敵側の証人に何を質問しようか?
相手方の主張や証拠を見ながら思案していると、「この点はどうなっているんだろう?」と疑問に思うところがいろいろと出てきます。
ところが、こういう疑問を素直に証人にぶつけてしまうと、かえって不利な事実が出てきたり、相手方の主張を固めてしまったりすることが多いのです。
尋問の鉄則は、「答えの予測できない質問は絶対にしてはいけない。」です。
世界的ベストセラーで、日本でも2012年本屋大賞翻訳小説部門第1位になったフェルディナント・フォン・シーラッハ作「犯罪」でも、
「弁護人が証人に尋問する場合にもっとも重要なのは、自分が答えを知らない質問は絶対にしないということだ。予想外の結果は望ましいことではない。依頼人の運命をもてあそんではいけないのだ。」 と書かれていますが、
そのとおり!
弁護人が素朴な疑問を尋ねることは、依頼人をリスクにさらすことになるのです。
思いついたことを何でも口に出してはいけないというのは、普段の会話でも一緒ですね!
「犯罪」 フェルディナント・フォン・シーラッハ
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488013363