◆中学校の定期テストとは違う
高校入試と定期テストの問題形式が違うのはご存知だろうか。
都立入試数学では19問しか出ない。1問あたり5~7点である。
よって1問を落とすと致命傷になるのである。
また、出題されるものも定期テストとは異なる。
例えば定期テストだと「言葉の説明」や「定理の証明」を問われることがある。
"定義"とは何か。
"解の公式が成り立つこと"を証明せよ。
"解の公式が成り立つこと"を証明せよ。
などである。これらは都立入試には出ない。
では、教科書に載っている単元で都立入試に出ないものはないか。
まとめてみた。
◆教科書で分けられている単元
以下は東京書籍の教科書「新編 新しい数学」の章を並べたものだ。
なお、東京23区では東京書籍が圧倒的シェア(23区のうち14区 61%)を占めている。
<中学1年>
1.正負の数
2.文字と式
3.方程式
4.比例と反比例
5.平面図形
6.空間図形
7.資料の分析と活用
2.文字と式
3.方程式
4.比例と反比例
5.平面図形
6.空間図形
7.資料の分析と活用
<中学2年>
1.式の計算
2.連立方程式
3.一次関数
4.平行と合同
5.三角形と四角形
2.連立方程式
3.一次関数
4.平行と合同
5.三角形と四角形
6.確率
<中学3年>
1.多項式
2.平方根
3.二次方程式
2.平方根
3.二次方程式
4.関数y=ax2
5.相似な図形
6.円
7.三平方の定理
8.標本調査
5.相似な図形
6.円
7.三平方の定理
8.標本調査
このうち、2002年度から2019年度入試まで一度も出ていない章は「標本調査」のみ。
中学校最後の章であり、2月下旬の入試日までに中学校で習っていない場合があるということを考慮したためであろう。
「標本調査」自体は比の性質を使えばいいので、小学6年生でも解ける内容だ。
◆方程式の文章題は出ない
つぎは各章ごとに、都立入試には出ないものを並べてみよう
・方程式・・・文章題
一次方程式、連立方程式、二次方程式の計算問題は各1問ずつ必ず出される。
逆に方程式の文章題、個数と代金、距離・時間・速さ、昨年→今年で人数が増減する
といった問題は出されない。
19問しか出せないのに、方程式に4問も割くわけにいかないからだ。
関数の問題でも方程式の計算は使うのだから、方程式の文章題まで出さなくても計算能力・立式の能力は問える。
・関数・・・関数の利用
2本のバスがA,B地点を往復し、出会う時刻や位置を問う問題などだ。
ただし、台形が平行移動して長方形と重なる部分の面積については、大問2で出たことがある。
これは例外といえる。
解けなくても偏差値50前後を目指すのなら支障はない。
1回だけ、2004年度に「正方形の辺上を動く点Pがあり、三角形ABPが動く時間と面積について」の問題が大問2で出たことがある。
それ以降15年間も出ていないので「もう出ない」と思ってもらってかまわない。
・球・・・体積、表面積
2009年度の中1から移行措置として「球の体積・表面積」を学ぶようになった。その前の学年の子は中学校で習っていないのだ。
2012年度入試からは「球の体積・表面積」を出してもいいことになっているが、2002年度以降に一度も出ていない。
今後もおそらく出ないだろう。正答率50~80%にする問題が作りにくいからだ。
中学3年生のキミたちは現時点、中学校の定期テストで点を取ることを最重視でOK。
ただし「都立入試ではどのような形式で出るのか」を知っていれば、2学期に関数や相似な図形を授業で学ぶ時、より効率がよくなる。
過去問は見ておくべき。
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