昨年暮れの頂き物の中の1枚、色無地です。ちゃんと色出ていません。
背中に一つ紋「三階松」です。家紋違うけど、仕立て直して着たい色です。
今日はちょっと「柄」のお話。
色がなかなかちゃんと出ませんが「似せ紫」が一番近いです。
こんな感じなんですが…。
似せ紫は、かつて「本紫」と呼ばれる紫色が「禁忌」の色だったため、
「似せてるだけだよぉ」と、庶民が考え出した色、と言われています。
色は地味ですが、柄が浮き出ていてなかなか目立ちます。
光の当て具体でこんな感じ。
水流の柄「観世水」ですね。
水流の柄は、謂れとして「途切れることなく続く」「流れる水は清い」という意味。
観世水というのは、能の観世大夫が家紋としたため。
和服の柄の「水流・水紋」は、流れと渦があります。
家紋によく使われるのは、3本の水流、だいたい「S」を逆にした形です。
こちらは水にオモダカ。
観世水は渦が基調です。少し変形ですが、有名な尾形光琳の「紅白梅図」に流れている柄ですね。
梅もいいですが、この流れが好きです。
着物の柄や白生地の地紋、帯の柄などにもよく使われます。
同じ水でも、海になると「波・波濤」になります。
青海波は有名ですが、波も「永遠に続く」という意味で、吉祥柄、
波濤になると、図柄からくるその力強さと、何度でも岩に打ち付けるいわば闘争心とか、
忍耐力とか…そういった意味合いで、男性、男児の着物によく使われます。
また、最近話題になることの多い「アイヌ文化」の中でも「水紋・渦巻き紋」が使われています。
ただ使われる意味あいは少し違っていて、アイヌの人たちは森羅万象すべてに神が宿るという考え。
つまりは、自然に対する畏敬の念を抱くと同時に、なればこその「守り」「呪文」などの
意味を持つものとして、水紋を使った、らしい、というのが今の説です。
なにしろアイヌ文化は「字」がありませんでしたから、まだまだ研究途上なのですね。
さて、お正月ですからめでたい柄の話題を…と思ったのですが、
生地屋さんの福袋を眺めていたら、今年どこのお店でも「鬼滅」ばやり。
どのお店でも「黒とグリーンの市松模様」のコットン生地が売られていました。
そのうちあちこちで黒緑市松のレッスンバッグや、ランチバッグがみられるのかもしれません。
とにかく「鬼を滅する」のですから、めでたいとこじつけて、市松のお話。
市松柄は「格子柄」に入ります。「市松格子」ですね。チェックのことです。
何しろ歴史の古い柄で、平安時代から使われていたそうです。
かつては濃淡や2色の四角を、整然と交互に並べた柄の総称で長方形の並びもあれば、
色ではなく無地と柄だったり、今の「市松」よりもバリエーションがあり、
そのころは「石畳」などと呼ばれていました。今でも石畳柄という呼び名も健在です。
「市松」と呼ばれるようになったのは、江戸時代中頃の芝居役者「佐野川市松」という人が、
舞台衣装で紺と白の四角を並べた柄の袴を穿いたところ、人気がでて、
以来「市松」と呼ばれるようになったといわれています。
実は、今のトップページの「牛さんのバック」も市松。3色ですけど。
あれは年賀状の背景画像から選んで、普通のコピー用紙にプリントアウトしたもの。
そのときは「ハヤリ」なんて何も考えていなかったんですけどね。
そういえば、お鼻水色の牛さんは、毎年恒例の「干支みくじ」です。
ひっくり返しておなかを探ると、ミルクではなく「おみくじ」がでてきます。
私も息子も今年は「大吉」でした。
安全なワクチンがはやくできること、が、今年一番の「吉兆」ですね。
三が日、ゆるゆると駅伝など見ながら、膝に着物を広げたり、
ちょっと解きものをしたりで過ごしました。至福のとき~でした。
さぁ明日からは日常に戻りますが、戻っても自粛生活。頑張りましょう。
長女が姪の子供(今年小学生になる女の子)宛にこの緑と黒の市松のみのポチ袋を使ってて、
なんでそんな柄なん?
もう少しかわいいのなかったの??と、
思ってたところだったのですが、
長女に言わなくてよかった~(笑)
世の中の流行に疎すぎるんです。。。_| ̄|○
お正月から、
着物に触り、着物を解き。。
至福の時間を過ごせて、良かったですね^^
麻の葉柄もでてくるのだそうで、これがきっかけで
柄の名前がわかるようになったとかなんとか。
うれしいようなさみしいようなです。
着るところまでいかないのが残念なんですが、
明日はまた解きかなと思っていますし、
いつもの日常…の感じがほっとします。