商品などは、実際便利だと「よくこんなの、思いついたなぁ」とか

「こういうのを考えるなんてすごい」とか、思いますよね。

太古の昔、それこそ何もないところから、必要に迫られて布であれ毛皮であれ、

「これを綴じ合わせれば、体を守るものができる」と、そこから始まったのだと思うのです。

私たち、今でも「針に糸を通して縫い合わせる」ことをしています。

人類はそうやって生き残ってきたのだ、と、ちと大げさではありますが、

そんなことをゆるゆる思うわけです。ヒトの「脳」はスゴイ!と。

 

お天気がいい日は、寒いけれど玄関先で着物を解いてます。

もうヨレヨレの銘仙や、渋いお召、残念な色あせのある小紋…。

一枚一枚の着物が「どこかで織られ、どこかで染められ、誰かの手に渡り、

誰かに縫われ、誰かに着られた」という、着物の自分史を持っているわけです。

想像するだけで本当のことは、いつもほとんどわかりませんが、

最初に着物としてこれをまとった人は、きっとにこにこ笑いながら鏡の前でクルクルとまわり、

それを着ていくところ、そこで会う人、いろんなことを思い浮かべながら着たのでしょう。

太古の昔、ただの体の保護・保温のためのものであったものが、

日本でいうなら縄文時代から「飾る」ということを意識して、衣服は作られてきています。

布で身を覆う暮らしの中で、色や柄を考えたり形を考えたり…。

縄文の遺跡から出るものから推測される服装などはけっこうカラフルです。

お化粧や入れ墨もありました。装飾品もあれこれ。

 

いろいろ専門的なお話を聞いても、出てくる話ではありませんが、

私は日本人の「美」に関する感性や執着、向上心は、並大抵ではないと思っています。

紀元前から培われてきた力はすごいものだと思うのです。

いわばそのDNAを受け継いで今に至るのが「和服」です。

洋服もまた魅力的な「衣の道具」ではありますが、

日本人なら日本の「美」を忘れずにいたいものだと思っています。

 

さて、おまけ話ですが、こんなものを見つけました。

なんでしょうか、商品名は「タッチレスチャーム」と言います。

 

        

 

使い方はこんな感じ。エレベーターのボタンとか、出先の自動ではないドアとか…。

 

      

 

今の環境にピッタリ?

私自身はほとんど外に出ませんが、友人に介護生活をしながら家人の通院や面会に付き添い、

更に仕事もしている人がいます。病院が一番こわい…と言っていました。

少しでも安心できたらと思って…。

説明によれば、ATMなどでは反応しないこともあるそうですが…。

我が家は誰か訪ねてきた後は、おかえりになってしばらくしてからドアの取っ手を消毒していますし、

買い物から帰ると、玄関で買ってきたものを除菌シートで拭いています。

神経質と言われようと、我が家は超ハイリスクな家族がいますし、

自己防衛できるところはしておきたいと思っています。

 

ウィルスも太古の昔から人を脅かすものとして進化し続けてきたのでしょう。

共存と言ってもねぇ、やはりお断りしたいです。なんとか「防ぐ」方法だけでも確立して、

生き残っていかねば…と思っています。がんばらんば~!

これを見たら友人は笑うかなぁ。

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